「拉致問題の安倍」であった筈ですが、すでに6月以降 舞台装置は整っているのに日朝首脳会談は実現の兆しすら見せていません。
安倍首相は米大統領や高官が来るたびに北朝鮮とのとりなしを頼んでいますが、それは基本的に6月の米朝首脳会談で済んでいるのであって、それに屋上屋を重ねているのは安倍首相のパフォーマンスに他なりません。その見返りには当然 莫大な国益の献上がある筈です。
北朝鮮の高官は「安倍内閣(の姿勢)では、拉致問題の解決は無理」と述べていますし、肝心の外務省も安倍内閣での解決は無理であるとして予防線を張っています。
安倍政権はこれまで、7月にベトナムで、10月上旬にはウランバートルで、「北村滋 ― 金聖恵」の“極秘会談”をしているようです。日本はそこでも、北に対して拉致問題での全面譲歩を主張するばかりで、日本側から歩み寄る姿勢は一切見せず、拉致問題が先だとして経済協力の話もないので、北は安倍政権では相手にならないと諦めているということです。水面下の交渉が表向きの主張と瓜二つということでは、何のための交渉なのでしょうか。
その一方で、共同通信が10月19日にウランバートルでの会談を報じ、FNN(フジテレビ系)も(今月)14日にウランバートルでの「日朝極秘会談」をスクープしました。そしてNHKは16日夕刻、「外交の安倍」を演出する30分間の生中継をしました。
極秘会談がスクープされるのは、安倍首相の「やってる感」を国民に訴えようとする官邸がリークするからです。天木直人氏は「水面下の交渉がうまくいっていれば、日朝首脳会談開催まで、極秘を徹底するはず」と述べています。要するに「極秘会談」があったと盛んにリークするのは、何の成果も得られていないことの証明なのです。
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日朝極秘会談リーク連発 安倍政権“やってる感”の印象操作
日刊ゲンダイ 2018/11/17
豪州訪問中の安倍首相は16日夕方、ダーウィンで記者会見した。中身はスカスカだったが、NHKは午後6時から30分完全生中継で、「外交の安倍」演出をアシスト。安倍政権の印象操作はいつものことだが、拉致問題での“やってる感”が半端じゃない。極秘会談の相次ぐリークだ。
FNN(フジテレビ系)は14日、モンゴル・ウランバートルでの「日朝極秘会談」をスクープした。今月9日、安倍首相の最側近である北村滋内閣情報官と北朝鮮の金聖恵統一戦線策略室長が会談し、拉致問題解決に向けて「水面下」で交渉したという。どこかで聞いたニュースだと思ったが、その通り。最近、日朝極秘会談のスクープが連発しているのだ。
8月28日に米紙「ワシントン・ポスト」(電子版)が7月のベトナムでの会談を伝え、10月19日には共同通信が同月上旬のウランバートルでの会談を報じた。すべて「北村滋―金聖恵」の“極秘会談”である。
3カ月で3度ものスクープ報道。もはや極秘でも水面下でもない。元外交官の天木直人氏が言う。
「もし、水面下の交渉がうまくいっていれば、日朝首脳会談開催まで、極秘を徹底するはずです。これだけ極秘会談が漏れるのは、交渉が行き詰まっていることの表れです。安倍官邸が意図的にリークしているかどうかはわかりませんが、短期間に1度ならず3度のスクープは、進展がない中、拉致問題について“やってる感”を印象付ける結果になっています」
15日は横田めぐみさんが拉致されてちょうど41年目の日だった。世間の関心が拉致問題に集まるのを見越して、やってる感を出すために、直前の14日にリークしたようにも見える。
実際、交渉はうまくいっていないようだ。
「日本政府は同じことを繰り返すだけ。北に対して拉致問題の全面譲歩を主張するばかりで、日本側の歩み寄る姿勢は一切見せない。ストックホルム合意に基づいて北が行った調査報告書の受け取りは拒否したままだし、安倍首相は過去に対する反省の姿勢も見せていません。拉致が先だとして、経済協力の話もない。北は安倍政権は相手にならないと諦めているようです」(外務省関係者)
「極秘会談」に惑わされてはいけない。安倍政権で拉致問題は1ミリも動いていないのだ。