2024年6月22日土曜日

政権交代に現実味 自民に衝撃 世論調査に大きな期待(日刊ゲンダイ)

 内閣支持率はNHK:21%(6月10日)、時事通信:16・4%(6月15日)に続いて朝日新聞19%17日)でした。国民の怒り自民の裏金事件に向いているのは明らかです。

 自公は政治資金規正法の改定を強行しましたが、その改定案が再発防止に「効果がある」と答えたのは20%で、「効果はない」は77%でした(朝日新聞)
 インフレ=物価高が重く国民の肩にのしかかっているなか、このところの選挙では自民は連戦連敗で、いまや現職の国会議員からも岸田首相の「退陣要求」が飛び出しています。しかし自民の体たらくを見ているとトップが代わったところでどうなるものでもありません。
 それでも、岸田首相は「次も俺しかいないだろう」と、秋の総裁再選を楽観視しているそうですから恐るべき鈍感力す。そうしたことも国民に知られてきたのでしょう。いまや海外を飛び回って「外交ショウ」を演じようが、尤もらしい「方針」を口にしようが、一貫して支持率は回復しません。よくよく国民が「NG」を出しているからでしょう。
 日刊ゲンダイが「政権交代に現実味  」とする記事を出しました。
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政権交代に現実味 自民に衝撃 世論調査に大きな期待
                          日刊ゲンダイ 2024/6/18
                       (記事集約サイト「阿修羅」より転載)
 衝撃的な数字だった。
 朝日新聞15~16日に行った世論調査で、自民党の支持率が前回5月調査から5ポイントも下落し、19%となった。コンピューターで無作為に数字を組み合わせて番号を作り、電話をかけて調査するRDD方式を開始した2001年4月以降、政権政党としての自民の支持率が10%台に落ち込んだのは初めてのことだ。09年の麻生政権末期の20%をも下回る体たらくである。
 国民の怒りは、当然、自民の裏金事件に向いている。事件を受けた政治資金規正法改正案を巡っては、立憲民主党などの野党が裏金同然の政策活動費や企業・団体献金などの廃止を求めたのに、自民はガン無視。ユルユルの自民案に公明、維新の案を一部採用し、今国会での成立に突き進んでいる。欺瞞に満ちた規正法改正で逃げ切ろうという魂胆だ。
 国民はそうした自民のヤル気のなさを見透かしている。朝日新聞の調査では、裏金事件を巡る岸田首相の対応について、「評価する」はたったの10%。「評価しない」が83%と圧倒している。自民の改正案に関して、再発防止に「効果がある」と答えたのは20%で、「効果はない」は77%。やはり、大幅に上回っている。
 極め付きは、「自民党は、『政治とカネ』の問題を繰り返してきた体質を変えられると思いますか」に対する回答だ。「変えられる」がわずか12%だったのに対し、「変えられない」は84%にも上った。大多数の国民が、自民には裏金体質を変えられないと見限っているということだ。

上から下まで自己保身
 こうした国民の怒りを、自民の末端レベルはひしひしと感じているようだ。トップの岸田の顔を代えないと、自分たちの命運は尽きると必死になっているのだ。ここへきて、毎週のように党内から岸田への「退陣要求」が公然と飛び出している。
 岸田の政敵である菅前首相の“お膝元”の神奈川・横浜市連のトップからは「総裁自ら身を引く苦渋の決断をすべき」とクビを求められていた。自民幹部が全国を回って地方組織の声を聞く「車座対話」では、秋田県連から「自らが責任を取るのがトップのあるべき姿だ」などと批判が噴出し、長野県連からも「党執行部の顔ぶれを一新してほしい」といった声が上がった。
 さらに、現職の国会議員からも退陣要求が出てきた。麻生派所属の斎藤洋明衆院議員(新潟3区)が地元選挙区内での政治資金パーティーで「責任は最終的に誰かが取らなければならない」「リーダーの責任も大いに議論されるべきだ」と、岸田退陣論をブチ上げたのだ。
 一方、麻生副総裁は、子分の斎藤のパーティーに駆け付けるや、規正法改正について「将来に禍根を残すような改革だけはやってはいけない」と苦言を呈する始末。岸田が公明の要求に応える形でパーティー券の公開基準を、当初の「10万円超」から「5万円超」に引き下げたことに文句を垂れてみせた。“まだ裏金をつくりたい”と言わんばかりの態度。いい気なものだ。
 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)がこう言う。
「有権者との距離が近い地方議員は連日のように批判されているわけですから、彼らからしたら早く岸田首相に代わってもらわなければたまらない。このままだと、次の選挙で自分たちのクビが危うくなるから声を上げざるを得ないわけです。他方で、麻生氏の発言には別の意図を感じます。党内には、パー券収入の公開基準の5万円超への引き下げに反対する議員も多い。麻生氏はそうした議員らに配慮して発言しているように見えます。岸田首相の退陣後も自らの求心力を維持する意図があるのではないか。いずれにせよ、地方議員らも麻生氏も、自分の身を守るためにどう動くべきか、思考を巡らせているということでしょう」
 本来なら、地方や若手から「体質を根本から変えないとダメだ」といった声が続出してしかるべきだろう。
 ところが、上がってくるのは「トップの顔を代えろ」「裏金をつくらせろ」ばかりである。上から下まで打算と自己保身。これが金権腐敗政党の本質だ。

外交、人事で「目くらまし」は失敗必至
 もはや、国民愚弄政権には交代してもらうしかないのではないか。
 ANN(テレビ朝日系列)が15~16日に実施した世論調査では、次期衆院選の結果として「政権交代を期待する」が49%で、「自公政権の継続を期待する」の34%を上回った。前回5月調査でも「政権交代を期待する」が10ポイント超の差をつけていた。政権寄りといわれるFNN(フジテレビ系列)の世論調査(15~16日)でも「政権交代を期待する」と「自民中心の政権継続を期待する」が拮抗している。
 こうした政権交代を望む声は、3月から拡大し続けている。JNN(TBS系列)の同月の世論調査では「政権交代をのぞむ」が42%に上り、「自公政権の継続をのぞむ」の32%を上回っていた。このトレンドは既に3カ月も続いているということだ。内閣支持率だけ見ても、この間、複数メディアの世論調査で政権発足後最低を更新しまくっている。岸田政権はすっかり国民の支持を失い、交代を求められている状態だ。
 それでも、岸田は「次も俺しかいないだろう」と、秋の総裁再選を楽観視しているのだそうだから、恐るべき鈍感力である。
「国会閉会後、7月には米ワシントンで開かれるNATO首脳会議や、東京で開催される『太平洋・島サミット』など、外交日程が目白押しです。さらには、7月末にも内閣改造・党役員人事に着手する案まで浮上している。『外交の岸田』アピールと人事で刷新感を出せば、政権浮揚は十分可能と踏んでいるようだ」(官邸事情通)

国民目線から著しく乖離
 しかし、そんな目くらましに国民は騙されないだろう。
 既に、足元で続々と岸田政権には「NO」が突きつけられている状況だ。
 4月の衆院3補欠選挙で全敗したのに続き、5月は静岡県知事選に東京都議補選(目黒区選挙区)、岸田の地元選挙区に含まれる広島県府中町の町長選でも自民は敗北した。今月に入っても2日の東京・港区長選、9日の栃木・鹿沼市長選で自民の推薦候補が負けた。
 今後は、天王山に位置づけられる都知事選や都内8選挙区で行われる都議補欠選挙をはじめ、多くの地方選挙が予定されている。またぞろ鉄槌を下される可能性が高い。
 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。
外交と人事で国民にアピールしようという発想はナンセンス過ぎます。国民が円安物価高で日々の生活に苦しむ中、海外に出張っていき、首脳と共に高級料理に舌鼓を打つ。これが国民の目にどう映るかは明白です。外遊ではチヤホヤと歓待を受け、成功した雰囲気を打ち出しやすいのでしょうが、安易すぎます。また、人事にしても、結局“身内の論理”に終わるに違いありません。いずれにせよ、国民目線からの乖離が著しく、これで政権浮揚できるなどと考えているのなら甘すぎます。今後も、多くの地方選で厳しい民意を突きつけられることになるでしょう。その流れが政権交代につながっていくことも考えられます」
 下野して雲散霧消が自民の運命。まさに、政権交代前夜の様相である。