2018年1月6日土曜日

06- 国連で9条支持の決議を 埼玉の日独学者ら活動

 1992年に来日し憲法9条の日本発案説(幣原元首相発案)を知ったドイツ人平和歴史学者クラウス・シルヒトマンさん(73と日高市の政治学者大森美紀彦さん(65さんとその知人たちが市民運動「SA9(憲法九条を支持せよ)キャンペーン」を立ち上げました。そして「国連総会で憲法九条の支持決議の採択を実現させるという目標の下に、最初の活動として、国連代表部や世界約20カ国の非武装国の在日大使館に、協力を求める趣意書を送付することにして、「戦争の放棄と戦力不保持をうたった九条は、世界から戦争をなくす最強の『武器』だ。運動にぜひ参加してほしい」と市民らにも賛同を呼びかけています。
 東京新聞が取り上げました。

 そして新党憲法9条代表の天木直人氏が「それこそが、安倍9条改憲阻止の最善、最強の方策だと確信した」と同氏のブログで絶賛しました。天木直人氏は、駐レバノン日本国特命全権大使在任中に、イラク戦争に反対して当時の首相小泉純一郎氏に外務省を辞めさせられた人で、現在も政権に対して手厳しい批判をしていることで知られていますが、新党憲法9条の代表でもあります。
 同党のホームページには、「新党憲法9条の基本理念」として「今こそ憲法9条を世界にかかげ、 戦争のない世界を実現する。それこそが憲法9条を持つ日本の役割です。新党憲法9条がそれを実現します」が掲げられています。

 東京新聞の記事と「天木直人のブログ」の記事を紹介します。
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9条支持、国連決議を 本紙報道きっかけ 埼玉の日独学者ら活動
東京新聞 2018年1月6日
 国連総会で憲法九条の支持決議の採択を実現させるという壮大な目標を掲げ、埼玉県日高市に住むドイツ人平和歴史学者や日本の政治学者らが市民運動を始めた。最初の活動として、国連代表部や世界約二十カ国の非武装国の在日大使館に、協力を求める趣意書を送付する。「戦争の放棄と戦力不保持をうたった九条は、世界から戦争をなくす最強の『武器』だ。運動にぜひ参加してほしい」と市民らにも賛同を呼びかけている。(安藤美由紀)

 ドイツ人学者はクラウス・シルヒトマンさん(73)。一九九二年に来日し、九条を評価する立場から幣原喜重郎(しではらきじゅうろう)元首相を研究。幣原が四六年一月二十四日に連合国軍総司令部(GHQ)のマッカーサー最高司令官と会談した際、九条を発案したとの日本提案説に立つ。小学館の学習漫画「少年少女日本の歴史」は、九条発案者を幣原と紹介していたが、ある時からマッカーサーに変えた。シルヒトマンさんはそのことに気づき本紙は二〇一六年十一月六日朝刊で報じた。
 記事を読んだ日高市の政治学者大森美紀彦さん(65)がシルヒトマンさんと会い、意気投合。知人の大学非常勤講師阿部一智さん(65)、元東京都職員上原稔男さん(72)らも参加して、一七年秋に九条の意義を学ぶシンポジウムを開催し、市民運動を立ち上げることを決意した。「SA9(憲法九条を支持せよ)キャンペーン」と名付け、大森さんが代表幹事、シルヒトマンさんが顧問に就任した。
 設立趣意書では、トランプ米大統領らを念頭に「世界は『自国第一主義』の暗雲に覆われている」と懸念を表明。九条を、大戦の反省から誕生した国連の平和理念の「正当な後継者」と位置付け、日本人が世界に九条を発信する責務とともに、賛同国を増やして国連決議を採択する必要性を説いている。
 当面の送付先は、憲法で常備軍の保持を禁じるコスタリカをはじめ、アイスランドやモナコなど非武装国で、反応を踏まえ活動範囲を広げる考え。シルヒトマンさんは「九条と同じ平和条項は、スイスやスウェーデンといった欧州各国などにも見られる。国連が九条を支持すれば、加盟国が武装解除する大きな起爆剤となる」と訴える。問い合わせは大森さん方=電話042(978)9400=へ。
◆趣意書のポイント
・1945年から数年間の人類の振る舞いを範とする。各国は自国を守る権限の一部を国際機関に委譲し、その傘の下に入ることによってしか、自国の安全を守れないというのが国連の安全保障観。憲法9条は、この要求の正当な後継者。しかし、この流れは多くの国で滞っている。
・日本は自衛隊を保有しているが、9条のおかげで他国にない抑制的な運用が可能になっている。結果として諸外国と友好関係を築け、自由と安全のバランスがほどよく取れた国として存在感を示している。
・平和的手段により平和の達成を目指す国々に9条を発信することは、日本人の務め。国連総会で9条を支持する決議の採択を目指す。


安倍9条改憲阻止の最善、最強の戦略はこれだ!
天木直人のブログ 2018年1月6日
 きょう1月6日の東京新聞が一面トップで報じた。
 世界から戦争をなくすため、憲法9条支持決議を国連総会で採択させようと、埼玉県日高市に住むドイツ人の平和歴史学者とこれに賛同した日本の政治学者らが、昨年(2017年)秋に市民運動を立ち上げ、最初の活動として、世界各国の国連代表部や在日大使館に協力を求める趣意書を送ろうとしているというのだ。

 この記事を読んだ時、私は直感的に、これこそ、安倍9条改憲阻止の最善、最強の方策だと確信した。
 いうまでもなく、武力による威嚇を禁じ、紛争の平和的解決を求める国連憲章の精神は、憲法9条の原点だ。
 残念ながら国連は、安保理常任理事国という名の軍事大国が拒否権の応酬でその平和維持の機能をマヒさせてきたが、それに対抗して来たのが、多数決で決議を成立させることのできる国連総会だ。

 国連が今日までその存在価値を維持できているのは、安保理事会という一握りの強者の集まりの一方で、すべての加盟国が平等に一票を行使できる国連総会が、その対抗軸として存在し、見事にその存在価値を発揮しているからだ。
 その直近の例が、核兵器廃止条約の採択であったことは、いまでは世界中が知っている。
 つまり、世界の国民は圧倒的に平和を望み、その声に動かされた世界の多数の国、特に戦争の被害で苦しめられてきた弱小国は、大国の軍事覇権主義に反発している。
 そのことを、私は外交官として多くの国々に勤務し、その国の人たちと話して知っている。

 もし日本国民が、憲法9条支持決議を国連総会決議で採択するよう本気で働きかければ、間違いなく国連加盟国の多数の支持を得られるに違いない。
 そして、もし国連総会決議で憲法9条支持決議が採択されるようになると、あの核兵器廃止条約と同じように、それが世界的な圧力となって、軍事大国の覇権主義に影響を与えないはずがない。
 ましてや憲法9条を持つ安倍首相が、国連総会決議に反して憲法9条改憲を強行できるはずがない。
 安倍政権の9条改憲を阻止できそうもない野党とその政治家たちは、党利党略を超えて、この動きを支援しなければいけない。
 安倍首相にだけは憲法9条を改憲させたくないと考える有識者や国民は、いまこそこの動きに参加すべきだ。

 そして安倍首相に忖度するメディアも、東京新聞に続いて、この動きを宣伝すべきだ。
 新党憲法9条は真っ先に支援の声を上げる。
 憲法9条支持の国連総会決議が採択されるようになれば、その次は憲法9条を国是とする動きが必ず出てくるからだ。
 その時こそ、新党憲法9条は、私の手を離れ、日本国民の平和を願う世論の手で、この国の政治の中に誕生し、新風を起こすと思うからだ。
 今年中に、憲法9条支持の国連総会決議は採択されなければいけない。

 今上天皇が在位される最後の年である今年こそ、憲法9条支持の国連総会決議採択の年にしなければいけない。
 それが今上天皇退位に対する国民の最大の贈り物になる。
 それが、あのお言葉に対する国民の答えだ。
 繰り返して言う。
 安倍首相にだけは憲法9条改憲をさせてはいけないと考える政党、政治家、有識者、国民は、いまこそ立場を超えて憲法9条の下に結集すべきだ。
 メディアはそれを宣伝すべきだ。
 この運動を支援したいと思うひとたちは、いますぐ、発起人の大森美紀彦という日高市在住の政治学者(電話 042-978-9400)まで支援の声を届けよう。

 歴史的な動きに発展させよう(了)