2023年9月13日水曜日

13- ブリンケン国務長官は露国が設定したレッドラインを越え、当事者になると宣言 

 米国のブリンケン国務長官は10日、射程300キロメートルのATACMS(陸軍戦術ミサイルシステム)を近いうちにウクライナへ引き渡すと述べました。目標の決定はウクライナが決めればいいとして、ロシア領深くを攻撃することを容認しました。明らかにロシア政府の設定したレッドラインを越えることを意味します。

 米英は既に劣化ウラン弾やクラスター爆弾といった危険極まる武器を供給しています。それは兵器庫にもう通常の武器弾薬がなくなったためと見られていますが、なりふり構わずそうしたものを供与することは、事態を更に深刻化することを厭わないということの顕れです。
 それに加えてのATACMSの供与です。一体ウクライナ戦争をどこまで拡大させようというのでしょうか。このままでは「通常の戦争」に留まる保証はありません。

 世論調査によるといまや大多数の米国民はウクライナへの継続的軍事援助に反対しています。そんな中、米国は既にこの18か月で合計430億ドル6兆円超)の兵器をウクライナに供与して来ました。
 他方ウクライナは、過去3か月で66,000人の兵士を失い、22年2月24日以来の兵士の死者数は400,000人に上ります。最近は女性の医療関係者の軍隊投入を考えていて、該当者は登録するように指示が出ているということです。
 当のゼレンスキーは米英が主張するままに「聖戦」を敢行しようとしていて、そのためには国民の犠牲は厭わないという姿勢です。異常というべきです。
 そこに持ってきての劣化ウラン弾によるウクライナ東南部の放射能汚染とATACMSによるロシア本土への攻撃の可能性です。事態が長引く中、後でコントロールしている米英の姿勢は常軌を逸してはいないでしょうか。
 櫻井ジャーナルとマスコミに載らない海外記事の2つの記事を紹介します。
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ブリンケン国務長官は露国が設定したレッドラインを越え、当事者になると宣言 
                          櫻井ジャーナル 2023.09.13
 アントニー・ブリンケン国務長官は9月10日、ABCニュースのインタビューの中で、射程300キロメートルのATACMS(陸軍戦術ミサイルシステム)を近いうちにウクライナへ引き渡すと発言、しかも目標の決定はウクライナが決めることだとした。つまり、ロシア領深くを攻撃することを容認するということである。ATACMSはアメリカがすでに供給済みのHIMARS(高機動ロケット砲システム)で発射できる。
 ロシア外務省は昨年9月15日、ウクライナへのATACMS引き渡しは「レッドライン」を越す行為であり、ワシントンを「紛争の当事者」にするとアメリカ政府に警告している。ブリンケン発言はアメリカがロシア政府の設定したレッドラインを越えるという宣言だと見なされている。
 アメリカはロシア壊滅を目指して2014年2月に戦闘を始めたが、その思惑は外れ、勝者はロシアだ。この戦闘の結果、兵士の能力、兵器の能力、生産力、資源量などでロシアがアメリカを圧倒していることが確認された。しかも戦闘の過程でロシアは弱体化するどころか、力をつけている。
 アメリカやイギリスはウクライナに対し、劣化ウラン弾やクラスター爆弾といった問題の多い武器を供給しているが、その理由のひとつは兵器庫に通常の武器弾薬がなくなったからだとも言われている。

 ウクライナでの戦闘でロシアの勝利が確定的な現在、ロシア領に対するテロ攻撃や長距離ミサイルでの攻撃で「戦っている」ことをアピールするしかなくなっている。ウクライナの敗北はジョー・バイデン政権の破滅につながる。破滅を受け入れられないブリンケン国務長官が妄想の中へ逃げ込むのは必然かもしれない。


犯罪的なほど非常識 ウクライナ向け劣化ウラン弾を「新築祝い」と呼ぶアメリカ国務長官
              マスコミに載らない海外記事 2023年9月12日
               Strategic Culture Foundation 2023年9月8日
 ウクライナ人とロシア人の亡骸を巡って火遊びをしている他の多くの欧米政治家同様、アントニー・ブリンケンは犯罪的に狂っている。
 アメリカ国務長官アントニー・ブリンケンは彼自身の言葉で、犯罪的に狂っていると診断できる。今週、アメリカ国務長官は二日の日程でキーウを訪問し、アメリカから初の劣化ウラン弾を含むウクライナ政権への新たな一億ドル援助パッケージを発表した。
 ブリンケン国務長官のキーウ訪問は、昨年二月にワシントンの対ロシア代理戦争がエスカレートして以来四度目だ。アメリカのネオナチ政権への最新軍事援助パッケージは、バイデン政権による分割武器引き渡しの46回目だ。アメリカ納税者の好意で。18か月で合計430億ドル与えられた。
 相手のナチスを喜ばせようとして、ブリンケンは最新の引き渡しを「新築祝い」と呼び、必要な限りウクライナ政権を支援するアメリカの誓約の印だと述べた。
 世論調査によると明らかに大多数のアメリカ国民がウクライナへの継続的軍事援助に反対している。民主主義も、もはやこれまで
 最新の援助パッケージには劣化ウラン弾が含まれている。そのような弾薬やロシアとの間で煽る危険に対し、アメリカ高官が愛情のこもった言葉を言うのは奇怪を超える。
 吐き気を催したのは、紛争中に死亡したウクライナ兵士墓地へのブリンケン訪問と、ロシア軍に対する反攻でキーウ政権が「前進している」といういつわりのたわ言だった。三カ月にわたる反攻は、NATOが支援するウクライナにとって紛れもない大惨事だった。過去三か月で、66,000人のウクライナ兵士が死亡したと推定されており、ロシアが2022年2月24日にウクライナ侵攻を開始して以来、ウクライナ兵士死者の総数は400,000人に上る。ロシア侵攻はNATOが支援する長年のキーウ政権の攻撃が引き起こしたものだ。
 何千もの墓を巡りながら、ウクライナにより多くの兵器を送るのをブリンケンが楽しんでいることは、NATO政府のいやらしく身勝手な本質を物語っている。エリート主義欧米政権は「最後のウクライナ人」までという、連中対ロシア代理戦争追求で、自国民に対し全く責任を負わない。アメリカ合州国とヨーロッパの共犯者連中は、欧米資本主義経済の病んだ中核、欧米軍産複合体のための儲かる不正な戦争商売を維持するために、腐敗したナチスがはびこる名ばかりのユダヤ人傀儡大統領率いる政権と共謀している。

 アメリカによる劣化ウラン弾供給発表は、今年初め劣化ウラン弾を供給するというイギリスの動きに続くものだ。英米ならず者国家は、いつも通り犯罪的二重行為を働いている。
 制御不能で核大国間の全面的世界大戦になる恐れがある紛争の無謀なエスカレーションだとモスクワは非難した。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、モスクワはウランを使用する弾薬配備を大量破壊兵器WMDと見なすと述べた。
 ホワイトハウスイギリスや欧米メディアは、劣化ウラン弾は「無害」だと主張している。これは身勝手で悪質な否定だ。
 アメリカ軍とイギリス軍は、以前の旧ユーゴスラビアやイラクでの犯罪戦争中に劣化ウラン弾を使用し、世界的な被害の痕跡を残した。
 元イギリス政府の科学者で放射能汚染に関する世界的に有名な権威者クリス・バスビーは劣化ウラン弾による公衆衛生上の恐ろしい影響について証言した多くの専門家の一人だ。
 イラクでのバズビーの科学的調査はアメリカ軍とイギリス軍がウラン弾を大量に使用した共同体で、ひどいレベルの癌と先天性欠損症を発見した。同様の病状や環境汚染は、旧ユーゴスラビアやそこに配備されたNATO軍の間でも記録されている

 劣化ウラン弾による放射能汚染による被害に対するアメリカとイギリスの否定は「狂気の」ウソだとバズビーは言う。この専門家は、そのような物質を大量破壊兵器と定義するのは正しいと述べた。ロシアの定義と非難を彼は裏付けているが、通常欧米メディアは、モスクワによる批判を「クレムリン偽情報」だとはねつける。
 劣化ウランは核燃料用と弾頭用ウラン濃縮の副産物だ。徹甲弾製造に使用されるウランは濃縮されたものより放射能は低いが、それでも放射性で、人間に有害な長期的影響を及ぼす。ウラン弾は爆発すると金属を蒸発させ、人体や動物、土壌、植物に吸収される。重金属元素なので、非放射性ウランでさえ、細胞のDNAや遺伝子生殖を劣化させるため、発がん性があり、毒性が高くなる。これが劣化ウラン弾に曝露された集団が白血病、リンパ腫、骨癌、先天性欠損症、不妊症、乳児死亡率や他の病状の劇的増加を被ることがわかっている理由だ。
 欧米マスコミはプロパガンダ機関だが、劣化ウラン弾をウクライナに供給するアメリカ合州国とイギリスによる不吉で犯罪的な動きについて分析している。
 ばかげたことに、劣化ウラン弾使用においてキーウ政権が「責任を持って行動する」よう期待しているとアメリカ合州国は言う。この期待は、既にアメリカが供給したクラスター爆弾とHIMARSを民間人に無差別に発射する政権に裏切られている。

 ウクライナ軍を劣化ウラン弾で武装させることで、ワシントンとロンドンは故意に、より広範なヨーロッパ国民を致命的汚染の危険にさらしている。ウクライナは汚染された国になり、土壌や膨大な小麦やその他の農産物輸出も、他の国々にとって、より広範な汚染の二次的原因になるだろう。
 アメリカ主導のロシアに対するウクライナ代理戦争は、法外な形で、どんな犠牲を払っても続けねばならない。バイデン政権は失敗した代理戦争政策の人質だ。正気で道徳的な当事者がそうすべき通り和平を訴えると敗北を認めることになるのだ。歩兵の大量虐殺の証拠が増えているにもかかわらず、2024年11月の大統領選挙を控え、ウクライナで戦争を継続しキーウ政権が「前進している」ふりをすることにバイデン政権は囚われている

 ワシントン最新の「新築祝い」送付は、放火犯が猟奇的な笑みを浮かべて家を訪れるのと同じだ。ウクライナ人とロシア人の亡骸をめぐって火遊びをしている他の多くの欧米政治家同様、アントニー・ブリンケンは犯罪的に狂っている。
 記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2023/09/08/criminally-insane-americas-top-diplomat-calls-depleted-uranium-munitions-to-ukraine-a-housewarming-gift/