2025年8月13日水曜日

政治勢力三分割が最適(植草一秀氏)

 植草一秀氏が掲題の記事を出しました。
 自公は先の参院選の敗北で衆参両議院において少数与党となりました。しかし、維新、国民(党)など連立政権入り したい野党に事欠かないので、自民党内の「石破おろし」が殆ど国民から支持されていないことと相俟って、自公維または自公国の連立政権を作ることで石破政権が持続する可能性は大きいと見られます(別掲記事参照)。

 では真正野党の 共産、れいわ、社民 はどうすべきかについて植草氏は「日本の政治勢力は 極右、中道、革新 の3つに分割されるべきで、そうすれば主権者が自分の意思に近い勢力を選択できることになる(要旨)」と述べ、具体的には「自民は極右と中道に、立民も中道、革新に割れるべきで、極右自民は中道自民より保守、参政、維新と近いので『極右自民と保守、参政、維新が合体すればよく、『中道自民と中道立民、国民はほぼ同一公明も近い』のでひとつのまとまりを作る。そして革新は共産、れいわ、社民それに革新立民』でまとまればよい(要旨)」わけで、「こうした極右、中道、革新の三極鼎立はドイツ、フランスで現実化している」と述べます。
 真正革新はこのままじり貧に向かうのではなく、新たな展開の方向として参考になります。
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政治勢力三分割が最適
               植草一秀の「知られざる真実」 2025年8月10日
日本の政治勢力は三分割されるべきだ。
三分割は 極右、中道、革新 である。

三分割されるメリットは大きい。最大のメリットは主権者が自分の意思に沿う投票対象を選択できること
現状では政治勢力の属性が不明であったり、基本理念が類似しているのに別勢力が乱立し、どちらを選択すべきか判断できない場合が多い。
三分割されて三勢力に統合されれば、主権者は自分の意思に近い勢力を選択できる。

自民は極右と中道に割れるべきだ。極右自民は中道自民より保守、参政、維新と近い。
したがって、極右自民と保守、参政、維新が合体すればよい。
誰が代表になるかでもめると思うが、そこは整然と対応すべきだ。

中道自民と国民はほぼ同一。公明も近い。これがひとつのまとまりを作る。
革新は共産、れいわ、社民。立民の半分はこちらに属するのが適正だ。
立民の半分は中道に合流すべきだ。

極右、中道、革新の三極鼎立はドイツ、フランスで現実化している。
フランスでは昨年7月に総選挙が実施された。
最大勢力になったのは左派連合で182議席を獲得。
第二勢力がマクロン大統領の中道「与党連合」で獲得議席は168。
第三勢力がルペンに代表される極右の「国民連合」で獲得議席は143だった。 








議会定数は577で過半数289を確保した勢力は存在しない。
特記に値するのは左派連合が第一勢力に急伸したことだ。

ドイツでは本年2月に総選挙が実施された。
中道保守のCDU・CSUが208議席を獲得した。
これに対して中道左派のSPDが120議席を獲得。
また、緑の党が85、左派党が64獲得した。
SPD、緑の党、左派党の合計は269でCDU・CSUを大幅に上回った。
他方、極右AfDが152議席を獲得。













ドイツ議会定数は630で過半数は316。
いずれの勢力も過半数には届かなかった。
結局、CDU・CSUとSPDが大連立政権を樹立した。

イギリスでは昨年の総選挙で労働党が大勝
14年ぶりの政権交代が実現してキア・スターマー政権が発足した。
オーストラリアでは2022年の総選挙で労働党が勝利
9年ぶりに政権交代が実現してアルバニージー政権が発足した。
韓国では尹錫悦大統領が弾劾・罷免され、本年6月に革新系「共に民主党」の李在明大統領が誕生した。

世界の趨勢としては左派・革新系勢力の台頭が目立っている。
同時に目立つのが極右勢力の台頭。
移民に対する排外主義的な思潮が各国で強まっている。
日本においても排外主義的な極右勢力が伸長している。

日本では30年間も経済成長が止まっている。
労働者実質賃金は減り続け、多くの労働者が下流に押し流された。
この人々が極右勢力に吸い寄せられている
経済環境を踏まえれば、政府の生活保障政策を重視する革新・リベラル勢力が躍進しておかしくないが、この勢力が停滞している。

7月参院選の大きな特徴は若年埋蔵票の採掘に成功した政治勢力が伸長したこと。
とりわけ、国民民主と参政が若年埋蔵票の採掘に成功したと言える。
次回国政選挙からは各政治勢力が若年埋蔵票採掘に総力を注ぐことになると思われる。
日本の政治勢力が三極に分かりやすく分割されれば、主権者は投票行動を取りやすくなる。
三極体制の確立が強く求められる

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