2013年7月2日火曜日

自民が改憲草案を見直しへ


 自民党は昨年4月に発表した改憲草案を見直す方向で検討に入ったということです。
 この草案は国民の権利を制限する点で大日本帝国憲法と瓜二つのものになっていますが、それもその筈 この草案は立憲主義についての認識がない人たちによって起草されました。そのことは発表の直後にツイッターなどで明らかにされて、大いに問題になりました
     2012年5月31日「自民党の憲法改正草案は非常に反動的」
 毎日新聞が伝えるところによれば96条(改憲発議要件)、21条(表現の自由)、天皇元首制、9条の「国防軍という名称などが検討の対象だということです。
 「改憲発議要件」を元に戻したり、「表現の自由」に付けた制限を解除することに異論はありませんが、その根底となる「個人の自由」と「国民の基本的人権」を認める立場を取るのかどうかが何よりも問題です。
 もしも片山さつき議員がかつて公言したように「天賦人権論には立たない」という立場を取り続けるのであれば、とても見直しには当たりません。
 それに「9条問題」を国防軍という自衛隊の改称問題に矮小化するなども、あまりにも事実を偽るものであって問題にもなりません。

 以下に毎日新聞の記事を紹介します。
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自民:改憲草案見直しへ 発議要件・表現の自由焦点
毎日新聞 2013年7月2日
 自民党は2012年4月に発表した憲法改正草案を見直す方向で検討に入った。複数の同党幹部が明らかにした。96条に定められた憲法改正の発議要件を衆参各院の3分の2以上の賛成から過半数に緩和するための改正などに党内外から批判が出ているためで、参院選後に本格的な作業に着手する見通し。発議要件の緩和方法や、21条に定められた表現の自由の制限を盛り込んだ是非などが焦点になりそうだ。

 同党の船田元(はじめ)憲法改正推進本部長代行は毎日新聞の取材に、「昨年の衆院選でたくさん当選した新人の意見も取り入れられていない。改憲草案は金科玉条ではなく、議論して変える部分があってもいい」と語った。憲法改正を推進してきた幹部が見直しに言及しているのは、党内の不満が96条の改正にとどまらず、草案全般へ波及しているからだ。

 6月13日の衆院憲法審査会では、同党の河野太郎氏が「憲法の名を借りて国民の権利を制限したり、義務を課したりするのは今の日本にはふさわしくない」と公然と批判した。

 見直しの焦点の一つになりそうなのが96条改正のあり方。安倍晋三首相は同月16日(日本時間17日)、ワルシャワ市内で記者団に、「平和主義、基本的人権、国民主権は3分の2のままに据え置くことも含めて議論していく」と語り、条文によって発議要件を変えることも検討する考えを示した。公明党への配慮という側面もある。

 表現の自由に関しては、草案が「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動」などは認めないと規定していることに対して、「国が恣意(しい)的に活動を制限できることにつながりかねない」などの批判が出ている。このほか、天皇を元首とすることや、自衛隊の名称を国防軍に変更することにも異論が出ている。【木下訓明、念佛明奈】