2018年11月11日日曜日

水道を民営化すれば上下水道料金は5倍にも

 水道施設は行政が所有しその運営権を民間に委託する「水道法改正案」は、今国会での成立が確実視されているということです。これは海外の巨大水道会社が鵜の目鷹の目で狙っているものです。
 建前上は運営権を民間に委託する官民連携方式とされますが事実上は丸投げになります。
 民間企業はそれなりの資金で運営権を買い取ると、あとは水道料金などは適当な理由をつけて思いのままに値上げできます。
 先行して実施されている海外ではいくつも酷い事例があり、一度民営化したものを再度公営化しているありさまです。
 
 これもまた海外の巨大資本の圧力に屈するものに他なりません。もしも水道の民営化を例の岩盤規制に穴を開けるものと安倍政権が考えているのであればトンデモナイことで、救いがたい不明さです。
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民営化で料金5倍に? 「水道水」がコーラよりも高くなる日
日刊ゲンダイ  2018年11月10日
 今国会での成立が確実視されている「水道法改正案」。さすがに、市民の生命に直結するだけに、自民や公明の内部からも反発の声が上がっている。新潟県議会では自民党議員までも水道法改正案に反対する意見書に賛同している。
 
 法案では上下水道施設は行政が所有し、運営権を民間に委託する「コンセッション」(官民連携)方式をとるが、事実上の民間への丸投げ。現場からも厳しい声が上がっている。
「水道事業は人口減少で利益が減る一方。民間に委託したら、利益のために水道料金を上げるのは確実。結局、市民にしわ寄せがくるだけですよ」(水道事業に詳しい自治体関係者)
 法案が成立すれば日本中の水道事業が海外の巨大水道会社に食い荒らされる恐れがある。すでに浜松市は昨年10月、下水道部門の運営権を水メジャーの最大手、仏ヴェオリア社を中心とする「特別目的会社」に約25億円で売却している。
 
 水道を民営化するとどうなるのか1997年、フィリピンのマニラでは水道料金が5倍になり、99年、アメリカのアトランタでは蛇口から茶色い水が出たという。水道料金が高騰するのも間違いないだろう。コーラより高くなるという冗談のような話まで出てきている。
 南アフリカでは、料金の高騰で1000万人以上が水道を利用できなくなった。
 
 こうした事態を受けて、世界では民営化した水道事業を再度公営化している。英国の調査機関によると、2000年からの15年間に世界37カ国で235の水道事業が再公営化された。
 日本だけが十分な議論や説明もないまま民営化を進めるという異常事態。
 
 この異様な状況について政治評論家の山口朝雄氏はこう言う。
「自分の実績づくりのために、市民の命に関わる重要な水道事業を十分な説明もないまま勝手に民営化させる。安倍独裁体制の最たるものです」
 市民の命に関わる水道民営化を拙速に決めるなんて、もってのほかだ。