25日に投開票された大阪府箕面市長選は大阪維新の会公認の現職が再選を果たさずに、無所属新人・前大阪府議(38)が初当選を決めました(維新公認の首長が敗れるのは2010年の結党以来初めて)。
9月に行われる立民党代表選に枝野幸男氏がいち早く名乗りを上げ、それを追う形で野田佳彦氏も名乗りを上げました。この二人は単に『昔の名前』で出ているに留まらず、2009年に国民の期待を背負って登場した「民主党政権」を、再起不能なまでに「地に落としめた張本人たち」です(※もう一人の「張本人」は菅直人氏ですが、今期限りで議員を引退する由)。
当時の事情を知る人なら忘れもしないのに、二人はどの面を下げて登場するのでしょうか。
植草一秀氏が掲題の記事を出しました。
2009年の民主党政権の誕生は、小選挙区制でも革新勢力が一つにまとまれば革新政権が誕生することを証明しました。それだけに自民党=体制側に与えたショックは大きく、日本の支配者=米国と自民党は、「二度とこの過ちを繰り返してはならない」ことを肝に銘じたのでした。
そして日本の二大政治勢力を「自公」と「第二自公」にする戦略が練られ、特に米国は「第三極」と称して、第二自公勢力の創設に力を注いできたと植草氏は述べています。
21年10月、枝野幸男氏が野党共闘を否定したことで立民党は惨敗し、その責任を負って代表を退きましたが、後を継いだ泉健太氏は野党共闘路線をより以上に否定したため、22年の参院選でさらに大惨敗を喫しました。
まさに米国の狙いが如何に正鵠を射ているかを示すもので、今回の代表選で泉健太氏、枝野幸男氏、野田佳彦氏の内の誰がなろうとも、「自公」と「第二自公」の二大政治勢力体制に移行させようとするCIAの狙いに沿うものだとしています。何とも救いのない話です。
※ 2009年に発足した鳩山由紀夫内閣では、鳩山氏は菅副代表を国家戦略局担当相に就かせました。それはこれまでの財務省(旧大蔵省)主導の政治を廃して(「官僚支配」を脱して)真の「政治主導」を実現するという高い理想に基づいたものでしたが、菅氏はその意義そのものを全く理解できなかったといわれています。
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「悪夢の民主党政権」本当の意味
植草一秀の「知られざる真実」 2024年8月26日
日本の野党には二つの類型がある。
ひとつは革新野党。55年体制で構築された自民政治を刷新する路線を取る。
もうひとつは守旧野党。政権与党に参画していないが自民と類似する。亜流与党である。
敗戦後にGHQが日本民主化を断行した。民主化を主導したのはGHQのGS(民政局)。
一気呵成に日本民主化の核心を遂行した。
集大成は日本国憲法。日本国憲法は1947年5月3日に施行された。
日本国憲法施行と同時に総選挙が実施され片山哲内閣が誕生した。片山哲は社会党党首だった。
民主化日本の発足と同時に革新政権が生み出されたのである。
しかし、この1947年に米国の外交基本路線が転換した。新たに中核に置かれたのは「ソ連封じ込め」。
これに連動して対日占領政策が大転換した。民主化から非民主化=反共化に舵が切られた。
GHQの主導権はGSからG2(参謀2部)に移行した。G2は日本の革新政権を潰しに向かった。このなかで下山事件、松川事件、三鷹事件の国鉄三大怪事件が発生した。
すべてGHQが主導した事件であると考えられる。共産党排撃の工作活動だった。
G2は日本の旧軍人を活用。日本民主化は中止され、戦後民主化は「逆コース」に転じた。
その延長線上に現在がある。
1947年の総選挙が示すように、日本の革新勢力が一つにまとまれば、いつでも革新政権が誕生する。その実例が2009年の鳩山内閣誕生だった。
米国は自民党と結託して「米国が支配する日本」を築き上げてきた。
しかし、2009年にこれを打破された。
これが日本支配者である米国と、その支配下にある自民にとっての「悪夢」なのだ。
「悪夢の民主党政権」の意味はこのことである。二度とこの過ちを繰り返してはならない。
これが彼らの基本認識だ。
そのための方策が共産党攻撃である。「共産党は怖い」というイメージを流布して、日本における革新勢力の連帯を潰す。このことが実践されてきた。
しかし、次元は次の段階に移行している。日本の二大政治勢力を自公と第二自公にする策略が張り巡らされている。
米国は「第三極」と称して、第二自公勢力の創設に力を注いできた。
「みんなの党」、「維新」、「希望の党」、「国民民主党」はすべて、この目標に沿う動きである。
2017年から2021年まで立憲民主党が革新勢力の旗頭になりかけたが、米国支配勢力はここにも工作の手を伸ばした。
立憲民主党を「革新野党共闘」から引きはがす工作が展開された。
2021年の衆院総選挙で立憲民主党が惨敗した理由は野党共闘を否定したことにある。
「野党共闘路線に傾いたから立憲民主党が負けた」という虚偽情報が流布されているが事実に反する。
2021年10月、枝野幸男氏が野党共闘を否定したために立憲民主党は惨敗したのである。
ところが、その後の立憲民主党代表には野党共闘路線をより強く否定する泉健太氏が就任し、2022年参院選でさらに大惨敗を喫した。
その延長線上に今回の立憲民主党代表選があるが、立候補者が泉健太氏、枝野幸男氏、野田佳彦氏ではお話にならない。
2012年に民主党を完全破壊したのが野田佳彦氏である。
野田佳彦氏を浮上させたのもメディアだ。
メディア情報誘導でA級戦犯の野田佳彦氏を再浮上させている。その背景に、日本政治を自公と第二自公の二大政治勢力体制に移行させようとするCIAの目標が存在する。
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