2013年7月30日火曜日

毎日・産経新聞の世論調査 集団的自衛権行使や改憲は少数

 
 毎日新聞の世論調査によると、集団的自衛権行使できるようにした方がいいと「思う」36%で、「思わない」51%大きくりました。
 憲法9条については「改正して、自衛隊の役割や限界を明記すべきだ」が36%でした。これは自衛隊に憲法上の市民権を与えようということであって、「改正して、自衛隊を他国同様の『国防軍』にすべきだ」(=20%)とは内容的に全く異なります(合わせて56%というような言い方に意味はありません)。
 そして「一番に取り組んで欲しい課題」に 首相がこだわる「憲法改正」をあげた人は僅かに3%でした。政府・自民党はよくよく心すべきことです。
 なお内閣支持率は前月と同様55%でした。

 同時期に行われた産経新聞社とFNNの合同世論調査では、消費税引き上げに反対が55・8%賛成39・5%を大きく上回り、1年前と比べて差が広がりました。
 また「アベノミクス」への期待は61・2%と高いのですが、景気回復を「実感していない」人83・2%に達しており、アベノミクスの実態を示唆する結果になっています。
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(毎日新聞)世論調査: 集団的自衛権「行使容認に反対」51%
毎日新聞 2013年7月29日
◇「景気優先を」35%
 毎日新聞は27、28両日に全国世論調査を実施した。現在は憲法解釈上行使できないとされる集団的自衛権について、行使できるようにした方がいいと「思わない」とした人が51%に達し、「思う」の36%を大きく上回った。一方で、安倍晋三首相に一番に取り組んでほしい国内の課題は「景気回復」が35%と最多で、首相がこだわる「憲法改正」は3%にとどまった。首相は改憲や集団的自衛権の行使容認など保守色の強い政策に意欲を示しているが、世論の関心は経済に集中している。

 集団的自衛権は、自国と密接な関係にある国が攻撃を受けた場合、自国に対する攻撃とみなして実力で阻止する権利。首相は27日、外遊先のマニラで行った記者会見でも「集団的自衛権の行使に関する検討を進めていく」と改めて意欲を示している。
 調査では、集団的自衛権を行使できるようにした方がいいと「思う」と答えた人は、自民支持層でも43%にとどまり、「思わない」の45%と拮抗(きっこう)した。連立政権を組む公明支持層では「思わない」が45%と「思う」の35%を上回った。

 憲法9条については、「改正して、自衛隊の役割や限界を明記すべきだ」が36%、「改正して、自衛隊を他国同様の『国防軍』にすべきだ」が20%と、双方を合計した「改正派」が56%に達し、「改正に反対」の34%を上回った。
 ただ、改正派の中では「国防軍」よりも「自衛隊の役割や限界の明記」への支持が多い。集団的自衛権の行使容認に反対が多いこととあわせ、自衛隊の存在を認めつつ、役割拡大には慎重な世論がうかがえる。「国防軍」は自民党が憲法改正草案で掲げ、「役割の明記」は公明党が言及しており、連立与党内での議論にも影響しそうだ。

 首相に取り組んでほしい政策は「景気回復」に続き、「社会保障」(16%)、「財政再建」(14%)、「東日本大震災からの復興」(13%)、「原発・エネルギー政策」(10%)などの順。「教育」(5%)や「憲法改正」は少数だった。
 開催の見通しが立っていない中国、韓国との首脳会談については「早期の会談を目指すべきだ」が47%と、「こだわる必要はない」の45%とほぼ並んだ。
 内閣支持率は55%、不支持率は25%で、ともに前回調査と同率だった。政党支持率は自民党35%、民主党は5%、日本維新の会が7%、公明党は5%、みんなの党は4%で、自民の「1強状態」が続いている。【小山由宇】
◇調査の方法
 7月27、28日の2日間、コンピューターで無作為に数字を組み合わせて作った電話番号に、調査員が電話をかけるRDS法で調査した。福島第1原発事故で帰還困難区域などに指定されている市町村の電話番号は除いた。有権者のいる1521世帯から929人の回答を得た。回答率は61%。

強まる消費増税反対 首相の最終判断にも影響か 産経FNN世論調査
産経新聞 2013/07/29
 産経新聞社とFNNの合同世論調査で、来年4月の消費税率8%への引き上げについて反対(55・8%)が賛成(39・5%)を上回り、1年前と比べて反対と賛成の差が広がった。安倍晋三首相は10月ごろに増税の是非を決断するが、政府内にも増税への慎重論が台頭する中、世論に広がる増税反対の声は首相の最終決断に少なからず影響を与えそうだ。
 菅義偉(すが・よしひで)官房長官は29日の記者会見で、増税時期の最終判断について「さまざまな意見を聞きながら首相が責任をもって判断していく」と述べた。

 民主党政権だった昨年8月、社会保障・税一体改革関連法が成立した。消費税については、来年4月に8%、平成27年10月に10%に引き上げるとする内容だが、経済の状況次第で執行を停止するなどの「景気条項」も盛り込まれている。

 昨年9月の合同世論調査では、関連法成立を「評価する」との回答が48・1%に上り、「評価しない」の47・8%をわずかに上回っていた。

 今回の世論調査では、安倍政権の経済政策「アベノミクス」への期待は61・2%と、国民の期待は相変わらず高い。一方で、景気回復を「実感していない」という人が83・2%に達しており、アベノミクス効果を実感できない中での増税への抵抗が強まっているとみられる。