オミクロン変異株「KP.3」による今年のコロナ感染者は今月15~21日に6万7334人と前週から以上も増加しました。感染者は9月に向けて大拡大する恐れがあります。
政府は昨年コロナを第5類に移行させることを決め、治療上の公費負担を3月末で終了させました。罹ってもインフルエンザ並みの症状(でしかも後遺症がない)の場合には5類移行による被害は殆どありませんが、そうでないケースでは大変な薬代が掛かるようで、生活に余裕がない人々は高価なクスリの処方を断るしかないということです。
岸田政権が迅速に第5類に移行させた理由は一にも二にも公費負担の軽減(と倍増軍事費の捻出)にあります。「トータルではその方が安く済む」は、ある程度生活に余裕があればの話しです。
政府は、余裕のない人たちには感染する度に「命懸けの選択」を迫ることになるこの事態をどう考えているのでしょうか。
少なくとも「重症化リスクの高い人を対象にした補助制度」を早急に作るべきです。
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コロナ治療薬は公的支援なし、高額だと3万円…それでも飲むべき理由 感染症の専門家が指摘
日刊ゲンダイ 2024/07/31
高額な値段に躊躇してしまう。
流行拡大中の新型コロナ。厚労省の最新(26日)の発表によると、全国約5000の定点医療機関から報告されたコロナ感染者数は、今月15~21日に6万7334人。前週の5万5072人から1万人以上も増加している。
人流が増えるお盆に向けてさらなる感染拡大が懸念されているが、今年4月から新型コロナ治療費の公費支援がなくなった。自己負担分が増えたことで、治療薬は5日分処方の場合、高齢者など1割負担だと5200~9900円、3割負担だと1万5500~2万9700円の支払いが必要になった。薬の種類や、人によって3万円と高額なため、医療現場では薬を諦める患者が多いという。
処方は医師の判断だが、結局のところ薬を購入するかは患者次第。以前に感染した際、解熱剤だけで回復したケースも少なくないため、懐事情を考え、悩むところだが、昭和大医学部名誉教授の二木芳人氏(臨床感染症学)は薬の使用をこう言って勧める。
■トータルでは安く済む
「薬で重症化のリスクを防ぐことができます。症状が悪化し、入院や通院が必要になった場合の治療費を考えれば、かえってトータルで安く済むこともある。高齢者や持病のある方は特に推奨されます。また、早期に治療薬を飲んだ人は倦怠感などのコロナによる後遺症が出にくいというデータがあり、こうした予防効果も期待できます。軽症から中等症を対象に処方される『ゾコーバ』は、重症化や後遺症を予防する効果を立証するデータは現時点でありませんが、一日でも早く回復したい人にとってつらい症状を和らげてくれます。いずれにせよ命に関わることなので、高いお金を払ってでも薬を飲む価値は十分にあると思います」
さまざまなリスクを考えれば、薬は買うべきだ。とはいえ、一番高価な「パキロビッドパック」は1割負担でも1万円弱になる。年金生活の高齢者や生活困窮者には厳しい金額だ。
「重症化リスクの高い方を対象にした補助制度があってもよいのでは。薬が幅広く使用されれば、医療現場の逼迫などの混乱を事前に防止できます。政府には臨機応変さを求めたいです」(二木芳人氏)
せっかく薬があるのに、使われなければ本末転倒だ。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。