政府が、外交や安全保障、治安などに関する秘密情報を守るため、厳罰を規定する「秘密保全法案」を制定する方向で検討していることが明らかになりました。
29日開かれたNSC創設に関する有識者会議で、出席者から軍事情報を含む秘密保全の徹底を求める意見が相次ぎ、礒崎陽輔首相補佐官が「法律を制定する方向で検討している」と説明しました。法案提出は夏の参院選後になる見通しです。
秘密保全法が対象とするものは(1)防衛(2)外交(3)公共の安全と秩序維持 のうちから行政が任意に指定できるとされ、指定されると国民はそれらについて知ることが出来なくなります※。
※11月7日付「『秘密保全法』が動き出そうとしています」
メディア・個人・団体がそうした「秘密」の情報を公表することはおろか、「秘密」に関する情報を入手することや情報を得ようと教唆・共謀すること自体でも処罰されるので、国民の知る権利、表現の自由、学問研究の自由が制限され、議論自体も出来なくなると言われています。
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秘密保全法を検討=NSC創設で再浮上-政府
時事通信 2013年3月29日
政府が、外交や安全保障、治安などに関する秘密情報を保全するため、厳罰を規定する「特定秘密保全法案」の検討を進めていることが29日、明らかになった。同様の法案は民主党政権も検討したが、国会提出に至らなかった。安倍政権は、外交・安全保障の司令塔となる日本版NSC(国家安全保障会議)の創設と並行し、立法化を目指すことにした。
政府は29日、NSC創設に関する有識者会議を首相官邸で開催。出席者から、軍事情報を含む秘密保全の徹底を求める意見が相次ぎ、礒崎陽輔首相補佐官が「法律を制定する方向で検討している」と説明した。政府関係者は、法案提出は夏の参院選後になるとの見通しを示した。
民主党政権は、2010年に尖閣諸島沖で起きた中国漁船衝突事件の際、海上保安庁が撮影した映像がインターネット上に流出したのを受け、法案の検討に着手。「国の存立に重要な情報」を指定し、情報を漏らした場合、「懲役1年以下」と規定している国家公務員法よりも格段に重い刑罰を科す方針を固めていた。安倍政権が検討する法案もこれに準じた内容になるとみられる。
秘密保全法案に対しては「国民の知る権利が阻害される」として、報道機関や弁護士会などが反対している。
29日の有識者会議では、軍事情報を集約するため、NSC事務局に自衛官を配置する必要があるとの意見が相次ぎ、今後の検討課題となった。