NHK等が3日、フランシスコ・ローマ法王が、原爆投下後の長崎で撮影された「焼き場に立つ少年」の写真を印刷したカードを作り、「これが戦争の結末」として配布、広めるよう指示していたことを報じました。
トランプ大統領が盛んに北朝鮮を挑発し安倍首相が何故かその尻馬に乗って戦争を煽っている中で、ローマ法王が「焼き場に立つ少年」の写真を敢えて「これが戦争の結末」として配布されたのは、戦争だけは避けなくてはならないという思いを表明されたものです。
当ブログでは5日付で、「くろねこの短語」の
「『国難』をほったらかして、ペテン総理は連日の飽食とゴルフ。そして、夜は高級ホテルにお泊まり。休日には沈思黙考。国の行く末に思いを馳せる・・・なんてことは、考えたこともないのだろう・・・」
という安倍首相に対する辛辣な言葉を添えて紹介しました。
日刊ゲンダイが4日付けで、「ローマ法王 長崎原爆後の写真に込めた日米へのメッセージ」とタイトルした記事を載せ、その中で
「このタイミングでローマ法王が反戦、反核のメッセージを向けた相手は、誰がどう考えても、対北朝鮮でイケイケドンドンになっているトランプ大統領と安倍首相だろう」、「 ~ そんなトランプ政権に追従する日本は核兵器禁止条約に反対している」、「ローマ法王が長崎の少年の被爆写真を用いたのは、おそらく対北朝鮮などでカギを握っているのは日本だ、というメッセージが込められているのではないか」と述べています。
ところで、ローマ法王に対しては、河井克行首相補佐官が昨年3月に訪日を要請し、今夏にも実現するのではないか、とみられているということです。
法王の思いとは真逆の方向に進んでいる安倍政権は、仮にローマ法王が来日した時、「日本はなぜ、核兵器禁止条約に反対しているのか」、「米国と一緒に再び戦争の惨禍に飛び込もうとしているのはなぜか」と問われたときにどう答えるのでしょうか。
得意の嘘八百ですまされる問題ではありません。
「『焼き場に立つ少年』の写真が物語る深い意味を、誰よりも考える必要があるのは安倍首相自身だ」と日刊ゲンダイは述べています。
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ローマ法王 長崎原爆後の写真に込めた日米へのメッセージ
日刊ゲンダイ 2018年1月4日
オレの机の上にも核ミサイルのボタンがあるゾ」「いやいや、オレが持っている核ミサイルの方が強いゾ」――。いい加減、こんなガキのケンカを見ているのも限界だったのだろう。フランシスコ・ローマ法王が、原爆投下後の長崎で撮影された「焼き場に立つ少年」の写真を印刷したカードを作り、「これが戦争の結末」として配布、広めるよう指示していた、と報じられた。
写真は長崎に原爆が投下された1945年、米軍の従軍カメラマンだった故ジョー・オダネル氏が撮影。ローマ法王庁(バチカン)は、写真に写った少年が原爆で亡くなった弟を背負って火葬場で順番を待つ姿、と解説。日本メディアは「核兵器廃絶を訴える法王が改めて平和を訴えた」などとステレオタイプで報じているが、果たしてそうなのか。
このタイミングでローマ法王が反戦、反核のメッセージを向けた相手は、誰がどう考えても、対北朝鮮でイケイケドンドンになっているトランプ大統領と安倍首相だろう。
「ローマ法王はトランプ大統領が選挙戦で打ち出していたメキシコとの国境に壁を建設するとの発言を問題視し、『キリスト教徒ではない』と批判。これに対し、トランプ大統領が『宗教指導者が人の信仰を批判するなどみっともない』と反論するなど、両者の関係はギクシャクしています。加えて、そんなトランプ政権に追従する日本は核兵器禁止条約に反対している。
さすがに政教分離の原則が根付いている欧州では、たとえローマ法王であろうとも真正面からトランプ大統領、安倍首相の外交姿勢を批判することはできない。だから、遠回しに両者に自省を促すためにカードを作成したのではないか」(外務省担当記者)
ローマ法王に対しては、河井克行首相補佐官が昨年3月に訪日を要請。今夏にも実現するのではないか、とみられている。
「ローマ法王が長崎の少年の被爆写真を用いたのは、おそらく対北朝鮮などでカギを握っているのは日本だ、というメッセージが込められているのではないか。しかし、今の安倍政権は真逆の方向に進んでいる。仮にローマ法王が来日した時、安倍首相は『日本はなぜ、核兵器禁止条約に反対しているのか』『米国と一緒に再び戦争の惨禍に飛び込もうとしているのはなぜか』と問われることになる。どう答えるのか注目です」(元外交官の天木直人氏)
「焼き場に立つ少年」の写真が物語る深い意味を、誰よりも考える必要があるのは安倍首相自身だ。