2024年6月1日土曜日

電通の懸命な都知事選情報工作/4年前と様変わり都知事選情勢(植草一秀氏)

 蓮舫氏が今度の都知事選に立候補する意思を表明したことでようやく都政の前途に光明が灯りました。しかし小池現知事を担ぐ「既得権勢力」が簡単に引き下がる筈がありません。自民党の選挙事情に精通しそれに向けた広報活動を長年展開している「電通」が既に小池氏の3選に向けて動き出しているということです。

 植草一秀氏の直近2つのブログを紹介します。
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電通の懸命な都知事選情報工作 
                植草一秀の「知られざる真実」 2024年5月30日
7月7日、2024年前半の政治決戦総集編がクライマックスを迎える。小池百合子女帝城がついに陥落か。小池利権に群がるシロアリ、ハイエナ、ゴキブリが揃って動き出した。
立憲民主の蓮舫氏の出馬表明で情勢が一変している。

巨大な小池利権。築地跡地、外苑、葛西臨海公園、そして都庁舎のプロジェクションマッピング。東京都が2月25日からスタートさせている“TOKYO Night & Light”
ライトアップデザインに2023年と2024年合計で48億5500万円の税金が投じられている。こんな税金の無駄遣いを誰が望んでいるのか。
50億円近い血税は電通グループに流れる。東京五輪の際に東京都は代々木公園にライブサイトを建造してパブリックビューイングを実施しようとした。
このライブサイト事業の運営権を手中に収めたのも電通。費用は76億円だった。
コロナでパブリックビューイングは中止されたが、代々木公園では多くの樹木が意味もなく伐採された。

電通は五輪汚職で入札対象から外された。都庁舎のプロジェクションマッピング事業は電通子会社が落札。
親会社の電通が地上波放送を仕切っており、蓮舫出馬表明から地上波は一斉に蓮舫攻撃を激化させている

築地に食のテーマパークを創設するとの構想が示されたが、新たに計画されている築地再開発はその公約とは無縁の代物。高層住宅、ドーム野球場などが取り沙汰されているが、IRも念頭に置かれているとの情報がある。
神宮外苑で大量に樹木を伐採して再開発する計画が存在するが、事業実施の中核企業は三井不動産。この三井不動産が築地再開発でも中核を担う構想が進展している。
かけがえのない緑、貴重な樹木が欲得のために伐採されてゆく。欲得のためにかけがえのない自然資産を破壊することのどこに時代との調和があるのか。

欲得にまみれた自民党政治に対する批判が一気に噴出している。
「政治とカネ」の巨大組織犯罪が明るみに出て、抜本法改正が求められているが、自民党は欲得を手放そうとしない。このことに対する主権者の怒りが爆発し始めている。
この欲得政治と直結するのが小池百合子氏の欲得政治だ。
外苑、築地、葛西臨海公園の巨大利権プロジェクトを推進するためには都知事3選を果たさなければならない。しかし、その思惑にはっきりと黄信号が灯った。

主要メディアが一斉に小池擁護、蓮舫攻撃の情報流布を始めた背景を正確に理解することが必要不可欠。
巨大利権の果実をもぎ取るには小池氏の続投が必要不可欠。
都政のトップが革新勢力に交代すれば、すべての悪事が露見する。この事態を恐れている。

小池氏の劣勢を発生させている二大要因がある。
第一は小池氏自身の問題。学歴詐称疑惑が一段と深まっている。「学歴の問題」ではない。
「学歴詐称の問題」である。「公然とウソをつく人物」であるかが問われている。
大卒だろうと高卒だろうと中卒だろうと関係はない。公報に虚偽を掲載してきた疑惑が問題視されている。学歴詐称が事実であれば、他のすべてに疑惑が向かう。
「築地は守る、豊洲は生かす」を公言した小池氏。築地を「食のテーマパーク機能を持つ一大拠点に再開発する」と述べたが、現在浮上している築地再開発計画はこれとまったく異なるもの

「政治とカネ」で腐敗し切っている国政に対する怒りは、そのまま都政にも向かう。
「欲得まみれ」、「利権まみれ」の都政を浄化しようとする東京都民の声は日増しに強まる。
癒着する電通が懸命の情報工作を展開しても、この流れをせき止めることはできないだろう。

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4年前と様変わり都知事選情勢
                植草一秀の「知られざる真実」 2024年5月29日
東京都知事選は6月20日に告示され、7月7日に投開票日を迎える。
2024年政治決戦の前半戦最大のヤマ場になる。
現職の小池百合子氏が3選出馬の決意を固めたと報じられている。
これに対して、立憲民主党の蓮舫氏が出馬の意向を表明した。
小池陣営にとっては一大事である。
小池氏を支援する陣営が懸命に「小池氏有利」の情報を流すが信じる者はいない。

5月26日に投開票日を迎えた静岡県知事選では立憲・国民推薦の鈴木康友氏が大差で勝利した。
自民党推薦の大村慎一氏を何とか当選させたいと考えていたと見られるフジサンケイ系列の報道機関が、選挙戦終盤で大村氏が鈴木氏を猛追しているとの情報を流布したが、これもガセネタであったと判断される。投票日に大村氏に投票する有権者を増やすための質の悪い情報操作であったと推察される。鈴木氏の優位はまったく揺らいでいなかった。

東京都知事選での小池百合子氏3戦には猛烈な逆風が吹き荒れている。
4月21日の目黒区長選。小池氏が熱烈に支援した候補者が大惨敗。
このときから、すでに小池氏支持の空気は消えている。
4月28日の東京15区衆院補欠選挙。小池氏が擁立した乙武洋匡氏が大惨敗した。
この選挙に小池氏は全力投球したが大惨敗だった。

最大の背景は学歴詐称疑惑。小池氏はカイロ大学卒業と選挙広報に明記。
これまで、カイロ大学を首席で卒業したと吹聴してきた。
しかし、小池百合子氏がカイロ大学を卒業していないとの疑惑が浮上。
さまざまな証拠から、小池氏はカイロ大学を卒業していないと判断することが妥当との状況が生じている。
前回の都知事選で小池氏が再選出馬を表明する直前、弁護士の郷原信郎氏と作家の黒木亮氏が外国特派員協会で記者会見を開いた。2020年6月9日の午後4時である。
両氏の記者会見は小池氏の学歴詐称疑惑を追及するものだった。

この動きを察知した小池百合子氏は6月6日の夕刻に側近の小島敏郎氏を呼び出した。
学歴詐称疑惑への対応についての知恵を拝借したいと述べたという。小島氏はカイロ大学から声明を発してもらうのがいいのではないかとのアドバイスをした。
その後、小島氏は、この事案についての追加的な依頼があったものの返答を保留した。
そのなかで、6月9日午後2時に駐日エジプト大使館フェイスブックに小池氏がカイロ大学を卒業したとするカイロ大学声明が掲載された。この「工作」は小池氏が、郷原氏と黒木氏による記者会見の効果を打ち消すために創作したものだと見られている。

実際にエジプト大使館フェイスブックの影響は大きく、6月9日に開かれた郷原氏と黒木氏の記者会見のインパクトは大きなものにならなかった。
エジプト大使館フェイスブックにカイロ大学声明が掲載されたことは事実だが、これで疑惑が解消されたわけではない。
カイロ大学は小池氏がカイロ大学を卒業したとの声明を出したが、現実の事実として、小池氏がカイロ大学を卒業していないとの疑惑はまったく解消されていない。
現実を確実に知る関係者の極めて有力な証言等が存在するからだ。

小池氏が都知事選に出馬する場合、選挙広報に「カイロ大学卒業」と記載すれば、「虚偽記載」の疑いで刑事告発がなされる可能性も指摘されているそれでも、この刑事告発によってカイロ大学卒業が裁判所の判断で否定されるかどうかは不透明。
カイロ大学自体が卒業を認める声明を出していることが事実なら、裁判所がカイロ大学卒業を裁判所判断として否定することができるのかどうか。判定し難い部分がある。

カイロ大学が小池氏の卒業を認める声明を出した背景に、カイロ大学とエジプト政府の関係、そして、日本とエジプト政府との関係があると考えられる。日本政府が巨額の資金をエジプト政府に提供してきた事実を踏まえれば、エジプト政府やカイロ大学が事実を捻じ曲げる「政治判断」を下す余地は十分にあると考えられるからだ。
重要なのは日本の主権者が小池氏に対する評価をどう変化させているかだ。
4月21日目黒区長選、4月28日東京15区衆院補選結果は、日本の有権者が小池百合子氏に対する見方を激変させていることを示唆する。
かなり多くの主権者が小池百合子氏の欺瞞を洞察しているのだと思われる。
この意味で小池百合子氏の東京都知事3選の道は極めて厳しいものだと考えられる。

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