ケイトリン・ジョンストンが掲題の記事を出しました。
「それがしていること」というのは「イスラエルがしていること」と理解すればよいのでしょうか。
記事は、ジェノサイド、民族浄化、アパルトヘイト、絶え間ない暴力と虐待。それがシオニズムの真髄だと述べています。
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シオニズムとは、それがしていることだ
マスコミに載らない海外記事 2025年8月23日
シオニズムとは、まさに今我々が目の前にしているものを意味する。ジェノサイド、民族浄化、アパルトヘイト、絶え間ない暴力と虐待。それがシオニズムの真髄だ。そして反シオニズムとは、これらに反対することだ。 ケイトリン・ジョンストン 2025年8月21日
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イスラエル擁護論者は常に反シオニストを攻撃し「シオニズムとはユダヤ人の自決を意味するだけだ! シオニズムを憎めば、ユダヤ人を憎むことになる!」と言う。
いや、それはシオニズムの意味ではない。シオニズムとは、まさに今我々が目の前にしているものを意味する。ジェノサイド。民族浄化。アパルトヘイト。絶え間ない暴力と虐待。それがシオニズムの意味だ。そして反シオニズムとは、これらに反対することを意味する。
反論の余地は皆無だ。これこそ紛れもないシオニズムの姿だ。ジェノサイド、民族浄化、アパルトヘイト、そして絶え間ない暴力と虐待が起きていない、これ以外の代替現実シオニズムは存在しない。これがシオニズム唯一の姿だ。シオニストの実験は実行され、これがその結果だ。
シオニズムがジェノサイドや民族浄化やアパルトヘイトや絶え間ない暴力と虐待を意味するのではないと主張するのは、ナチズムがナチズム実験が行われた際に起きた全ての出来事を意味するのではないと主張するのと全く同じだ。ナチズムとは、ナチズム下で起きた全ての出来事を意味する。「いや、実際はナチズムとはドイツ国民にとって安全で繁栄した祖国を意味するだけだ」と正当に主張することはできない。我々はナチズムの姿を目の当たりにし、シオニズムの姿を目の当たりにしてきた。そうではないと主張するのは、現実への反論だ。
「シオニズムというのは、良いことや良い言葉のことだ。だからシオニズムに反対するなら、良いことや、良い言葉にも反対なのだ!」とイスラエル支持者が言うのが実に腹立たしい。違う、クソ野郎、そんなわけはない。あなたには自分の意見を持つ権利はあるが、自分の現実を持つ権利はない。
イスラエルとは、それがしていることだ。シオニズムとは、それがしていることだ。彼らは、その行為から切り離せない。こうした物事の本質に関する議論は、今起きている現実によって決着がついたのだ。
イスラエルは、ただ平和に暮らしたいだけだと、あなたが考えていても、そうでなくても構わない。シオニズムとは、ユダヤ人が自決権を持つべきだという単なる思想だと、あなたが考えていても問題ではない。現実は、あなたが間違っていることを示している。現実は、イスラエルとシオニズムとは、絶え間ない暴力と虐待を意味するのだ。現実は、イスラエルとシオニズムは必然的にジェノサイド、アパルトヘイト、民族浄化を伴うことを示している。それが現実だからだ。
それが事実だ。それに同意できないなら、あなたは客観的に間違っている。
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ネタニヤフ首相の政策顧問オフィール・フォークを、ガザでのイスラエルによる残虐行為を否定する姿勢を、ABC司会者パトリシア・カルベラスが厳しく批判する映像を見て、イスラエルは本当に「一般人」を失ったなと痛感した。いつもは帝国の路線に忠実に従っている欧米主流の帝国支持者たちが、次々と脱落しつつあるのだ。
もし彼らの立場を少しでも正当化できれば、彼らはイスラエル最大応援団になるはずなのだから、欧米リベラル派を遠ざけるのにイスラエルが成功した事実は実に滑稽だ。
イスラエルの多くの点は西洋リベラル神話にぴったり合致する。恐ろしい迫害を生き延びた勇敢な宗教的少数派が運営するアメリカに同調する資本主義民主主義国家。世俗的で進歩的な価値観を掲げ、第二次世界大戦での輝かしい勝利以来、アメリカ主導の秩序が成し遂げた素晴らしい功績に関する支配的西洋言説を補強する。イスラエルが彼らに何か、何でもいいから何かを与えれば、依然イスラエルこそ世界で最も偉大な存在だと彼らは信じるだろう。彼らにはただ言い訳が必要だったのだ。たとえごく僅かな言い訳であれ。
だが、イスラエルはそれさえ彼らに与えられなかった。ジェノサイド、人種差別、アパルトヘイト、民族浄化と拡張主義は、彼らの原動力となるイデオロギーにとってあまりに重要だった。シオニスト計画は、ある時点で仮面を脱ぐことなしには継続できなかった。そのため、彼らは大多数の穏健派リベラル派を全て失い「イスラム教徒を殺すのは良いことだ」という極右過激派と「神の命令だからイスラエルを支援しなければならない」というキリスト教シオニストを除き、ほぼ全ての支持を失ったのだ。
結局、全ての矛盾が明るみに出ざるを得なかった。
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ガザの人々がそれほど苦しんでいるなら、出て行くべきだという主張をイスラエル・マスコミは広めているが、これはまさに、イスラエル長年の民族浄化計画を推進するため、我々が間もなく聞くことになるだろうと私が言った主張だ。
先月「パレスチナ領土を奪うために連中は民間人を飢えさせているが、それについて嘘をついている」という題名の記事で私は下記のように書いた。
ガザにおける大量虐殺に欧米諸国政府は声を上げ始めつつあるが、その規模は余りに小さく、余りに遅すぎる。この意図的に作り出された人道危機からパレスチナ人を救うため、一刻も早くガザから避難させる必要があるとイスラエルとアメリカ合衆国は訴えて、この抗議に応えるだろう。そして、この民族浄化作戦に反対する人々を、貧しいパレスチナ人を飢えさせようとする邪悪な怪物だと糾弾するだろう。
「ガザの人道危機はトランプ大統領の移転計画を促進すべき」と題する意見記事をエルサレム・ポストが掲載した。副題は「ガザの人道危機が国民に認識されている今、これを利用してトランプ大統領のガザ移転案への支持を集めるべきだ」だ。
イスラエルを戦争犯罪と残虐行為で非難したいだけの卑劣で意地悪なヨーロッパ人により「ガザの人々」は「戦争から逃げる基本的人権を否定されている」と記事の筆者ゴル・カレフは訴えている。
「ガザの瓦礫の下にいる彼らは、彼らを人間の盾として利用するハマスだけでなく、ユダヤ国家に対する長年の反対運動の駒として、アメリカへの代理攻撃として利用するヨーロッパや、その代理勢力からも必要とされている」とカレフは書き、国民の不満は「イスラエルに向けられるべきではなく、ヨーロッパ指導者たちを含め、トランプ大統領の移転計画の邪魔をする人々に向けられるべきだ」と主張している。
「ガザにおける人道危機が国民に認識されている今、この危機を機にトランプ大統領のガザ移転提案への支持を強めるべきだ。この提案は、ガザ地区の人々の安全と繁栄と地域全体の平和につながる可能性がある」とカレフは記している。「公的メッセージは明確でなければならない。ガザ地区の人々を自由にして、逃げさせてあげよう。」
私が言った通り、連中は露骨な民族浄化作戦を人道主義に見せかけ、パレスチナ人の歴史的な祖国で大規模救援活動を行う人々を冷酷な怪物だと非難している。今後もこのような発言が更に増えると予想される。
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宗教的理由でイスラエルを支持すると言う人は、理性的に議論するのはやめろと言っているようなものだ。自分たちの立場は事実や証拠や論理や道徳に基づくものではなく、作り話の寄せ集めの盲信だと彼らは言っているのだ。だから、彼らに何を言っても、彼らの考えを変えたり、彼らが間違っていると納得させたりするのは不可能だ。
そのような人と議論したり理屈を尽くしたりするのは、神は存在しないと説得しようとするのと同じだ。それは全く反証不可能な立場で、事実や証拠を示しても議論の余地はない。
マイク・ハッカビーなどの人物は、イスラエルとパレスチナの問題に関し、真実を語ることも、自分が本当に考えていることを言うこともない。ただ、聖書の預言を成就し、永遠の報いを得るために、必要な口先だけの言い訳をしているだけなのだ。このような人物は議論に参加する資格がない。議論に参加していないのだから、完全に排除されるべきだ。真実や道徳と全く関係ない理由で、彼らは嘘をつき、操作しているに過ぎない。
(後 略)
記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2025/08/21/zionism-is-what-it-does/
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。