しんぶん赤旗の5つの記事を紹介します。
・集団殺害加担できない ガザ攻撃米軍「良心的兵役拒否」
イスラエルによるガザ攻撃をバイデン大統領が支援し続けるなか、米軍兵士のなかで「良心的兵役拒否」を申請する動きが出ています。バイデン政権のイスラエル擁護姿勢に当初から懐疑的だったイスラエル・パレスチナ担当のミラー国務副次官補は6月で退任します。
・イスラエル軍 高火力爆弾も ガザ市で42人 ラファで25人殺害
イスラエル軍は22日もガザ北部のガザ市を攻撃し少なくとも42人を殺害し、ラファ西部マワシ地区では25人を殺害しました。救助隊のメディア担当者マハムード・バサル氏は「今回の攻撃は以前のものと異なる。イスラエル軍はより高火力な爆弾を使った」と話しました。
・人道支援建物空爆 8人死亡
イスラエル軍は国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の職業訓練校で、現在避難民の家族に支援を提供している建物を空爆し、8人が死亡しました。UNRWAのジュリエット・トーマ報道官は、「戦争の開始以来、われわれの建物約190棟が攻撃を受けた。これはガザのわれわれの建物の大多数を占める」と指摘。紛争の中でUNRWAの職員193人が殺害されたと付け加えました。
・ヒズボラ、イスラエル打倒準備を完了
ハマスがイスラエルを攻撃した翌日10月8日に戦闘に加わったレバノンのヒズボラは、ガザで恒久的停戦が合意されるまで、現在行われている北部での報復攻撃は継続されるとし、ヒズボラ指導者ハッサン・ナスララは、「新たな紛争が発生した場合、国境を越えてイスラエル北部の一部を占領する計画をヒズボラは持っている。また必要とあらば戦争を拡大する用意もある」と発表しました。2006年の南レバノン侵攻はイスラエル軍の完全敗北に終わっています。
・「ラファの次はヒズボラ対処」 イスラエル首相
イスラエルのネタニヤフ首相は23日、パレスチナ自治区ガザでの軍事作戦に関し「最南部ラファでの激しい戦いは終わろうとしている」と述べた上で、ラファの後は「北に向き合うことになる」と指摘し、ハマスと連携するレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラヘの対処が次の重要課題になるとの認識を示しました。
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集団殺害加担できない ガザ攻撃米軍「良心的兵役拒否」
しんぶん赤旗 2024年6月25日
イスラエルのネタニヤフ政権によるガザ攻撃を米国のバイデン大統領が支援し続けるなか、米軍兵士のなかで「良心的兵役拒否」を申請する動きが出ています。このほど米メディアの取材にこたえ、「ジェノサイド(集団殺害)」に加担できないと語りました。
米NBCテレビは22日、独自取材として、現役空軍兵士の2人がイスラエル軍に武器を供与し続ける米軍の対応を理由に、良心的兵役拒否を申請し、軍役から離れる意思を示したと伝えました。
スペイン南部ロタの米海軍基地に駐留するラリー・ハーバート氏と、米テキサス州のホアン・ベタンクール氏の2氏で、ともに空軍兵士です。
ハーバート氏は、武器供与の仕事に携わっていたとし、ガザの少女ヒンド・ラジャプちゃん(6)が、ガザでイスラエル軍の砲撃で殺害された事件をきっかけに米軍の役割に疑問を持ったと述べました。
ベタンクール氏は、ワシントンのイスラエル大使館前で、別の米空軍兵士がガザヘの攻撃に抗議して焼身自殺を図った事件(2月)が「軍への参加に疑問を持った瞬間であり、パレスチナで起こっている残虐行為に対して声をあげることを後押しした」と述べました。
NBCは、両氏とも、イスラエルによる攻撃の映像について、「ジェノサイド」だと述べたと報道。ベタンクトル氏は、米国内法と国際法違反と考える政権に服務を続けることはできないと説明したと伝えました。
NBCによると、米匡防総省は2氏とは別にすでに―人の兵士が、反戦を理由に良心的兵役拒否の申請が認められたことを明らかにしたとしています。
一方、米メディアは21日、バイデン政権のイスラエル擁護姿勢に当初から懐疑的だったといわれる米国務省の高官の辞任が明らかになったと一斉に伝えました。
6月末に退職するのはイスラエル・パレスチナ担当のミラー国務副次官補だといいます。ワシントン・ポスト紙は、「バイデン政権のイスラエル政府の強い擁護姿勢に懐疑的な国務省の高官」の辞任だとしベネタニヤフ首相と極右の連立政権からの断固たる決別を目指す外交努力の後退だ」と伝えました。
イスラエル軍 高火力爆弾も ガザ市で42人 ラファで25人殺害
しんぶん赤旗 2024年6月24日
【カイロ=秋山豊」イスラエル軍は22日、パレスチナ自治区ガザ北部のガザ市を攻撃し、少なくとも42人を殺害しました。ロイター通信がガザのメディア当局の話として伝えました。
同地区の救助隊から22日に本紙が得た動画には、ガザ市で破壊された建物の残骸の下から生存者が救出される様子が映っていました。動画には、亡くなっているとみられる被害者が掘り出されている様子や布に包まれた遺体も映し出されていました。
救助隊のメディア担当者、マハムード・バサル氏は本紙に「今回の攻撃は以前のものと異なる。イスラエル軍はより高火力な爆弾を使った」と話しました。
イスラエル軍は22日も、戦車で深く侵入しているガザ南端ラファの複数の地域を攻撃しました。ガザの保健当局は前日、ラファ西部マワシ地区で25人が殺されたと発表しました。イスラエルが住民の避難先として「人道地域」に指定した地域です。
南部で避難を繰り返し、マワシにたどり着いたアブイスラアさん(36)は22日、イスラエル軍に自身を含む大勢の人々が撒しい攻撃のなかでマワシからの退去を強いられたと言いました。
彼は「地獄だ」と述べ、イスラエルとイスラム組織ハマスに対して「民間人に目を向けるべきだ」と主張し「両者に戦闘の終結を求める。殺りくも拷問ももうたくさんだ」と語りました。
南部ハンユニスでも21日にイスラエル隼の空爆があり、ロイター通信は医療関係者の話として3人が殺されたと伝えています。
ハンユニスに暮らすアマルさん(40)は「すぐ近くが爆撃され、死傷者が出たがどこにも行き場がない。ラファも危険だし、北部ガザ市の自宅にも戻れない」と嘆きました。
アマルさんは「昨年10月に戦篠が始まってから夫も母も殺された。私たちは泣き叫びながら死から逃れている。ただ一つの願いは戦闘がおわり、廃虐となっていても故郷に戻ることだ」と言いました。
人道支援建物空爆 8人死亡
しんぶん赤旗 2024年6月25日
ガザ北部
パレスチナのガザ北部ガザ市で23日、人道支援物資配布センターをイスラエル軍が空爆し、8人が死亡しました。ロイター通信が目撃者の話として伝えました。
目撃者によると、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の職業訓練校で、現在避難民の家族に支援を提供している建物の一部が爆撃を受けました。
目撃者の1人、モハメド・タフェシュさんは「クーポン券を受け取りに来た人もいたし、家を失ってこの建物に避難していた人もいた。水を受け取りに来た人もいた。突然何かが落ちてくる音がして、私たちは逃げ惑った」と語りました。
ロイターのカメラマンは、建物が完全に破壊され、毛布に包まれた遺体が遺路わきに並べられているのを目撃しました。
UNRWAのジュリエット・トーマ報道官は、「戦争の開始以来、われわれの建物約190棟が攻撃を受けた。これはガザのわれわれの建物の大多数を占める」と指摘。紛争の中でUNRWAの職員193人が殺害されたと付け加えました。
ヒズボラ、イスラエル打倒準備を完了
マスコミに載らない海外記事 2024年6月23日
Moon of Alabama 2024年6月20日
ハマスがイスラエルを攻撃した翌日10月8日、レバノンのヒズボラが戦闘に加わり、イスラエル北部の軍事施設にミサイルを発射した。北部に暮らすイスラエル人入植者8万人が家を追われた。今も彼らはイスラエル周辺のホテルに泊まり前線に平穏が戻るのを待っている。
ガザで恒久的停戦が合意されるまで、ヒズボラとイスラエル軍間で現在行われている北部での報復攻撃は継続されるとヒズボラ指導者ハッサン・ナスララは発表した。
しかし、イスラエル政策を担う過激派はガザでの停戦を望んでいない。ハマスとガザ住民を可能な限り根絶したいと連中は考えている。停戦は連中の願望の邪魔だ。
一方、故郷帰還を望む北部入植者の圧力もある。しかし、ガザで停戦が成立しなければ、イスラエル北部とレバノン南部での低レベル紛争は続くことになる。
イスラエル軍と政府は、ガザでの停戦に向けて取り組む代わりに、南レバノンに侵攻し、リタニ川まで占領することを計画している。
この計画は妄想だ。ヒズボラは南レバノンに暮らすシーア派の共同体に根ざしている。イスラエルは住民が立ち去ると期待しているのだろうか? そんなことは起きるまい。
10万人を超える兵力を持つヒズボラは戦闘に備えて万全の態勢を整えている。南レバノンには、よく整備された戦闘陣地やトンネルが縦横に張り巡らされている。15万発以上のミサイル(多くは長距離ミサイル)が、イスラエルの軍事・経済標的に向けて発射する準備ができている。2006年の南レバノン侵攻はイスラエル軍の完全敗北に終わった。新たな戦闘では結果が変わると考える理由はない。
新たな紛争が発生した場合、国境を越えて、イスラエル北部の一部を占領する計画をヒズボラは持っている。また必要とあらば戦争を拡大する用意もある。
イスラエルがレバノン民兵に対して全面攻撃を仕掛けた場合、「ルールも上限もない」戦争になるとヒズボラ指導者サイード・ハッサン・ナスララは、警告し、イスラエルによる紛争でキプロスが領土使用を認めれば標的になる可能性があると恫喝した。 |
ヒズボラとの戦争開始は、入植者国家としてのイスラエルの終焉を意味しかねない。インフラと軍隊へのミサイル攻撃は、入植者がまだこのシオニスト国家に対して抱いている信頼を弱めることになるだろう。紛争が長引けば、入植者の多くは母国に帰国するだろう。
シオニスト計画の、このような危険にもかかわらず、アメリカ政権はイスラエルのありとあらゆる計画を支持している。
ヒズボラがイスラエルとの停戦を、ガザでのより広範な停戦と結び付け続けていることへの不満が高まる中、イスラエルによるレバノンのヒズボラ攻撃を支援する用意があることをアメリカは示唆した。 |
現在のイスラエル政府の観点からすると、ガザ戦争の継続にはレバノンでの更なる戦争が必要だ。
ガザでの戦闘が一時停止すれば、イスラエル当局はヒズボラを同地域から追い出し、避難民となっている約6万人から9万6000人のイスラエル人が秋の新学期開始前に自宅に戻れるよう、北部国境に全力を注ぐつもりだとホッホシュタインは警告した。 火曜夜、イスラエル軍はレバノン攻撃計画を承認したと発表した。イスラエル軍によると、同日早朝、イスラエルはヒズボラのドローン発射部隊攻撃を開始した。 |
ヒズボラは、イスラエルの港湾都市ハイファ周辺の軍事・経済標的を映した9分のドローン映像を公開した。複数のヒズボラ・ドローンが防空軍に阻止されずにイスラエル上空を飛行できたことは、イスラエル軍にとって大きな面目喪失だ。
抵抗枢軸メンバーであるレバノンのヒズボラやシリアのシーア派集団やイラクの民兵やイエメンのフーシ派は戦闘準備が整っている。抵抗の背後にいる主力イランを攻撃しなくとも、イスラエルとアメリカはこの戦争に負ける可能性が高い。
もちろん勝つ見込みがなければ、連中はいつものように、おそらくイラン、場合によって、可能性としてトルコや他の場所で戦争を激化させるだろう。それからどうなるかは予測不能だ。
そのような避けられる戦争を、一体なぜ連中が始めるのか私には理解できない。
記事原文のurl:https://www.moonofalabama.org/2024/06/hizbullah-ready-to-defeat-israel.html#more
「ラファの次はヒズボラ対処」 イスラエル首相
しんぶん赤旗 2024年6月25日
【カイロ=時事】イスラム組織ハマスと戦闘を続けるイスラエルのネタニヤフ首相は23日、パレスチナ自治区ガザでの軍事作戦に関し「(最南部)ラファでの激しい戦いは終わろうとしている」と述べました。地元テレビのインタビューで語りました。その上で、ラファの後は「北に向き合うことになる」と指摘し、ハマスと連携するレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラヘの対処が次の重要課題になるとの認識を示しました。
ネタニヤフ氏はガザでの掃討戦自体は継続する考えを強調。一方でヒズボラとの交戦激化を踏まえ、「主に防衛の観点から」北部へ優先的に戦力を振り向ける意向を示しました。
ヒズポラに対し、対イスラエル境界地帯からのヒズボラ部隊撤収を求めると表明。レバノンとの本格開戦の可能性について詳細を語らなかったものの「われわれは複数の戦線で戦うことができるし、その用意がある」と明言しました。
現地メディアによると、イスラエル軍は23日、レバノン南部にある複数のヒズポラの軍事関連施設を同日に戦闘機で空爆したと明らかにしました。