2024年6月22日土曜日

ガザの人道状況悪化 飢えた人々はパニック 国連報道官 物資運搬できず

 イスラエル軍は16日、次に連絡をするまで、ガザ地区南部とイスラエルの境界にあるケレム・シャローム検問所からガザ地区北方へつながる道路沿いで毎日午前5時~午後4時に攻撃を一時中止すると発表しましたが、国連のハク報道官は、同検問所からの進路が非常に危険なため、物資の定期的な流れは途絶えているということです。

 国連調査委員会のナビ・ピレイ委員長は19日、国連人権理事会の会合で、イスラエル軍がパレスチナ人の「皆殺し」を実行していると非難しました。そして「ガザでの膨大な数の民間人の犠牲と民間施設やインフラ広範囲の破壊は、最大限の損害を引き起こす意図的な戦略の必然的な結果である」と述べました。イスラエルには「飢餓作戦」を止める意思はないということです。
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ガザの人道状況悪化 飢えた人々はパニック 国連報道官 物資運搬できず
                        しんぶん赤旗 2024年6月20日
 パレスチナ・ガザ地区の人道状況が悪化し続けています。イスラエルとの境界にある検問所は開いたものの、支援物資搬入はできていません。イスラエル軍の攻撃は続き、これまでの死者は3万7396以上に。またイスラエル軍の攻撃による環境汚染は深刻さを増しています。

 国連のファルハン・ハク報進言は18日、パレスチナーガザ地区南部とイスラエルの境界にあるケレム・シャローム検問所からガザ地区への支援物資の運搬ができないでいるとし、飢えた人々の八二ックなどを要因としてあげました。
 イスラエル軍は16日、次に連絡をするまで、問検問所からガザ地区北方へつながる道路沿いで毎日午前5時~午後4時に攻撃を一時中止すると発表。ハク報道官は、これを歓迎するとしたうえで、同検問所からの進路が非常に危険だと指摘しました。
 ハク氏は「(人々が)援助を受取れない理由は戦闘だけではない。この地域に警察も法の支配もないため、物資を運ぷのは非常に危険だ」とし、「人々は飢えている。食料が届くと、これが最後かもしれないと心配になる」「二ックに陥らないように物資の定期的な流れが保証されなければならない」と述べました
 この8ヵ月余、ガザ住民230万人への援助はラファ検問所とケレム・シャローム検問所を通ってガザ南部に入ってきました。しかし、イスラエルが先月、ラファでの軍事作戦を強化し、援助物資は途絶えました。エジプトは人道支援活動への脅威を理由にラファ検問所を閉鎖。滞ている援助物資や燃料をケレム・シャローム経由に振り向けました
 ハク氏は、ラファ検問所は閉鎖されたままであり、ケレム・シャローム経由での搬入は限られていると述べました。(ロイター)

キャンプ空爆17人殺害 イスラエル軍
 イスラエル軍は18日、パレスチナ・ガザ地区中部にある二つの難民キャンプ、ヌセイラトとブレイジを空爆、少なくとも17を殺しました。医療関係者が述べました。
 これらのキャンプには、1948年のイスラエル建国と戦争でガザ地区に逃げてきた人たちと子孫が住んでいます。
 教師のハリルさん(45)は、「イスラエル車は1時間たつたびに人を殺していく」「流血はもうたくさんだと、イスラエルにも米国にわれわれの指導者にも言う。戦争を終えなくてはならない」と話しました
 ガザ地区最南部ラファの住民や医療関係者によるとてフファに同日、戦車や航空機から激しい爆撃があり午前中に人殺されました。住民は「ラファは国際社会から何ら関与もなく爆撃されている。占領者(イスラエル)は自由に行動している」とし、「激しい抵抗もあり、犠牲も払っているが、占領者は倫理もなく、街と難民キャンプを破壊している」と話しました。
 一方、ガザの保健当局は19日、昨年10月7日の戦争開始以来、ガザでのパレスチナ人の死者が3万7396人以上、負傷者が8万5523人以上となったと発表しました。(ロイター)

土壌や大気汚染は深刻 匯連環境計画
 連環境計画(UNEP)は18日、イスラエルの攻撃が続くガザに関する環境評価を公表しました。土壌水、大気への汚染は深刻だとし、「生態系に取り返のつかない打撃を与える危険性がある」と指摘しました。
 報告書は、戦闘が続くガザで現地調査ができないなか、パレスチナ専門部のデータなどから「初期評価」したものです。昨年10月以降のイスラエルによる空爆は、インフラ、生産設備などを「かつてなく激しく破壊」したと述べ、3900万トンのがれきが発生していると推計しました。がれきからのほこり、がれきに埋もれた不発弾による汚染アスベストなどの有害物質が「人体や環境に深刻な影響を及ぼすリスクがある」と述べました。
 ガザの五つの汚水処理施設は操業停止を余儀なくされ、下水が海岸や土壌に流出し、淡水は病原体や有害物質で汚染されていると指摘。「市民の健康や海洋生物、農地に即時および長期的な影響」を及ぼすものだとしています。
 イスラエルの空爆については、人口密築地に、重金属や爆発性化学物質を含む兵器が大量に投入されているとし、紛争後も長期に人体に悪影響を及ぼすリスクがあるとしています。不発弾については「特に子どもたちに深刻な危険をもたらしている」と述べました。
 UNEPのアンダーセン事務局長は、広範囲にわたる環境破壊は、ガザの人々に現在の戦闘による苦しみだけでなく「痛みの伴う、長期的な復興を強いる危険がある」と指摘。人命を救い、環境を回復し、人々が生活を再建するために「停戦が緊急に必要だ」と改めて強調しました。


パレスチナ人を皆殺し 国連調査委トップイスラエル軍を非難
                        しんぶん赤旗 2024年6月21日
 東エルサエムを含む被占領地パレスチナおよびイスラエルに関する国連調査委員会のナビ・ピレイ委員長は19日、ジュネーブで開かれた国連人権理事会の会合で、イスラエル軍がパレスチナ人の「皆殺し」を実行していると非難しました。
 元国連人権高等弁務官で南アフリカの元裁判官のピレイ氏は「紛争での虐待加害者に責任を取らせなければならない」と主張。ハマスとイスラエル双方が戦争犯罪を行ったと先週発表した報告書の内容を繰り返しながら、国際法のもとで「人道に対する罪」として知られる最も深刻な虐待の責任はイスラエルのみにあると述べました。
 同氏はパレスチナの民間人の犠牲の規模は「皆殺し」に相当すると指摘。
 「ガザでの膨大な数の民間人の犠牲と民間施設やインフラ広範囲の破壊は、最大限の損害を引き起こす意図的な戦略の必然的な結果である」と語りました。
 ガザ保健当局によるとイスラエル軍の攻撃でこれまでにパレスチナ人3万7400人以上が死亡しています。
 ピレイ氏は、ガザでのイスラエルの軍事的手法を非難人口密築地で重火器を使用し、「意図的かつ直接的に民間人を攻撃してい」と述べました。(ロイター)

援助待つ列空爆 商人ら12人死亡
 イスラエル軍は19日、パレスチナ・ガザ地区南部で民間人や商人の集団を空爆し、12人を殺しました。人々はケレム・シャローム検問所を通過した援助物資を運ぶトラックの車列を待っていました。住民がロイター通信に話しました
 イスラエル軍はまた、戦闘機や無人機で支援しながらガザ地区最南部ラファ西方に戦車を進め、パレスチナ人8人を殺しました。
 住民によると、戦車がラファ西方マワシで避難テントを砲撃しました。多くの人が混乱して北方へ逃げました。(ロイター)