その結果を「一次元グラフ」の形で示した(記事の末尾に掲載)ところ、自民党、みんなの党、日本維新の会の「改憲勢力」が 他の政策でも考え方が近いのに対し、連立政権を組む自民、公明両党の主張には距離があり、掲げる政策と政権の枠組みとが必ずしも一致していないことなどが明瞭になりました。
詳細は各党の政策を見るしかありませんが、大体の傾向を知るうえでは大いに役に立ちそうです。
以下に20日付の東京新聞の記事を紹介します。
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<有権者発>9政党 主張整理すると
東京新聞 2013年7月20日
参院選は最終盤を迎えている。日本の将来を決める改憲、原発、環太平洋連携協定(TPP)をはじめ、多くの政策課題での論戦も熱を帯びる。岐阜県土岐市、建設業前野孝市さん(80)から「選挙への関心が低いのは、各党の政策が分かりづらいからだ」という声が寄せられた。10の政策テーマについて、主要9政党の公約を分析すると、自民党、みんなの党、日本維新の会の「改憲勢力」が他の政策でも考え方が近いのに対し、連立政権を組む自民、公明両党の主張には距離がある。掲げる政策と政権の枠組みとが必ずしも一致していない。 (城島建治、生島章弘)
自民、みんな、維新の三党は憲法九六条を変えて改憲の発議要件を緩和するとともに、戦争放棄と戦力不保持を定めた九条の改憲にも積極的だ。
改憲以外でも、みんな、維新の両党は野党にもかかわらず、自民党と多くの政策テーマで考え方が近い。
経済政策では、法人税を引き下げて企業の成長を促し、雇用を安定させる「企業重視派」で、雇用政策でも「限定正社員」の導入に前向き。限定正社員は職種や勤務地、労働時間などが限定された正社員のことで、企業にとっては人件費の削減につながる。企業収益を重視した政策になっている。
社会保障政策でも、政府や地方自治体による給付を減らして、自分のことは自分や家族が責任を持つべきだとする「自助」の考え方が強く、外交・安全保障政策でも米国重視で一致する。
しかし、自民党が主張する原発推進、公共事業重視について、みんな、維新の両党は反対。改憲勢力の三党がすべての政策で考え方が一致しているわけではない。
一方、自民党と連立政権を組む公明党は改憲、原発、経済政策で、同じ与党の自民党と考え方に隔たりがある。選挙後、自民党がこれらの政策を強引に推し進めようとすれば、政権運営に影響が出る可能性もある。
消費税増税については、自民、公明、民主の三党合意に基づき、法律が成立した経緯から、この三党は賛成の立場を明確にする。自公民の三党はTPP賛成、米国重視の外交政策でも近い。
生活の党、共産、社民、みどりの風の四党は脱原発、TPP反対、消費税増税反対、限定正社員の導入反対など、大半の政策テーマで歩調を合わせる。経済政策では、賃金を上げて所得を安定させて、景気の底上げを目指す「家計重視派」で、自民、みんな、維新の三党の経済政策と一線を画す。
ただ、憲法では改憲の発議要件を緩和する九六条改憲反対で四党は一致するものの、憲法九条では生活が自衛隊の国連活動への参加の根拠となる条文を加えるべきだと主張し、立場を異にしている。