種子法の重要性をよく認識している農水省が、その権利をグローバル企業に獲得させるために、種子法を廃止したり同じ趣旨から種苗法を改定する筈はなく、全ては安倍官邸の主導によるものです。
官邸に異論を唱える役人は官邸が人事で徹底的に干すので、官僚たちもそこまでの覚悟がないと官邸に逆らえません。
グローバル企業の要求を最優先する安倍首相によって日本の農業は外資の餌食にされようとしています。安倍首相を止めさせない限り日本の破壊はどこまでも進んで行きます。
このシリーズは今回で終わりです、
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外資の餌食 日本の台所が危ない
食の安全より「米国優先」 官邸の意向に抗わない官僚たち
日刊ゲンダイ 2018年11月16日
「農水省は、種子法の重要性を相当分かっていたはずだ。審議会で有識者も議論した。どうしてこういうこと(種子法廃止)が起こったのかわからない」――。今月6日、「日本の種子を守る会」の請願に応じた自民党の竹下亘前総務会長は、種子法廃止に農水省がブレーキをかけられなかったことに首をひねった。自分は無知ゆえ廃止に賛成したが、竹下は今、種子法の重要性を痛感している。
種子法廃止は官邸主導で進められた。首相の諮問機関である「規制改革推進会議」の提言を受け、2017年2月10日に閣議決定された。農業の根幹たる「種」の安全性が脅かされる恐れがあるのに農水官僚は抗えなかったのか。元農水官僚で東大大学院の鈴木宣弘教授(農政)が言う。
「種子法の重要性を理解していない農水官僚はいませんよ。ただ、安倍政権になって、農水省は官邸に異論を唱える役人を徹底的に人事で干してきた。それを目の当たりにしている農水官僚は手が出せないのです。キツい仕事をさせられて気の毒です」
審議会も形骸化している。
「かつて審議会は、異論のある消費者側の代表をメンバーに入れるなど反対論にも配慮されていました。安倍政権になってから結論に従順なメンツだけで構成されるようになりました」(アジア太平洋資料センターの内田聖子氏)
各省庁は官邸の意向に沿うように仕事し、お友だち優遇に米国優先。世界の流れに逆行しても、官邸が決めたことは何でもまかり通る――。
「種子法廃止は、森友、加計問題と根っこは同じなんです」(元農水大臣で弁護士の山田正彦氏)
安倍政権になって、「食の安全」が軽んじられる例は枚挙にいとまがない。それなのに、無知な国会議員、抗わない官僚、伝えないメディアがそれを許し、情報は表に出ない。
日本で稲作は紀元前3世紀の弥生時代に始まった。ほとんどの国民が知らないまま、“日本の台所”は有史以来の最大のピンチに立たされている。 = おわり
(取材=本紙・生田修平、高月太樹)