生活に困窮する人たちを支援するNPO法人「TENOHASI(てのはし)」は隔週土曜日の夕方、東池袋中央公園で炊き出しを行っています。炊き出しに並ぶ人は、コロナ禍が始まった20年に200人を超え、21年に300人、22年に500人、23年に600人を超えました。
年齢は30代~80代、2割弱が女性です。炊き出しに初めて並んだのが「この1年以内」は半数に上りました。日本の非正規雇用は全体の4割にまで拡大しました。日本の相対的貧困率は15・4%で主要7力国で最悪です。
岸田首相以下自民党の議員たちはこうした実態を認識しているのでしょうか。
しんぶん赤旗が報じました。
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炊き出し 長蛇の列 東京池袋 コロナ禍始まった20年の3倍
「株価バブル超え どこの話」
しんぶん赤旗 2024年6月17日
東京都内の食料支援に並ぶ人たちが過去最多に上っています。支援団体の炊き出しで命をつなぐ人たちが増えています。 (芦川章子)
高層ビルの谷間、東池袋中央公園(豊島区)。8日夕方、弁当配布が始まる1時間以上前から長い列ができました。
生活に困窮する人たちを支援するNPO法人「TENOHASI(てのはし)」が隔週土曜日に行う炊き出しです。
70代今もバイト
父親の介護をしながら働いている60代の男性は「弁当代も電気代も何もかもが値上がりしている」とため息をつきます。格安店の300円の弁当すら購入を「ためらう」といいます。
70代の男性は、1カ月の年金は約6万5000円、今もアルバイトをしています。「生活はぎりぎり。この年齢だと雇ってもらえるところは少ないけれど、体が勣くうちは働くしかない」。炊き出しの長い列を見つめ、「株価がバブル期超えなんて、どこの話なのかと思う。この国は貧乏人のことなんて、まったく考えていない」。静かな口調に怒りがにじみます。
炊き出しに並ぶ人は、コロナ禍が始まった2020年に20O人を超え、21年に300人、22年に500人、23年に600人を超えました。5月25日は過去最多の605人が並びました。
てのはしの清野賢司・代表理事は「コロナ禍が終わっても、国民経済は回復していない。国民全体が窮乏化している」といいます。
生活と政治乖離
てのはしが23年6~7月、炊き出しに並ぶ人に行ったアンケートでは困窮の広がり、多様化が浮き彫りになりました。年齢は30代~80代、2割弱が女性です。炊き出しに初めて並んだのは「この1年以内」が半数に上りました。
「日雇いバイトなどで日々をつなぎ、体や心、命を削り、炊き出しにたどり着く人も多い。企業は〝雇用の調整弁″として、自分たちの都合ですぐに非正規労働者を切る。(08年の)リーマン・ショック後の『派遣切り』の頃から変わっていない」
てのはしは、食料や衣類などの無償提供、生活相談や医療相談のほか、路上生活から脱出し、地域生活を定着させる支援もおこなっています。
経済格差と貧困は、この国を覆います。非正規雇用は全体の4割にまで拡大。相対的貧困率は、日本は直近(21年)で米国と韓国に抜かれ、主要7力国(G7)で最悪です。
20年以上、路上からの支援をつづける清野さん。国民生活の実態と政治の乖離(かいり)を目の当たりにしてきました。「現実を見据えた政策を。政治に携わる人たちに伝えてほしい」
相対的貧困率 全体の真ん中に所得額(中央慨)の半分(貧困線)より低い所得で生活す
る人の割合。日本の貧困線は127万円。相対的貧困率は15・4%で、およそ
6人に1人が貧困状態にあります。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。