2018年1月13日土曜日

内部留保3%で賃上げ2万円可 非正規時給150円アップも

 国公労連(日本国家公務員労働組合連合会)が行った試算で主要96社の「内部留保」のわずか3%未満で正規従業員に月額2万円の賃上げが可能であり、同じく非正規雇用の労働者全員に時給150円の賃上げを行う場合も、試算できる78社の内部留保の3%未満の配分でできることが分かりました

 また雇用増についても、内部留保のたった1%を雇用(大卒社員、年収約329万円)に回しただけでも、主要企業127社で、合計466000人の雇用創出が可能です。

 しんぶん赤旗の二つの記事を紹介します。
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内部留保3%で賃上げ2万円可 国公労連試算 非正規時給150円アップも
春闘 大企業利益還元が焦点に
しんぶん赤旗 2018年1月12日
 資本金10億円以上の大企業(金融・保険を除く全産業)が空前の利益をあげるなか、主要96社の「内部留保」のわずか3%未満で、正規従業員に月額2万円の賃上げが可能なことが、全労連『2018年国民春闘白書』をもとに国公労連(日本国家公務員労働組合連合会)が行った試算で明らかとなりました。(別添記事参照)

 非正規雇用の労働者全員に時給150円の賃上げを行う場合も、試算できる78社の内部留保の3%未満でできるとしています。

 2018春闘では、景気回復や貧困・格差の是正にむけて、大企業のもうけを還元させて大幅賃上げと、下請け・中小企業への適正な取引単価の実現が強く求められています。

 大企業が利益をため込む内部留保はこの1年間で15兆円も増え、16年度に328兆円と過去最高に達しています。経団連の榊原定征会長は5日の会見で、「大企業、中小企業も含めて収益は高い水準」にあると認めました。大幅賃上げと下請け・中小企業の単価引き上げを実現する条件は十分にあります。

 トヨタ自動車の内部留保額は、20兆9659億円。正規36万4445人、非正規8万6005人に月2万円・時給150円の賃上げをするには、内部留保のたった0・68%があれば可能です。全労連・国民春闘共闘は月額2万円、時給150円以上の要求を掲げて春闘に臨みます。

図

トヨタなら1%活用で6万4千人分 内部留保の還元で賃上げも雇用増も
国公労連試算
しんぶん赤旗 2018年1月12日
 国公労連(日本国家公務員労働組合連合会)は『2018年国民春闘白書』をもとに、月額2万円・時給150円の賃上げをするために必要な大企業の内部留保の取り崩し率と、内部留保1%の活用による雇用増についての試算をまとめました。

 試算では、正規従業員全員に月額2万円の賃上げ(ボーナスを含めた年間必要財源32万8400円)をするには、主要127社のうち96社で、それぞれ内部留保のわずか3%未満を取り崩すだけで可能です。
 個別企業でみると、経団連会長企業である東レの内部留保は9214億円。このうち1・65%を活用すれば、月額2万円の賃上げができます。

 非正規雇用労働者全員に時給150円の賃上げ(年間必要財源25万8660円)をするには、非正規雇用の人数がわかっている84社のうち78社で、内部留保の3%未満を活用するだけで実現できるとしています。

 雇用増にかかわっては、内部留保のたった1%を雇用(大卒社員、年収約329万円)に回しただけでも、主要企業127社で、合計46万6000人の雇用創出が可能です。このうち92社で1000人以上の雇用が可能です。トヨタでは1%を活用するだけで、約6万4000人を雇用できます。

 また大企業への優遇税制を是正し、中小企業の助成金に回すなどの再分配をはかれば、最低賃金1500円に必要な金額13兆8800億円をまかなうことは可能だとしています。

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