日本国憲法草案の起草に関わった米国女性の故ベアテ・シロタ・ゴードンさん※の長女のニコル・ゴードンさんが、ベアテさんをしのぶ会に合わせて来日し、26日、広島の原爆資料館を訪れました。
ベアテさんは少女時代を日本で過ごし、アメリカの大学を優等な成績で卒業したのちGHQで日本国憲法草案の作成に加わりました。そして女性と児童の権利の拡張に努力し、憲法14条、24条をはじめ25~27条などの形にまとめました。
1990年代に彼女のそうした活躍が明らかにされてからは何回にもわたって日本に招待され、全国200ヶ所以上で講演を行いました。
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2012年7月16日付 「【憲法制定のころ4】 ベアテ ・ シロタ ・ ゴードン」
2012年7月20日付 「【憲法制定のころ5】 憲法調査会におけるベアテ参考人の陳述」
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憲法起草者の長女、資料館へ
中國新聞 2013年3月27日
連合国軍総司令部(GHQ)の一員として日本国憲法の起草に関わった米国人女性の故ベアテ・シロタ・ゴードンさんの長女で弁護士のニコル・ゴードンさん(58)が26日、広島市中区の原爆資料館を初めて訪れた。
ニコルさんは夫のロジャー・バーンスタインさん(60)と約1時間かけて館内を巡った。原爆投下直後の市街地を再現したパノラマ模型や写真の前で足を止めていた。ニコルさんは「母は広島は特別な場所だと言っていた。原爆の悲惨さを知り、母の言葉の意味が理解できた」と話していた。
ベアテさんは1946年から、憲法第24条(両性の平等)など人権に関する条項を書き上げた。晩年は日本での講演活動に力を注ぎ、2003年には広島市にも訪れた。
ニコルさんは30日に東京であるベアテさんをしのぶ会に合わせて来日した。昨年12月に89歳で亡くなるまで平和憲法の必要性を訴え続けた母親の足跡をたどるため、広島への訪問を日程に組み込んだ。