2024年6月8日土曜日

米下院 ICC制裁可決 人権団体は反対求める ほか

 しんぶん赤旗の5つの記事を紹介します。

米下院 ICC制裁可決 人権団体は反対求める
 国際刑事裁判所(ICC)に加盟していない米国の下院4日、ICCがイスラエルのネタニヤフなどの逮捕状を請求したことへの報復として、関与したICC職員に米国への入国を認めずビザを取り消すなどの制裁を科す法案を賛成247、反対155可決しました。呆れ返る話です。
 バイデン政権は逮捕状請求に反発してきましたが、さすがにこの制裁法案には「強く反対」との立場を示しました。
「ハマス壊滅へ戦闘継続」 イスラエル首相が強硬発言
 ネタニヤフは3日、国会の外交・国防委員会で、ハマスとの戦争をやめるつもりはないとあくまでハマス壊滅を目指す考えを述べ、人質の帰還とハマス壊滅の「両方」を達成すると改めて明言しました。これではハマスとの停戦合意は無理です。ネタニヤフは身の破滅を招く完全な停戦は何としても回避したいようです。
ガザ停戦に向け 「ハマスが障害」 米大統領
 バイデンは3日、自分が31日に公表した停戦案を巡り、仲介国力タールのタミム首長と電話会談ハマスが停戦に向けた「唯一の障になっている」と述べ、交渉妥結を妨げているのはハマス側だとの認識を示しま。世界の常識に反する見解で、これでは停戦は実現しません。
停戦案受け入れ ハマスに求める G7首脳声明
 主要7カ国(G7)首脳は3日付の声明で、バイデンが明らかにしたガザでの新停戦案を「完全に支持する」実行に移されれば「危機の恒久的な終結」につながると評価しました。これでは停戦は実現しません。
ヨルダン川西岸 500人超殺害 国連人権高等弁務官 暴力停止訴え
 ガザは地中海に面していますが、その東方の飛び地:ヨルダン川西岸にもう一つのパレスチナ人の居住地があります。「ガザでの大悲劇」の陰に隠されていますが、そこでもイスラエル兵士や入植者による殺戮が従来通り行われていて、10月7日以降500殺害されました。
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米下院 ICC制裁可決 人権団体は反対求める
                         しんぶん赤旗 2024年6月6日
 連邦議会下院は4日、国際刑事裁判所(ICC)がイスラエルのネタニヤフ首相などの逮捕状を請求したことへの報復として、ICCに制裁を科す法案を可決しました
 法案は、賛成247、反対155で可決し、民主党議員42人が賛成にまわりました。共和党のチップ・口イ下院議員が提出したもので、下院で多数派を握る同党は、ICCが逮捕状を請求して以降、民主党も巻き込んだ超党派の法案可決を目指していました。
 法案は、米国とその同盟国で保護されている人を捜査したり逮捕したりする試みに関与したICC職員に制裁を科すとしています。また、そのような職員の米国への入国を認めないとし、ビザの取りしなどを盛り込みました。
 民主党のデリア・ラミレス下院議員は採決に先立ち、本会議で、「私たちにはICCが必要だ」と強調。パレスチナ自治区ガザで戦争犯罪が行われているとし、「ネタニヤフ首相の国際法違反は世界の平和を脅かしてきた」と訴えました。
 人権擁護団体の全米市民自由連合(ACLU)は同日、下院議員に書簡送付。「法案は言論の自由の保護と法の支配をする」と主張し、反対票を投じるよう求めていました。
 米国はICCに加盟しておらず、バイデン政権逮捕状請求に反発してきました。一方、今回の共和党主導の制裁法案には「強く反対」との立場を示していました。与党民主党が優位な上院には提出されない見込みです。


「ハマス壊滅へ戦闘継続」 イスラエル首相が強硬発言
                         しんぶん赤旗 2024年6月5日
【カイロ=時事】イスラエルのネタニヤフ首相は3日、パレスチナ自治区ガザで続くハマスとの戦闘を巡り「戦争をやめるつもりはない」と述べ、あくまでハマス壊滅を目指す考えを表明しました。イスラエルのメディアが報じました。同国が停戦に向けた新提案をハマスに示したとされる中、政府内では、強硬な発言は合意の障害になると懸念する声も上がっています。
 バイデン米大統領が「イスラエル案」として説明した新提案は3段階で構成され、第1段階で6週間戦闘を停止し、交渉を経て「恒久的な敵対行為の停止」を実現する第2段階へ移行、第3段階でガザ復興に着手します。ハマスは各段階で人質を解放します。
 イスラエル首相府によると、ネタニヤフ氏は国会の外交・国防委員会で、人質の帰還とハマス壊滅の「両方」を達成すると改めて明言しました。同氏は、第1段階は受け入れ可能ですが、停戦については米国と認識の違いがあると指摘したと報じられています。
 生き残りを図るハマスは「恒久的停戦」にこだわってきました。イスラエル高官は米ネットメディア「アクシオス」に、ネタニヤフ氏の発言によりハマスが態度を硬化させ「合意をより困難にする」と懸念を示しました。


ガザ停戦に向け 「ハマスが障害」 米大統領
                         しんぶん赤旗 2024年6月5日
【カイロ=時事】バイデン米大統領は3日、ガザでの危機打開に向け自身が5月31日に公表した停戦案を巡り、仲介国力タールのタミム首長と電話会談を行いました。バイデン氏は首長に対し、ハマスが同案を受け入れるよう「あらゆる適切な手段を取る」ことを要請。その上で、ハマスが停戦に向けた「唯一の障になっている」と述べ、交渉妥結を妨げているのはハマス側だとの認識を示しま
 ホワイトハウスが発表しました。ハマスは当初、新停職業に前向きな姿勢を示していましたが、バイデン氏の発言に反発する可能性もあります。
 AFP逓信によると、仲介国力タールとエジプトのほか、サウジアラビアなど中東諸国の外相は3日、共同声明を発表。ガザでの「恒久的停戦」につながり得る米大統領が示した案に 「真剣に向き合うことが重要だ」と強調し、イスラエルとハマスの双方に歩み寄りを求めました。


停戦案受け入れ ハマスに求める G7首脳声明
                         しんぶん赤旗 2024年6月5日
【パリ=時事」主要7カ国(G7)首脳は3日付の声明で、バイデン米大統領が明らかにしたガザでの新停戦案を「完全に支持する」と表明しました。実行に移されれば「危機の恒久的な終結」につながると評価し、ハマスに受け入れを求めました。
 声明は「イスラエルの安全保障上の利益とガザ市民の安全が約束される」と主張。ハマスに対し影響力を持つ各国にも、停戦実現に向けハマスに働き掛けるよう促しました。


ヨルダン川西岸 500人超殺害 国連人権高等弁務官 暴力停止訴え
                         しんぶん赤旗 2024年6月6日
 国連のターク人権高等弁務官は4日、イスラエルが占領を続けているヨルダン川西岸で、昨年10月7日以降、500超のパレスチナ人がイスラエル兵士や入植者に殺害されたとし、暴力の停止を改めて訴えました。イスラエル軍は「殺傷力の高い武器を不必要に、不釣り合いに使用している」と述べました。
 ターク氏は、昨年10月以来のガザ地区での悲劇の西岸の人々は毎日かつてい流血にさらされている」と指摘。国運人権高等弁務官事務所の調査では、パレスチナ人は505人殺害されています。イスラエル軍は、パレスチナ側からの攻撃がないにもかかわらず、少なくとも29回も軍事作輸を実施。難民キャンプや人口密築地に地対地ミサイルを撃ち込み、35の子どもを含む164人が死亡しました。
 最近の事例では、工コの難民キャンプ近くにある入植地の外で、2人のパレスチナ人少年が軍駐屯地に向けて投石して逃げたところ、70の至近距離から銃撃され殺害されました。
 イスラエル兵は、投石などで抗議するパレスチナ人に対し、事態を鎮静化させるために段階的に武器を使用するのではなく、最初から殺傷力の強いものを使用。上半身に銃撃を受けて死亡するケースが多いとしています。
 ターク氏は、約80件の詳細調査からは「イスラエル軍は、殺傷力の高い武器を不必要に、不釣り合いに使用し、武器使用において一貫して国際人権法に違反している」とし、「明らかな計画標的殺害が増加している」と述べました。
 ターク氏は、「殺害、破壊、人権侵害のまん延は容認できない」と述べ、イスラエル兵士の犯罪を不問にしてきたことが不法殺害を可能にしていると指摘。「あらゆる疑惑に対して、
イスラエルは全面・独立の調査を行い、間違いを犯した人の責任を問うべきだ」と要求しました。