2024年6月15日土曜日

新生存権裁判 勝訴 生活保護費引き下げは違法 東京地裁

 国が1315年にかけて生活保護費を引き下げたのは違憲・違法だとして、東京都内の生活保護利用者48人が国などを相手に、引き下げ処分の取り消しを求めた訴訟の判決が13日、東京地裁であり篠田賢治裁判長は、保護費の引き下げを違法だと判断し、処分を取り消しました。
 国は、0811年にかけての物価下落したとして生活扶助費を最大で10(総額670億円)もの「デフレ調整」(削減)を行いました。厚生労働省独自の物価指数を採用し、物価が4・78%も下落したとしましたが、それはテレビやパソコンなどの電化製品の値下がりが大きかった時期を設定し、意図的に下落率を大きくしたもので、判決は、「テレビ等5品目」の価格低下を過大に評価した結果で判決は「本件下落率の大半の部分が過大に算定された疑義がある」と指摘し、保護費を引き下げた厚労相の判断は「裁量権の逸脱や乱用があると言わざるを得ない」と判断しました。
 篠田裁判長は判決言い渡し後に、訴訟を通じて感じた意見を表明。未来に向かって「上向きの方向に社会が進まなければいけない」と述べました。
 原告代理人の宇都宮健児弁護士は、今後の同種訴訟に影響を与える可能性があると、今回の判決の意義を指摘しました。
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新生存権裁判 勝訴 生活保護費引き下げは違法 東京地裁
                        しんぶん赤旗 2024年6月14日



東京地裁前で支援者を前に、「勝訴」の旗を掲げて喜ぶ原告=13日、東京都千代田区



 国が2013~15年にかけて段階的に生活保護費を引き下げたのは違憲・違法だとして、東京都内の生活保護利用者48人が国などを相手に、引き下げ処分の取り消しを求めた訴訟の判決が13日、東京地裁でありました。篠田賢治裁判長は、保護費の引き下げを違法だと判断し、処分を取り消しました
 国は、生活保護費の引き下げを巡り、08~11年にかけての物価下落を理由として「デフレ調整」などを行いました。保護費の中で、食費などに充てる生活扶助費を最大で10%も削減。総額は670億円にも上りました。
 「デフレ調整」では、厚生労働省が独自の物価指数を採用し、物価が4・78%も下落したとしました。テレビやパソコンなどの電化製品の値下がりが大きかった時期を設定し、下落率を大きくしました。
 判決は、「テレビ等5品目」が過大に評価された結果、「本件下落率の大半の部分が過大に算定された疑義がある」と指摘。「許容し得る誤差の範囲を超えたと言わざるを得ない」と述べました。その上で、保護費を引き下げた厚労相の判断は「裁量権の逸脱や乱用があると言わざるを得ない」として違法と判断しました。
 篠田裁判長は判決言い渡し後に、訴訟を通じて感じた意見を表明。未来に向かって「上向きの方向に社会が進まなければいけない」と述べました
 原告代理人の宇都宮健児弁護士は、今後の同種訴訟に影響を与える可能性があると、今回の判決の意義を指摘しました。


〝保護費減は違法″再び 原告、支援者と歓喜新生存権裁判 行政の役割裁判長言及
                        しんぶん赤旗 2024年6月14日
 国が生酒保護費を引き下げたことは違法だと再ぴ司法の場で判断されました。13日、東
京地裁(篠田賢治裁判長)の判決が出ると、同地裁前で原告が「勝訴」の旗を掲げ、支援
者とともに喜び合いました。

東京地裁
 同地裁に集まったのは、康告や支援者ら00人を超える人だち。傍聴席は満席になり、一部の支援者らは地裁前で判決の行方を見守りました。判決後、原が地裁から出てくると、支援者は拍手で出迎えました。原告、「勝訴」と書かれた旗を掲げながらガッツポーズ。支援者らと喜びを分かち合いました。
 判決言い渡しでは、篠田裁判長が判決内容とは別に、訴訟を通じて「感じた」意見を述べる場面がありました。その中で、社会が未来に向かって「下向きのベクトル(方向)ではなく、上向きのベクトル」に進む必要があると指摘。そのために、行政が担う役割があると述べました。また、そうした社会にするため「皆さんが一体となって取り組んでほしい」と語りました。直後、法廷は大きな拍手に包まれました。
 取材に対し、原告副団長の木村太さん(42)は、裁判長の意見を評価しているとし、「心にしみた。人情ある裁判長でした」と語りました。国に対して、「控訴しないで一日も早く政治決着を図ってほしい」と求めました。
 同種訴訟は、29都道府県で提訴されています。弁護団によると、今回の訴訟を含めて、地裁段階では原告が17勝11敗と勝ち越しています。
 同日、原告弁護団は都内で会見を開きました。宇都宮健児弁護士は、東京地裁での判決が今後の同種訴訟に「大きな影響を与える」と意義を述べまし。さらに、「行政訴訟では原告が勝訴することが難しく、これほど勝つことは異例だ」と述べました。「(国は)今後の対応が問われてくる。(保護費を)元に戻すという判断が求められている」と指摘しました。
                                 (小酒井自由)