世界の上位1%の裕福な人が1年間に生み出された富の82%を独占した一方、世界人口の約半分の37億人の財産は増えなかったという報告書を22日、国際非政府組織が発表しました。
「普通の労働者に報いる経済を再構築すべきだ」と、各国政府や企業経営者に格差是正を強く促しました。
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上位1%が富の82%を独占 国際NGO 世界に格差是正促す
東京新聞 2018年1月23日
【ダボス=共同】世界の上位1%の裕福な人が一年間に生み出された富の82%を独占した一方、世界人口の約半分の三十七億人の財産は増えなかった-。国際非政府組織(NGO)オックスファムは二十二日、こんな報告書を発表し「普通の労働者に報いる経済を再構築すべきだ」と要求。各国政府や企業経営者に対し格差是正を強く促した。
1%の富める人が二〇一七年六月末までの一年間に増やした資産額は七千六百二十億ドル(約八十四兆四千億円)だった。これは、一日に一・九ドル未満で暮らす絶対的貧困の状態から全ての人を救うために必要な額の七倍に当たるという。
一七年は二日に一人のペースで十億ドル以上の資産を持つ超富裕層が誕生し、現在は二千四十三人に上る。一方、下位三十七億人の資産規模は全体の0・53%にすぎない。相続や縁故主義により資産を保有する人に富が集中し、多くの国で最低賃金を定めていない現状に憂慮を示した。