2023年9月23日土曜日

23- 徹底追及 統一協会 SDGSを装いイベント 正体隠し相手にあわせて接近

 統一協会は正体を隠して巧みに、社会的に影響力を持つ人たちに近づきます。
 群馬県内で2030年が達成期限の環境や開発に関わる国際目標SDGs(持続可能な開発目標)に取り組むAさん40代男性)は、「注意していた」にも拘わ私らず巻き込まれてしまいました。統一協会の巧みな接近方法がしんぶん赤旗に載りました。
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徹底追及 統一協会
SDGSを装いイベント 正体隠し 洗練された宣伝 相手にあわせて接近
                       しんぶん赤旗 2023年9月21日
「統一協会(世界平和統一家庭連合)の勧誘活動を結果的に手伝ったような形になり、悔しい」―。こう語るのは群馬県内で2030年が達成期限の環境や開発に関わる国際目標SDGs(持続可能な開発目標)に取り組むAさん=40代男性=です。「注意していた」はずのAさんも巻き込まれた統一協会の接近方法とは―。(統一協会取材班)



(写真)群馬県内で昨年7月に開かれたカレッジサミットのチラシ



 Aさんは、県内のSDGsの活動交流のための「共有サイト」をインターネット上でつくっています。
 その共有サイトに昨年7月、SDGs推進イベントなどを開いているという団体カレッジサミットに所属する大学生からAさんに、お願いが届きました

記者の取材呼ぶ
 そのお願いとは、カレッジサミットを開催するので、そこで「発言してくれる学生を紹介してほしい」、さらにイベントを告知してほしい、というもの。
 Aさんは、イベントを共有サイトで告知。知人の学生Bさんに参加してもらいました。
 安倍晋三元首相の銃撃事件の2日後にあったイベントは、オンラインでも中継されました。しかし、主催者のカレッジサミットの報告は内容がとぼしく、Bさんの発言や他の大学から参加した教授ばかりが目立ちました。
 このイベントにAさんは違和感を持ちました。「学生がやっているとは思えない」からです。宣伝物のデザインが洗練されていることや、プレゼン方法、オンラインで使用した機材、マスコミに事前案内を出し、一般紙記者を取材に呼んでいたことです。
 その後、Aさんはカレッジサミットが統一協会の関連団体と知り、衝撃を受けます。カレッジサミットの代表は、協会の政治組織である国際勝共連合の学生団体「群馬大学カープ」のメンバーでした。
「統一協会のイベントに無関係の学生を送り出した。あたかもBさんが協会の“顔”のように世間に見えてしまったし、格好のターゲットを教えてしまった」と悔やみます。

国連NGO使う
 さらにAさんは安倍氏銃撃事件後に「YSP(世界平和青年学生連合)」も統一協会の関連団体と知り、驚きました。「YSP群馬」とは昨年春、他の団体と共催でイベントを企画したことがあったからです(企画は新型コロナの感染拡大で中止)。YSPは協会の開祖・文鮮明が設立した団体です。
 21年夏、「宗教と関係は」というAさんの問いに、初対面のYSP群馬の代表は否定し、正体を隠していました。ゴミ拾い活動が地元テレビや新聞で紹介されたことや、「国連NGO」に認定されているという代表の説明に魅力を感じたといいます。「いま思えば、SDGsを巧みに使い“こちら好み”にあわせて接近したんだな」
 Aさんは「統一協会関係者と『すぐに見破れる』と思ったらダメ。他の団体とコラボ(共催)することで大きく見せ、有名な財団のゴミ拾いグッズを持つなどして“ブランド”作りが巧みだ」と警鐘を鳴らします。


統一協会悪質 解散早く 野党国対ヒアリング 被害者ら請求訴え
                       しんぶん赤旗 2023年9月20日
 統一協会(世界平和統一家庭連合)の問題に関する野党国対ヒアリングが19日、国会内で開かれ、被害者らは解散命令請求の要件は揃ったとして「一刻も早い請求を」と訴えました。両親と絶縁状態が続いている元信者2世の鈴木みらいさん(仮名)は、献金被害を受けた高齢の知人が子を代理人として返金を求めたところ、「なぜ親が直接来ないのか」「今ごろ、被害者になるのか」などと暴言を投げつけられていた実態を証言。みらいさんは「国が悪質性を認めれば、協会のやり方に疑問を抱いている信者は、考え直すきっかけとなる。脱会する人も増えるはずだ」と話します。
 「全国統一教会被害対策弁護団」の阿部克臣弁護士は、日本の信者2世およそ6000人が韓国に招かれた集会で、韓鶴子総裁が信者に「君たちは世を救い、日本を救う特攻隊だ」などと語りかけたことをあげ、「解散命令請求が来月にもと言われるなか、動揺する信者2世にハッパをかけ、つなぎ留めたい狙いがあるのではないか」と指摘。協会側のこうした動きについては「解散請求の要件である組織性を裏づけうるものだ」と強調しました。
 本名と顔を出して被害を訴えてきた橋田達夫さんは、請求が出れば脱会するよう娘を説得できると、涙ながらに語っていた被害者がいると述べ「これ(請求)がないといま前に進めない状況になっている」と語りました。ジャーナリストの鈴木エイトさんは「(請求によって)外部から攻撃されているとして先鋭化する人も出てくる。法人格でなくなった後も監視をしていく体制は必要だ」と話しました。