2025年8月28日木曜日

ガザ市郊外を攻撃 イスラエル軍 脱出諦める住民も

 イスラエル軍は23~24日かけて夜通しガザ市郊外を航空機と戦車で攻撃し、建物や家屋を破壊しました。住民パニックに陥り一部の住民は街から逃げ出しました8人家族を持つアヤさん(31)は「逃げません。爆撃されるままだ」といい、「たとえ逃げようとしても、テントを買い交通費を払う余裕がない」、「おなかが減った、怖い、お金もない」と話しました。
 ガザ地区保健当局は24日、新たに8人が栄養失調と飢餓で死亡したと発表しました。こうした餓死者は今度の戦争開始以来25日には300人となり、うち117人が子どもです。

 オーストラリア各地で24日、ガザでのジェノサイド(集団殺害)に抗議する行動が行われ、全国で35万人が参加しました。市民は、ガザ住民を飢餓で苦しめた上に再占領作戦を強めているイスラエルに対し、オーストラリア政府が制裁に踏み切るよう求めました。
 しんぶん赤旗が報じました。
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ガザ市郊外を攻撃 イスラエル軍 脱出諦める住民も
                       しんぶん赤旗 2025年8月26日
 イスラエル軍は23~24日かけての夜通し、パレスチナ・ガザ地区のガザ市郊外(東部と北部)を航空機と戦車で攻撃し、建物や家屋を破壊したと住民が話しました。ロイター通信が伝えました。
 炎が空を照らし、住民がパニックに陥り、一部の住民は街から逃げ出しました。
 他方、街から出たくないから死んだ方がましだと言う人もいます。8人家族を持つアヤさん(31)は「逃げません。爆撃されるままだ」といい、「たとえ逃げようとしても、テントを買い交通費を払う余裕がない」、「おなかが減った、怖い、お金もない」と話しました
 ガザ地区保健当局は24日、新たに8人が栄養失調と飢餓で死亡したと発表しました。これにより、こうした死者は今度の戦争開始以来28925日には300人)となり、うち11525日には117人)が子どもです
 国際機関は22日、ガザ市と周辺で「飢饉(ききん)が発生している」と発表しています。イスラエルの力ッツ国防相は24日、ガザ市への攻撃続行を明言。ハマスがイスラエルの条件で戦争を終結させ、人質全員を解放しない限り、ガザ市は壊滅すると述べました。

イエメン首都も攻撃
 イスラエル軍は24日、イエメンの首都サヌアを攻撃しました。イエメンのフシ派の保健当局者は、この攻撃で6人が殺され、86人が負傷したと述べました。
 イスラエル軍は、フーシ派によるイスラエルヘの攻撃に対する報復として攻撃したと述べました。また、大統領官邸、発電所、燃料貯蔵施設を含む軍事施設が標的に含まれていると述べました。
 フーシ派は22日、イスラエルに向けて弾道ミサイルを発射したと発表。ガザ地区のパレスチナ人を支援するためだと主張しました。
 イスラエル空軍当局者は24日、フーシ派のミサイルが着弾時に起爆させる複数の子爆弾を搭載していた可能性が高く、こうしたミサイルのイエメンからの発射は初めてだと述べました。
 イスラエルとフーシ派はこの1年以上、互いに攻撃しています。(ロイター)


イスラエルに制裁を 豪 35万人抗議デモ
                       しんぶん赤旗 2025年8月26日
 オーストラリア各地で24日、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザでのジェノサイド(集団殺害)に抗議する行動が行われました。主催者発表によると、全国で35万人が参加。ガザ住民を飢餓で苦しめた上に、再占領を狙い作戦を強めているイスラエルに対し、オーストラリア政府が制裁に踏み切るよう求めました
 現地からの報道によると、シドニーやブリスベンなど各州の州都をはじめ全国40カ所以上で人々が街頭に繰り出しました。ガザに関する抗議では、過去最多規模と報じられています。
豪州のアル八二ジー首相11日に、9月にパレスチナ国家を承認すると表明していますが、参加者はさらなる行動が必要だと政府に圧力をかけました
 最大都市シドニーでは、中心部の公園での集会の後、デモ行進が行われました。集会には、著名人も参加。性被害の告発で国民栄誉賞を受賞(2021年)しているグレース・テイム氏は、世論の力で政府に行動を取らせようと呼びかけました著名なジャーナリストのアントワネット・ラトゥフ氏は、ガザでは昨年の侵攻開始以来、180人(最新情報では246人)の記者らが殺害されていることに触れ、「西側メディアは、引き続きパレスチナ人の命やジャーナリストを消耗品として扱っている。目撃者ではなく、共犯者として人々に記憶されるだろう」と述べ、豪州メディアのガザ報道についても批判しました。参加者は、パレスチナの旗を掲げ、「パレスチナを解放せよ」などと唱和しながら、行進しました。
 首都キャンベラの集会には、連邦議員も参加。ラグビー元代表の経歴を持つ、デービッド・ポーコック上院議員(無所属)は、「われわれは今日、政府にさらなる行動を求める。中堅国家として、ネタニヤフ首相とイスラエル政府に制裁を行え」と訴えました。
 主催者によると、97回目抗議行動となったメルボルンでは10万人が参加。参加者の男性の人は、ガザの子どもたちのために参加したとメディアに語り、「世界の別の場所であっても(子どもたちのおかれる惨状は)容認できない」と語りました。