2024年6月15日土曜日

ガザで「戦争犯罪」イスラエルは攻撃中止を 国連調査委

 国連の独立国際調査委員会12日、昨年10月7日にガザ地区からイスラエル領内に攻め込んだイスラム組織ハマスと、その後ガザヘの大規模な攻撃を続けるイスラエルの双方が「戦争犯罪を行った」とする報告書を発表しました。
 イスラエルについては、「飢餓を戦争の手段として用いる戦争犯罪」を行ったとし民間人に対する広範または組織的な攻撃が行われ、「絶滅、殺人、パレスチナ人男性・少年へのジェンダー迫害、強制移送、拷問や非人間的で残虐な処遇」を挙げ「人道に対する罪」の前提条件が満たされていると指摘した上で、イスラエル政府に対し、民間人の死傷につながる攻撃の即時中止、ガザの封鎖の終結などを求めました。
 国安保理に対しては、国際の平和と安全への脅威と犯罪の重大性に鑑み、国憲章7章に基づいてイスラエル政府に停戦実施などを要求するよう求めました

 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は12日、「ガザ住民の多くがいま、壊滅的な飢餓と飢饉のような状況に直面している」と指摘し「食糧の配給が増えたとの報告はあるが、最も必要とする人々が十分な量と質の食糧を受け取っていることを示す根拠が現在ない」と述べました。急性栄養失調と診断され治療を受けた5歳未満子どもが8千人を超え、そのうち1600は重篤であると明らかにし、「清潔な水と衛生設備が不足しており、栄養失調の子どもが大幅に増える危険がある」と述べました。
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ガザで戦争犯罪」イスラエルは攻撃中止を 国連調査委
                        しんぶん赤旗 2024年6月14日
 国連の独立国際調査委員会12日、昨年10月7日にパレスチナ・ガザ地区からイスラエル領内に攻め込んだイスラム組織ハマスと、その後ガザヘの大規模な攻撃を続けるイスラエルの双方が「戦争犯罪を行った」とする報告書を発表しました。
 イスラエルについては、電力、水、燃料、食料などのガザヘの供給を停止したことで、「飢餓を戦争の手段として用いる戦争犯罪」を行ったとしました。また民間人に対する広範または組織的な攻撃が行われ、「人道に対する罪」の前提条件が満たされていると指摘しました。具体的には「絶滅、殺人、パレスチナ人男性・少年へのジェンダー迫害、強制移送、拷問や非人間的で残虐な処遇」を挙げています。
 ハマスの軍事部門や他のパレスチナ武装組織のメンバーに対しては、民間人の殺害、拉致、性暴力、遺体の尊厳の棄損などを行ったと批判しています。
 勧告部分では、イスラエル政府に対し、民間人の死傷につながる攻撃の即時中止、ガザの封鎖の終結などを求めました。
 国安保理に対しては、国際の平和と安全への脅威と犯罪の重大性に鑑み、憲章7章に基づいてイスラエル政府に停戦実施などを要求するよう求めました第7章は非軍事、軍事の強制措置を定めており、イスラエルに対してこれまでにない厳しい措置を取ることを求める内容です。


国連調査委のガザ攻撃報告書 占領の強化拡大の危険
 イスラエルのパレスチナ自治区ガザヘの攻撃は「占領の強化・拡大の危険」をはらむ「分岐点だ」-。12日発表されたの独立国際調査委員会の報告書はそう指摘しています。
 2021年の国連人権理事会の決議によって発足した同調査委員会にとって、5度目の報告書です。委員会は、昨年10月7日のイスラム組織ハマスの襲撃とイスラエルによるガザヘの大規模攻撃を受けて、戦争犯罪の調査に着手すると表明。今回、24の報告書本体とともに、イスラエルについて126、ハマスについて59の詳細な調査結果を発表しました。対象期間は昨年10月7日から12月31日。
 イスラエルの攻撃については、①民間人への攻撃 ②完全封鎖 ③避難や強制移送 ④性的・ジンダーに基づく暴力 ⑤子どもへの影響-について調査し、ヨルダン川西岸での暴力増加についてもを起こしています。イスラエルが「戦争犯罪、人道に対する罪、国際人遵法と国際人権法違反を行った」と緒論付けました。
 パレスチナの民間人に多数の死者が出たことについては、イスラエル政府が軍に対し民間人や民間施設への無差別攻撃を許可したことを示す多くの発言があると指摘。白旗を掲げた民間人を殺傷したケースもあるとしました。
 ガザの完全封鎖について、「イスラエルが飢餓を戦争の手段として使った」ことは戦争犯罪だ」と指摘。「今後何十年間もガザの全住民、とりわけ子どもに否定的影響を与える」と警告しました。水や食料、電気燃料など必需品の遮断は「全住民に対する集団的処罰」であり、「明確な国際人道法違反」と強調しました。

 イスラエル軍がパレスチナ人男性を公共の場で裸にし、性的な拷問・虐待、辱めを行った多くの事例があったとも報告。軍はパレスチナ人の逮捕にあたって、裸にして目隠しをし、ひざまずかせて虐待を行い、撮影し拡散したといいます。
 ハマスの越境攻撃については、イスラエルの民間人や兵士、外国籍の人々に対し、意図的な殺傷、拉致、虐待が行われたとして、戦争犯罪、国際人法・国際人権法違反だったと結論付けています。イスラエル人女性を標的にした殺害、拉致、性的虐待もあったと結論付けています。

 報皆書は、10月7日のハマスの攻撃とその後のイスラエルのガザ攻撃について、「孤立した事例としてみるべきではない」と指摘。暴力のサイクルから抜け出すために「国際法の順守」が必要だとして、具体的には、「イスラエルによるパレスチナ領土の不法な占策、差別、抑圧、パレスチナ人民の自決権の否定を終わらせ、ユダヤ人とパレスチナ人のための平和と安全を保障する」ことを提起しています。


ガザ住民壊滅的な飢餓 WHO事務局長が指摘
                        しんぶん赤旗 2024年6月14日
【ジュネープ=ロイター」世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は12日、「ガザ住民の多くがいま、壊滅的な飢餓と飢饉(ききん)のような状況に直面している」と指摘しました。 同氏は「食糧の配給が増えたとの報告はあるが、最も必要とする人々が十分な量と質の食糧を受け取っていることを示す根拠が現在ない」と述べました。
 また、急性栄養失調と診断され治療を受けた5歳未満子どもが8000人を超え、そのうち1600人は重篤だと述べました。
 その上で「重症の栄養失調患者を治療する施設が2カ所しか運営できていない。安全な医療の提供ができない上清潔な水と衛生設備が不足しており、栄養失調の子どもが大幅に増える危険がある」と述べました。