2023年9月27日水曜日

インボイス反対署名52万 官邸前行動 首相は国民の声聞け

 インボイスは、事業者間の取引で売り手が消費税の適用税率や税額などを記載した請求書を買い手に発行する制度ですが、この発行には税務署への登録が必要なため、売上高が年1千万円以下の「免税事業者」が登録した場合、新たな税負担が生じることになります
 このため、小規模事業者やフリーランスなどから反対の声が強く出ており、オンライン署名では25日に目標の50万筆を超える52万3986筆が集まりました。国内最多です。

 岸田首相は、登場時には「聞く力、私はこれを大切にする政治家でありたいと思っています。国民の協力を引き出すため、リーダーには必須と心得ているからです」と繰り返し訴えましたが、国民の声を聞くどころか何とこの反対署名の受け取りすら拒否しました。
 岸田氏には政治家の資質において様々なものが欠落していますが、政治家の言葉はどうあねばならないのかという点においても決定的に欠如していることが明らかになりました。
 聞くべきは米国と財界の声だけとでも思っているようです。
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インボイス反対署名52万 官邸前行動 首相は国民の声聞け
                       しんぶん赤旗 2023年9月26日




(写真)インボイス制度反対と官邸前に詰めかけた人たち=25日、首相官邸前




 岸田文雄首相が10月1日からの強行をねらう消費税のインボイス(適格請求書)制度に対し、反対署名を提出し、中止を求めて、官邸前アクションが25日、行われました。オンライン署名数が国内最多の52万3986人分を集めたことを受け、会場の首相官邸前、衆院第2議員会館前に集まった1000人超(主催者発表)が「私たちの声を聞け」とアピールしました。

志位委員長も訴え
 主催は、オンライン署名を呼びかけてきた「インボイス制度を考えるフリーランスの会」(STOP!インボイス)です。
「STOP!インボイス」メンバーでライターの阿部伸さんは開会あいさつで、50万余の署名を集めたにもかかわらず自民党は交渉も訪問も断ったと指摘。「僕らは自民党から大きな固まりを見せろと言われて応えてきた」と指摘。1000人以上の集会を開いてきたとして「次は政府が僕らのいうことを聞く番だ。岸田総理がインボイス中止を決断する番だ」と強調しました。
 日本共産党の志位和夫委員長、立憲民主党の泉健太代表、社民党の福島瑞穂党首のほか、国民民主党、れいわ新選組、インボイス問題検討・超党派議連から多くの国会議員が参加し、あいさつ。

 共産党から志位氏のほか、小池晃書記局長ら多くの国会議員が参加しました。あいさつした志位氏は、免税業者には、インボイス登録か消費税相当分の値引きかの「地獄の二者択一」が迫られていると指摘。廃業を決めた事業者も広がっているとして、「いまからでもインボイス中止の政治決断を強く求めたい」と訴え。岸田政権がインボイス導入にしがみつくのは、消費税増税のレールを敷くためであり、全国民の問題だとして、「ストップ・インボイスと訴えよう」とよびかけました。

 さまざまな業界の当事者や著名人がスピーチしました。
 静岡市から参加したコメ、野菜農家の男性(38)は「免税事業者、課税事業者、消費者の誰も得しない制度。この経済情勢を考えても消費税とインボイスはなくなってほしい」と話しました。


恐怖の2択迫るインボイス 「生活できなくなる」or「仕事が来なくなる」
                     田中龍作ジャーナル 2023年9月25日

 これほど過酷な重税があるだろうか。年商1千万円以下の個人事業者に課税する「インボイス制度」である。
 酷税の実施が1週間後(10月1日)に迫ったきょう25日、首相官邸周辺でインボイスに反対する集会があった。参加者は官邸前だけで収まりきれず衆院会館前、参院会館前まで一杯になった。
 インボイスは零細で食うや食わずの個人事業主に恐怖の二択を突き付ける。取引している会社に「課税事業者登録」をしなければ、仕事が来なくなる。
 かといって登録すれば本来のギャラから10%さっ引かれる
 年収約200万円のフリーライター(女性)に話を聞いた。彼女は取引相手と契約(課税事業者登録)すれば年収は180万円になる。
 「収入がこれ以上減ったら生活していけなくなるので登録はしない」「(政府は私たちを)殺しに来ている」。彼女はまなじりを決しながら語った。

 ウーバーイーツの配達員(男性)も登録していない。マイクを握った男性は「インボイスはガチで死活問題。必死なんですよ岸田首相」と訴えた。血を吐くような叫びにも聞こえた。
 52万筆のインボイス反対署名が集まったが、岸田首相は受け取りを拒否したと伝えられる。政府は予定通りインボイスを実施する構えだ。
 個人事業主登録せずに仕事が来なくなるか、それとも安いギャラから10%さっ引かれるか。 
 どちらにしても地獄が待つ。
 家賃を払えなくなって路上に出たり、食えなくなって餓死したりする個人事業者が出ないことを祈るのみだ。

                 ~終わり~
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