2018年11月12日月曜日

憲法審駆け引き激化 条文案出したい自民×改憲警戒の立民

 自民党は改憲原案を早く衆院の憲法審査会に出したい考えですが、安倍首相主導の改憲を警戒する野党側は審査会日程の協議に応じていません。審査会ではまず国民投票法の改正が検討されることになっていますが、早く原案を提示したい自民党はテレビCMの規制などには応じると見られています。
 慣例により、改憲案はまず審査会に提出することになっていますが、いわゆる議員立法として直接提示することが禁じられている訳ではないので、無期限に憲法審査会の日程を遅らせることも考え物です。
 東京新聞がその辺の駆け引きを取り上げました。 
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憲法審、駆け引き激化 条文案出したい自民×改憲警戒の立民
東京新聞 2018年11月11日
 臨時国会は、二〇一八年度補正予算の七日成立を受け、衆参両院の各委員会で実質的な審議が始まった。その中で両院の憲法審査会は、改憲四項目の条文案提示を目指す自民党と、安倍晋三首相主導の改憲を警戒する野党が対立し、開催が決まっていない。与野党の駆け引きが次第に激しくなっている。(清水俊介)
 
 憲法審は、改憲原案の国会提出(別に国会議員による提出も可)や、改憲原案を審査する役割を担う。これまで改憲原案が提出されたことはなく、各党による自由討議などが行われてきた。定例日は衆院が木曜日、参院が水曜日とされる。
 今国会で自民党は、自由討議で党の改憲条文案を説明することが目標。補正予算成立後、最初の定例日となる八日の衆院憲法審開催を、野党側に働きかけてきた。しかし野党第一党の立憲民主党は、一部野党の委員が決まっていないことなどを理由に日程協議に応じず、八日開催は見送られた。いつ日程協議するかも明らかになっていない
 
 これまでのところ自民党は、強引に進めると憲法審が円滑に動かないとして無理をしない方針だが、いら立ちも見せ始めている。
 党憲法改正推進本部の下村博文本部長は九日のCS番組で「自民党の条文案を批判してもいい。とにかく議論しよう」と野党に議論参加を促した。その上で「高い歳費をもらっているのに議論しなかったら、国会議員として職場放棄だ」と語った。
 
 立民は「議論を拒んでいるわけではない」(衆院憲法審メンバー)としながらも、自民党とは一線を画している。議論に応じたとしても、国民投票を巡るテレビCM規制をじっくり検討する立場で、自民党に条文案提示の機会を与えないのが基本戦略だ。
 国民民主党は「議論を展開することで自民党案の問題が浮き彫りになる」(玉木雄一郎代表)と議論には前向きだが、野党内で主導権を握れていない。
 
 このため自民党は、どこかの時点で穏健路線を捨て、憲法審の幹事懇談会などの場で、一方的に条文案を説明するのではないかとの観測も出ている。
 
安倍首相が描く改憲の流れ
 
 
臨時国会で衆参両院の憲法審査会に自民党の改憲4項目を提示
 
 
公明党や野党の改憲勢力と協議し、改憲原案を策定
 
 
改憲原案を国会提出
 
 
衆参両院で審査
 
両院とも憲法審査会は出席議員の過半数、本会議は総議員の
 
3分の2以上の賛成で可決
 
 
改憲案を国民に発議
 
60~180日間の国民投票運動期間
 
 
国民投票
 
有効投票総数の過半数の賛成で承認