2024年6月24日月曜日

ガザ全域で攻撃強化 イスラエル軍「人道地域」砲撃

 イスラエル軍は21日、最南部ラファの制圧を完了させようとガザ全域での軍事攻撃を強化し少なくとも45人のパレスチナ住民が殺害されました。同の戦車部隊によってすでにラファの東部や南部、中央部は制圧され、西部と北部への進入を強めています。
 ラファ西部のマワシ地区イスラエルが住民の避難場所として指定した「人道地域」少なくとも25人が殺害され、50が負傷しました。またイスラエル軍は自治体施設を空爆し、自治体職員4人を含む5人を殺害しました。
 イスラエル軍による検問所の占拠は一応解かれましたが、その後も支援物資を積んだトラックの大半が略奪されていて、イスラエルパレスチナの警察によるトラックの護衛すら認めていないということで、事実上の飢餓作戦が継続されています。
 しんぶん赤旗の3つの記事を紹介します。
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ガザ全域で攻撃強化 イスラエル軍「人道地域」砲撃か
                       しんぶん赤旗 2024年6月23日
 パレスチナ自治区ガザでの大規模軍事侵攻を続けるイスラエル軍は21日、最南部ラファなどガザ全域での軍事攻撃を強化しました。攻撃により少なくとも45人のパレスチナ住民が殺害されました。ロイター通信が、同の発表や住民の証言などから報じました。
 住民らの話によると、イスラエル軍はラファの制圧を完了させようとしています。同の戦車部隊によってすでにラファの東部や南部、中央部は制圧され、西部と北部への進入を強めて
います。
 ガザ保健当局は、ラファ西部のマワシ地区で少なくとも25人が殺害され、50が負傷したと発表。住民は戦車の砲弾が避難民を収容するテントを直撃したと話しています。ある住民は□イター通信に「2台の戦車がマワシを見下ろせる丘に登り、貧しい避難民のテント群に向けて砲撃した」と証言しました
 マワシは、イスラエルが住民の避難場所として指定した「人道地域」です。同は、調査中とした上で「マワシでイスラエルが攻撃した形跡はない」と否定しました。
 住民らによると、イスラエルのラファでの猛攻撃はこの2日間で激しさを増し、爆発音や銃声がほぼ絶え間なく聞こえているといいます。
昨夜はラファ西部での最悪の夜だった。無人機や軍用機、戦車、軍艦がこの地域を爆撃し、占領軍(イスラエル軍)はこの街を完全に支配しようとしている」と、住民のハテムさん (45)は語りました。
 ガザ南部ハンユニスでも21日、イスラエル軍は空爆で3人を殺害。北部のガザ市では同が自治体施設を空爆し、自治体職員4人を含む5人を殺害しました。救助隊ががれきの中から、行方不明者を探しています。北部の難民キャンプも空爆され、少なくとも7人が殺されました。


第二のガザ″懸念 レバノン情勢に国連総長
                       しんぶん赤旗 2024年6月23日
 国運のグテレス多務総長は21日、記者団に対し、イスラエルとレバノンの武装組織ヒズボラの緊張関係が悪化していることに懸念を表明しました。イスラエルによる軍事侵攻が続くパレスチナ自治区ガザに言及し、緊張緩和の必要性を強調しました。
 グテレス氏は「一つの早まった行動、一つの誤算が、国境を越え、想像を超える大惨事の引き金になりうる」と指摘。「レバノンを第二のガザにしてはならない」と訴えました。
 各国に対し、緊張をただちに緩和することは可能であり不可欠だと声を大にして言わなければならないと主張し、「軍事的な解決策は存在しない」と述べました。

ガザの秩序回復はイスラエルに義務
 国連のハク副報道官は21日、定例記者会見で、イスラエルにはパレスチナ自治区ガザの秩序を回復させ人道支援が行き届くようにする義務があると述べました。
 ハク氏は、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘に並行して、ガザでは犯罪の危機が生じ「人道支援が必要な場所に届かなくなっている」と指摘。「占領軍であるイスラエルには、(ガザの)秩序と安全をできる限り回復させ、人道支援が行き届くようにする義務がある」と強調しました。
 グテレス国運事務総長は同日、記者団に「ガザは完全な無法地帯になっている」と語り、支援物資を積んだトラックの大半が略奪されていると指摘。イスラエルがパレスチナの警察によるトラックの護衛すら認めていないことを批判しました。


ルメニア パレスチナ承認
                       しんぶん赤旗 2024年6月23日
 旧ソ構成国アルメニアの外務省は21日、パレスチナを国家承認すると発表しました。5月下旬以降に承認したスペイン、ノルウェー、アイルランド、スロベニアに続きました。アルメニアは旧ソ圈でパレスチナを承認していなかった数少ない国の一つでした。
 アルメニア外務省は声明で、同国がパレスチナ自治区ガザでの即時停戦を求める国連決議を支持し、パレスチナ紛争を巡って2国家解決に賛同してきたことを強調しました。
 パレスチナ自治政府は同日、「アルメニアによる承認は2国家解決を維持することに前向きに貢献する」と歓迎しました。