自民党は党の憲法改正草案を国民に直接説明する「対話集会」を開くことを検討しています。
自民党の改憲草案は、天皇を「元首」と規定し、国防軍創設を明記し、国旗・国歌の尊重義務など「国民の義務」を新設する一方で基本的人権を法律で制限することを可能にするなど、保守色の強いものであるため、野党から「平和主義、国民主権、基本的人権の尊重を大きく損なう」といった批判が出ています。
「国民対話集会」にはそうした批判をかわそうとする狙いがあるものと見られます。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
自民、憲法改正草案の「国民対話集会」検討
朝日新聞 2013年7月23日
自民党は党の憲法改正草案を国民に直接説明する「対話集会」を開く検討に入った。石破茂幹事長は22日、記者団に「ものすごく時間がかかるが、手を付けなければ理解は進まない」と強調。参院選での大勝を受けて憲法改正に踏み出す前に、国民の懸念を和らげる狙いがあるようだ。
自民党の憲法改正草案は野党時代の昨年4月、当時の谷垣禎一総裁のもとで決めた。現行憲法を大幅に書き換える内容で、天皇を「元首」と規定し、国防軍創設を明記している。国旗・国歌の尊重義務など「国民の義務」も次々と新設。こうした保守色の強い内容に、野党から「平和主義、国民主権、基本的人権の尊重を大きく損なう」といった批判も出ている。
こうした批判に対し、自民党は国民に丁寧に説明する必要があると判断。石破氏は今後、対話集会の開催方法について党憲法改正推進本部と調整を進めていく。全国各地での開催も検討している。石破氏はこの日、テレビ朝日の番組で「批判や懸念にどう答えるのかきちんとシステマティックにやらなければならない」と語った。
安倍政権は改憲に必要な衆参両院での3分の2の勢力の結集を目指すが、安倍晋三首相は草案に対して各党との修正協議に柔軟姿勢を示している。