2018年は、大増税と身近な食品の値上げが相次ぐ年となり、庶民は可処分所得の減少と負担増に挟み撃ちにされる年となります。
サラリーマンの手取りは1997年をピークに年々減り続け、二人以上世帯の可処分所得は年額にして84万円減少したということです。
大企業と大金持ちを優遇する政治では、経済の活性化は望めません。
日刊ゲンダイとNHKのニュースを紹介します。
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2018年 この近未来を徹底検証
大半の庶民は追いつめられる…可処分所得の減少と負担増
日刊ゲンダイ 2018年1月3日
2018年は大増税元年。増税メニューが次々と国会で審議される。年収850万円以上の会社員らの所得増税に始まり、たばこ増税、森林環境税、観光促進税……と負担増ラッシュ。19年秋には消費税率10%引き上げも控えている。
ただでさえ、サラリーマンの「手取り」は年々減り続けている。2人以上世帯の可処分所得は1997年の月額49万円をピークに、毎年引き上げられてきた社会保険料の負担増などで、2016年は42万9517円と月7万円も減ってしまった。年間84万円ものガタ減りである。
円安政策で輸入物価の高騰に苦しみ、せっせと貯金に励んでも低金利政策の長期化で受け取れる利息はスズメの涙。家計全体の利子所得は1991年の38・9兆円をピークに、どんどんゼロに近づいている。
カラッカラに干上がった庶民のサイフから、さらにフンだくるとは血も涙もない冷酷政権だ。
「日本経済は今、伸び悩む個人消費に本格的なテコ入れを図るべき時期です。それなのにサラリーマン狙い撃ちで負担増を押しつければ、さらに消費は冷え込み、景気は悪化の一途です。日銀の物価上昇目標も遠のき、異次元緩和の失敗策もズルズルと続くことになる。庶民から巻き上げたカネを安倍政権が何に使うのかといえば、米国から“爆買い”する、決して使うことのない高額兵器や、規制緩和や特区制度をネジ曲げて仲間内の利益に消えるだけでしょう。庶民の負担増と引き換えに、トランプ米大統領と“アベ友”たちを喜ばせるなんて、ムチャクチャな政権です」(斎藤満氏)
安倍政権が続く限り、庶民生活は成り立たなくなる運命である。
小麦粉やビールも…ことし身近な食品の値上げ相次ぐ
NHK NEWS WEB 2018年1月4日
ことしは小麦粉やビールなど暮らしに身近な食品の値上げが相次ぐ予定です。原材料価格や人手不足を背景とした物流コストの上昇などが理由で、家計への影響が広がりそうです。
4日から製粉大手3社がそろってパンなどに使う強力粉やお菓子などに使う薄力粉など家庭向けの小麦粉を値上げします。
日清フーズ、日本製粉、昭和産業が4日の出荷分からいずれも1%から4%の値上げに踏み切ります。
また、コメの値上がりを受けて、電子レンジで温める「パック入りごはん」の値上げも相次ぎます。
来月1日の出荷分からテーブルマークが大部分の商品を最大で17%の値上げ、3月1日の出荷分から東洋水産が1個当たり10円から15円値上げします。
コメの値上がりをめぐっては、外食チェーンの天丼てんやも、今月11日から主力の天丼を税込みで500円から40円値上げするなど一部のメニューを10円から50円値上げします。
3月から4月にかけては、アサヒ、キリン、サントリー、サッポロの大手ビールメーカー4社が、瓶ビールや飲食店向けにたる詰めで出荷するビールなどを値上げします。瓶ビールの場合で飲食店向けの卸売価格が10%程度、値上がりする見通しです。
さらに、大手ビール4社は、4月1日からは輸入ワインと海外のブドウを使った一部の国産ワインを3%から6%値上げする予定です。
これらの値上げは、コメや小麦、ブドウといった原材料費の上昇やトラック運転手の不足に伴う物流コストの上昇などが背景にあり、値上げの動きがさらに広がるのか注目されます。
専門家「物価が上がりやすい年に」
第一生命経済研究所の永濱利廣首席エコノミストは「人件費や物流コストはすべての商品に関わっているので、幅広いものに値上げ圧力がかかり、ことしは去年以上に物価が上がりやすい年になるだろう」と指摘しました。
そのうえで、「物価が上がる一方で、まんべんなく全員の給料が賃上げされる訳ではない。賃上げで潤った人は豊かな消費ができるようになるが、そうでない人はさらに節約志向が高まる」と述べ、賃上げの動きがどこまで広がるかが、消費の動向を左右するポイントになると指摘しました。