参院選の重要な争点になる憲法改正問題への注目が高まっています。
東京工業大学では1日夜、約100人の学生がジャーナリストの池上彰さんを講師に招いて、憲法改正について議論しました。
また三重県の多気町は町の図書館に憲法をテーマにしたコーナー「今考える 憲法と私たちのくらし」を設けそこで28冊の図書を紹介して、憲法について考える材料を町の皆さんに提供しています。
以下に関連のニュースを紹介します。
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大学生が「憲法」考える催し
NHK NEWS WEB 2013年7月2日
参議院選挙を前に、若い世代の投票率向上に取り組んでいる大学生のグループが、改正を巡る議論が活発な憲法について、若者に考えてもらおうというイベントを開きました。
この催しは若い世代の投票率向上に取り組む大学生のグループが企画したもので、1日夜は東京・目黒区の東京工業大学におよそ100人が集まりました。
最初にジャーナリストの池上彰さんが講師となって憲法改正を巡る議論について説明し、「漠然と『変える』『変えない』と言うのではなく、条文ごとに話し合うことが大切だ」と述べました。
池上さんの話を聞いた学生たちは4人から5人のグループに分かれて、憲法改正について議論を行いました。
このあと、議論の結果を発表し、国会が憲法改正を発議する要件などを定めた96条や、9条などについて、「国民の意見が高まらないまま改正するのはおかしい」とか、「時代に合わせて変えた方がいい」など、さまざまな意見が出されていました。
参加した学生の1人は、「これまで憲法について議論をした経験がなかったので勉強になりました」と話していました。
グループの代表の中村雅樹さんは「参議院選挙の争点の1つになっているテーマだけに若者も自分たちの問題として考えてほしい」と話しています。
多気の勢和図書館に憲法紹介コーナー
中日新聞 2013年7月2日
多気町朝柄の勢和図書館に、憲法をテーマにしたコーナー「今考える 憲法と私たちのくらし」が設けられた。参院選の争点の一つとなる憲法について、有権者に考える材料を提供している。
コーナーは図書館入り口にある。長机の上には絵本や新書など二十八冊が紹介され、パネルには憲法を扱った新聞記事が張られている。六月二十九日の設置以降、利用者が立ち止まって本を手に取っている。
入門書として薦めているのは二冊の絵本。「『けんぽう』のおはなし」(井上ひさし著、講談社)と「せかいでいちばんつよい国」(デビッド・マッキー著、光村教育図書)。井上さんの絵本は、井上さんが子どもに講義する形式。憲法とは何かや社会の仕組みを子どもの生活場面に例えて紹介している。
「世界を信じるためのメソッド」(森達也著、理論社)と「視点をずらす思考術」(同、講談社)は、情報を多面的に見てほしいとの思いから。憲法一色にならないよう、「豊かさとは何か」(暉峻淑子、岩波書店)なども用意した。
司書の林千智さん(51)は「憲法が自分たちの生活に関係していることに気付いてもらえれば」と願っている。 (戸川祐馬)