2024年8月16日金曜日

反政府派撲滅キャンペーンを一層強化するワシントン

 これは一読して暗澹とならざるを得ない、ある意味身の毛もよだつような記事です。
 米国には、かつては自由と民主の国というイメージがありました。仮にそれが「偽装」であったにしても簡単には見破られない重層性がありました。
 それが今やここまで正義とは無縁で、落ちぶれ果てた国家になったのかという思いを強くします。
 岸田首相はこれまで米国を価値観を共有する国家と持ち上げてきましたが、それはどんな価値観なのかを説明できるのでしょうか。
 それにしても大量虐殺反対するデモ参加する学生たちを、何の抵抗もなく既成の「反イスラエル団体」視する精神とは一体何なのでしょうか。世界の常識に反するものです。
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反政府派撲滅キャンペーンを一層強化するワシントン
                 マスコミに載らない海外記事 2024年8月14日
ここ数日、国内の政治反対勢力に対する闘いをアメリカは様々な方法で強化しており、外国の影響が疑われる大量虐殺反対デモ参加者を取り締まるようアメリカ議員はバイデン政権に要請し、アメリカ外交政策に批判的なジャーナリストたちは、益々武器化しつつあるワシントンの外国代理人登録法の標的となっている
                    ケイトリン・ジョンストン 2024年8月

 ここ数日、国内の反政府派撲滅キャンペーンを、様々な方法でアメリカは強化しており、外国の影響が疑われる大量虐殺反対デモ参加者を取り締まるようアメリカ議員がバイデン政権に請願し、アメリカ外交政策に批判的なジャーナリストたちは、ワシントンで益々武器化されつつある外国代理人登録法(FARA)の標的になりつつある。
 対ロシア・アメリカ外交政策を声高に批判してきた元国連兵器査察官スコット・リッターの自宅をFBIが捜索した。
 コンソーシアム・ニュースはこう報じている。

木曜日「連邦捜査官は元国連兵器査察官がアメリカ外国代理人登録法に違反の嫌疑で、ニューヨーク州アルバニーの自宅からリッターの電子機器と多数の箱に入った書類を押収した。」
 サブスタック・ページに投稿された動画で「FARA違反容疑事件では、通常当局は捜査を通知する手紙を捜査対象者に送る」とリッターは述べた。「捜査令状を持った多数のFBI捜査官を派遣し、証拠の可能性があるものを捜索して、押収することはない。」
 「リッターが投稿した令状の写しには、電子機器の押収のみ記載されていたが、専門家らしい行動をしたとリッターが言った捜査官連中は、1990年代にイラクで国連兵器査察官を務めていた時代に保管していた国連書類の箱も押収した。リッターが動画で述べている通り、国連書類は機密扱いにはならず、彼に対するFARA訴訟と何も関係がない可能性がある。」
 「『だから、これが通常の手続きだという考えは極めて不合理だ。私は外国工作員ではない。私はジャーナリストだ。だから、この件全体を、こう表現する必要がある。昨日FBIがしたこと、昨日アメリカ政府がしたことは、言論の自由だけでなく、報道の自由に対する正面攻撃だ』とビデオでリッターは語った。」
 アメリカ外交政策に批判的な政治発言を抑圧するため、アメリカはFARAを益々積極的に利用しており、中国やロシアなどの政府と協力して無許可の思想を流布しているとして、司法省は反体制派発言を益々標的にしている。

 これは、アメリカが支援するガザでの大量虐殺に反対するデモ参加者が、外国政府と無許可で関わっているかどうか調査し「イラン政権」とのつながりが見つかった場合、厳重に処罰するよう要求する書簡を22人の議員がホワイトハウスに送ったというケン・クリッペンシュタインによる報告と一致している。
 クリッペンシュタインはこう書いている。
 
「先週木曜、バイデン政権に、ガザ戦争抗議行動参加者がイランから資金提供を受けていると主張する書簡を22人の議員が送り、行動参加者の捜査と刑事訴追と財政破綻を要求した。『本日、アメリカの特定反イスラエル組織が、イラン政権から資金提供を受けていたという最近の暴露についてお知らせする』と書簡は始まる。この暴露は、イランが世論に影響を与えようとしているというクリストファー・レイFBI長官とリサ・モナコ司法副長官の声明に加え、最近の国家情報長官アヴリル・ヘインズ声明に端を発している。
 「この書簡は『イラン政権から資金提供を受けて法律に違反する個人や団体を刑事訴追し、民事没収訴訟を起こす』よう司法省に求めている。そして最後に『国家情報長官室(ODNI)と財務省に対し、情報源や手法で妥協することなく、イランがこれら親ハマス組織に資金提供していることに関する入手可能な全情報を公表し、アメリカ国民がこれら集団の本当の姿を知れるようにするよう』強く求めている。」

 この書簡で、イランまたはその「関連団体」から直接的、間接的支援を受ける個人と団体のリスト、制裁対象の資金を受け取ったと考えられる「反イスラエル団体」の銀行情報の写し、違反が判明した者に対し課される「厳しい金銭的罰則」に関する情報提出を要求しているとクリッペンシュタインは指摘している。

 国内外での犯罪行為に対する国民の反対が高まる中、都合の悪い情報の流れを制限するために、アメリカ帝国は、あらゆる手を尽くしてきた。プロパガンダや検閲や報道戦争、TikTok禁止、シリコンバレー・ハイテク企業とアメリカ政府機関の連携強化、大学キャンパスでのデモ参加者に対する警察取り締まりや、反対政治意見の抑圧は、全て、世界で起きていることに関する国民の考え方を操作する計画の表向きの現れだ。

 アメリカを中心とする帝国の指導者連中は、世界で起きていることだけでなく、それに関し人々がどう考えるかを支配する能力こそ真の権力だと理解している。そうすることで、革命のリスクを冒すことなく、彼らが望む通り行動できるからだ。一般市民としての我々の任務は、文明における支配的言説に対する彼らの支配を弱め、この専制的権力構造の支配下で実際起きている真実に国民を目覚めさせることだ。

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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/08/10/washington-further-escalates-its-war-on-dissent/