2013年3月22日金曜日

衆院憲法審査会が開かれました +


21日、衆院憲法審査会が開かれ、第3章「国民の権利及び義務」と第4章「国会」について自由討議を行いました。
その中で日本維新の会とみんなの党は、迅速な意思決定を可能にするとして1 院制への移行を主張しました。
自民党、日本維新の会、生活の党は政教分離原則の緩和を訴え、地鎮祭における玉串料の公費支出などを容認すべきだとの見解を示しました。
 また民主党は憲法改正に慎重な立場を明らかにし、公明党は環境権の明記を主張し、共産党は護憲の立場から勤労者の権利向上を訴えました。
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<衆院憲法審査会> 維新とみんな、1 院制移行を主張
毎日新聞 2013321 

 衆院憲法審査会は21日、第3章「国民の権利及び義務」と第4章「国会」について自由討議を行った。日本維新の会とみんなの党は、迅速な意思決定が可能として1院制への移行を主張し、その他の政党は2院制の維持を訴えた。一方、昨年12月の衆院選の「1票の格差」は「違憲」との高裁判決が続いていることに、議員からは不満の声も漏れた。

 維新の西野弘一氏は「首相公選制を前提に1院制への再編成を検討している。2院制では衆参のねじれで政治的停滞を招きかねない」と語った。みんなの小池政就氏も「一刻を争う国政課題が2度にわたる審議で停滞し、国民の背負うコストも膨大だ」と、衆参両院の統合を主張した。

 一方、自民の葉梨康弘氏は「現行憲法の立場を踏襲している」と2院制を支持し、民主、公明、共産、生活の各党も2院制維持を訴えた。

 憲法は47条で、選挙制度は国会が法律で定めると規定しており、各党は「1票の格差」をめぐる高裁判決にも言及。自民党の中谷元氏は「民意のくみ上げ方に司法が違憲、無効を決めることに疑問がある」と語った。民主党の篠原孝氏も「平等だけで議員が選ばれていいのか。都市の意向で日本中が変えられてしまう」と同調した。

 一方、みんなは格差是正の必要性を強調。公明、共産の両党は、比例代表を重視した制度改革を訴えた。

 第3章をめぐっては、多くの政党が環境権やプライバシー権など「新しい人権」を明記すべきだとした。【岡崎大輔】
 

政教分離の緩和を主張 衆院憲法審査会で自民、維新など
産経新聞 2013321 

 衆院憲法審査会(保利耕輔会長)は21日、日本国憲法第3章「国民の権利および義務」と第4章「国会」の論点整理を行った。自民党、日本維新の会、生活の党は政教分離原則の緩和を訴え、地鎮祭における玉串料の公費支出などを容認すべきだとの見解を示した。

 第3章の議論で、3党は政教分離を定めた第20条に関し、「儀礼・習俗の範囲内であれば憲法で国や地方公共団体が宗教的なものに関わることができることにする」などと主張。政教分離原則の緩和で一致した。

 また、自民、維新、みんなの党は外国人参政権を認めない考えを表明。民主党は憲法改正に慎重な立場を明らかにした。公明党は環境権の明記を主張し、共産党は護憲の立場から勤労者の権利向上を訴えた。

 一方、第4章に関しては維新とみんなが一院制を主張したのに対し、他党は二院制維持を支持した。
 

自民党からも「一院制」 憲法審査会
  朝日新聞 2013322 

 衆院憲法審査会は21日、第4章の「国会」について自由討議を行った。自民党は二院制維持の立場だが、「ねじれ国会」の弊害を念頭に出席委員から一院制を求める意見が相次いだ。一方、日本維新の会とみんなの党は一院制を主張した。

 自民党は昨年4月にまとめた憲法改正案で「国会は衆議院及び参議院の両議院で構成する」と二院制を明記。21日の審査会でも葉梨康弘氏が「自民党は二院制について現行憲法を踏襲している」と説明した。

 だが、党憲法改正推進本部長代行の船田元氏は「衆院の優越性を強められないなら一院制を目指すべきだ」と主張。衛藤征士郎氏も「ねじれ国会で決められない。速やかに一院にすべきだ」と語った。みんなの小池政就氏も「国政の課題が二度にわたる審議で遅滞する」と語った。
 
衆院憲法審査会 憲法理念の実践こそ 笠井氏が主張

しんぶん赤旗 2013322 

 衆院憲法審査会は21日、憲法第3章「国民の権利及び義務」と第4章「国会」について検証を行いました。日本共産党の笠井亮議員は、憲法が定めた基本的人権や国民主権原理に基づく議会制民主主義の全面実践こそ求められると主張。東日本大震災と福島原発事故、大企業による非正規雇用労働者の大量解雇や雇い止めなどをあげ、憲法理念に照らして現実をただすよう主張しました。

 公明党の斉藤鉄夫氏は「新しい人権はより積極的に明示すべきだ」と述べました。笠井氏は「新しい人権は憲法の民主的な解釈から導き出されるものとして裁判規範、行政の重要な原則として定着している」と主張しました。

 自民党の保岡興治氏は「基本的人権を尊重するあまり、日本社会は利己主義が広がっている」などとして、「公益」「公の秩序」による基本的人権の制限を主張。自民党の中谷元氏は「社会的活動、結社は、その目的によっては一定の制限をかけることも検討すべきだ」などと述べました。

 笠井氏は「公共の福祉は人権と人権がぶつかり合った場合の調整原理であり、国家が国民の人権を制限するためのものではない」と指摘。「21条(『集会・結社の自由』)は民主主義の政治プロセスを支える中心的な人権であり、目的による結社の規制など極めて異常だ。国家による思想調査や戦前の治安維持法に通じる危険なものだ」と批判しました。

 また、日本維新の会の西野弘一氏は「政治に強いリーダーシップを生み出すため首相公選を導入し、一院制にすべきだ」と主張しました。笠井氏は「二院制の意義は、国民の多様な意思を国会に反映させ、審議を慎重なものにすることだ」と指摘。「政治の不安定の根本原因は、政治が民意を反映していないことにある。民意を正確に反映する選挙制度への改革とともに、政治の中身を国民本位に憲法に基づいてかえていくことこそ急務だ」と述べました。