憲法96条の改正を目指す動きが目立ってきました。これはそもそもは安倍首相が主張したもので、維新の会、みんなの党などがそれに同調しています。
96条は硬性憲法を担保するもので憲法の重要な骨格をなしているものですが、改憲勢力が優勢ないまその歯止めを外して、今後の憲法の改正を容易にしようとするものです。
憲法の骨格を変えるような「改正」までは憲法で認められていないという有力な説がある中で、憲法尊重擁護義務(99条)※のある安倍首相や各党首が先頭に立ってそうした「改正」を目指しているのは許されないことです。
※2月23日付「石原氏・安倍首相・維新の会・自民党は憲法違反と」
この危険な動きからは目が離せません。
以下に関連の記事を紹介します。
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自民と維新、96条改正要求で足並み…代表質問
読売新聞 2013年3月4日
安倍首相の施政方針演説に対する各党代表質問が、4日の衆院本会議で始まり、質問に立った自民党の小池百合子氏と日本維新の会の藤井孝男氏がそろって憲法改正の発議に衆参各院の3分の2以上の賛成が必要とする要件を定めた96条の改正を首相に求めた。
小池氏は「憲法審査会の議論を早急に再開すべきだ。96条について、国会の意思を明確にすることは重要で、(改正の)賛同をお願いする」と与野党に同調を呼びかけた。藤井氏は「憲法改正を容易にするよう、まず96条改正に着手すべきだ」と主張した。
首相も答弁で「党派ごとに異なる意見があるため、まずは多くの党派が主張している96条の改正に取り組んでいく」と述べ、96条の改正を優先する考えを改めて示した。
民主・維新・みんな有志、96条改正議連設立へ
読売新聞2013年3月1日
野党3党の有志が憲法96条の改正を目指す新たな議員連盟を設立することが28日、わかった。
民主党の渡辺周衆院議員、日本維新の会の松野頼久国会議員団幹事長、みんなの党の浅尾慶一郎政調会長の3氏を呼びかけ人に、民主党の前原誠司元代表らも参加予定。来週にも勉強会形式で初会合を開き、議連に発展させる考えだ。
自民党の安倍首相は、憲法改正の要件緩和のための96条改正に意欲を示している。先の衆院選では維新の会、みんなの党も96条改正を公約に掲げた。民主党は態度を明確にしていない。
96条議連、再始動へ +
産経新聞 2013年3月5日
超党派「憲法96条改正を目指す議員連盟」(96条議連)に所属する自民、民主、日本維新、みんなの4党の代表者が7日に会合を開き、活動再開に向けて協議することが4日、分かった。
議連の中には、別の超党派議連「創生『日本』」(会長・安倍晋三首相)で96条議連の役割を引き継ぐ案も浮上していた。しかし、首相が国会答弁などで憲法改正要件を定めた96条の改正の必要性を訴えていることを自民党が重視、96条改正を実現するには2つの議連が連動した方が得策だと判断した。
同党を除く野党3党の中から新たな96条改正議連を立ち上げる動きもあり、野党系メンバーには「自民党を含めない議連の設立は政局目的だ。改憲の問題意識を共有していた“本家本元”を復活させるべきだ」との声が上がっていた。
96条議連は一昨年6月に発足。設立総会には民主、自民、公明、みんな、たちあがれ日本(当時)、国民新の各党から計約100人が参加した。昨年の安倍政権誕生により幹部が相次いで政府の要職に就き、休眠状態に陥っていた。