ケイトリン・ジョンストンが掲題の記事を出しました。
8日、数か月ぶりでウクライナにロシアによる激しい爆撃が行われ、キーウの小児病院がミサイル攻撃を受け約40人が死亡しました。
ウクライナはロシアの攻撃で病院が被弾したものと発表しましたが、ロシアはウクライナの防空ミサイルが着弾したものだと述べています。
以前にも別の小児病院が砲撃されたことがありロシアの仕業とされましたが、それはウクライナの自作自演だったという推定が成り立ちました。
またウクライナの駅だったかが砲撃された際にもロシアの仕業だとされましたが、櫻井ジャーナルは着弾の向きから言ってウクライナ軍が砲撃したとする記事を出しています。
典型的なのはロシア軍が撤退した後、キーウ近郊のブチャの道路脇に多数の民間人の死体が置かれていた事件で、それはロシア軍による虐殺の証拠とされました。しかしロシア軍が撤退した直後の航空写真にはそんな死体は写っていなかったので、それはウクライナ軍が進駐後に置いたものでロシア軍への協力者を処刑したものとされました。
一方、ガザではイスラエルは病院が壊滅するほどの徹底的な爆撃や砲撃を加えています。しかし西側諸国は決してそれを非難しないのに、ウクライナの病院が砲撃される事件が起きると一斉にロシアを非難するというのは明らかなダブルスタンダードです。
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ああ、再び、病院爆撃は悪いということになったようだ。
マスコミに載らない海外記事 2024年7月13日
病院を攻撃することを、欧米帝国運営者連中は、実際「忌まわしい」とか「恐ろしい」と思っていない。少なくとも、欧米帝国が好意を寄せていないパレスチナ人や他の人々に医療サービスを提供する病院を攻撃するのは、そうではないのだ。
ケイトリン・ジョンストン 2024年7月9日
月曜日、数ヶ月ぶりで、ウクライナにロシアによる激しい爆撃が行われ、キーウの小児病院がミサイル攻撃を受けた。爆撃は5地域に及び、報道によれば約40人が死亡した。
この小児病院はロシアの攻撃を受けたとキーウと欧米同盟諸国は言っているが、ロシア攻撃中に病院はウクライナ防空ミサイルに撃たれたとモスクワは言っている。本記事を書いている時点で明らかなのは、病院がロシア・ミサイル攻撃の直接的か間接的な結果として爆撃されたことと、このニュースに対して、欧米諸国指導者連中が、ガザ地区中の病院に対するイスラエルの計画的攻撃に対するのとは全く違う反応を示している点だけだ。
「ロシアのミサイル攻撃により、ウクライナ民間人数十名が死亡し、キーウ最大の小児病院で損害と死傷者が出た。これはロシアの残虐性を恐ろしく想起させる」と、アメリカ大統領のツイッター運営担当者がツイートし「この重要な瞬間に、世界がウクライナ側に立ち続け、ロシア侵略を無視しないことが重要だ」と付け加えた。
「無辜の子どもに対する攻撃。最も卑劣な行為。ロシア侵略に対し我々はウクライナを支持する。我々の支援は揺るがない」とイギリス新首相キール・スターマーがツイートした。
「これはひどいことだ。小児病院とそこにいる罪のない子どもの攻撃は正当化できない」とカナダのジャスティン・トルドー首相がツイートし「悲しむ家族に心から同情する。ウクライナに対するカナダの積極的関与はこれまでと変わらず強い」と付け加えた。
「キーウの小児病院を含むウクライナの複数都市に対するロシアのミサイル攻撃は忌まわしい」と、オーストラリアのペニー・ウォン外相が、まるで何かのメモに答えるように同じ台詞を述べた。「病院を含む民間インフラへの攻撃を我々は非難する。違法で不道徳なロシアの戦争に直面するウクライナの人々をオーストラリアは支援し続ける」
この断固とした明確なウォン発言と、ガザの医療体制をイスラエルが意図的に組織的に破壊していることに関する彼女の曖昧で受動的な発言と対比してみよう。
「病院、患者、医療関係者、人道支援関係者は保護されなければならない。ガザ北部のインドネシア資金による病院やヨルダンの野戦病院を含むガザの病院内や周辺での攻撃をオーストラリアは深く懸念している。」
これは、パレスチナの病院へのイスラエルによる容赦ない攻撃に関して、欧米当局者から寄せられた最も強い批判だ。ほとんどの当局者は全く何も語っていない。
10月7日以来、ガザの医療機関に対するイスラエル国防軍攻撃は数百件に上る記録があり、国連によれば、この猛攻撃によって医療機関は、ほぼ破壊されたという。
オックスフォード大学のニック・メイナード教授は、イスラエルのガザ地区爆撃中に現地で活動した後、ガザ地区の「医療施設や医療従事者を組織的に標的にして、医療体制全体を事実上解体している」とイスラエル国防軍を非難した。
医学雑誌「ランセット」に掲載された新しい報告によると、イスラエルによるガザ攻撃の結果、病気や医療を受けられないことなどによる間接的死者は、大規模軍事暴力による直接的死者よりも何倍も多い可能性が高く、公式に報告された死者1人につき間接的な死者4人という控えめな推計では、死者総数は約18万6000人になるという。しかも公式の直接的死者数は確実に大幅に過小評価されている。
この件に関する怒りは一体どこにいったのか? 病院への攻撃がいかに「忌まわしい」かに関する欧米当局者の声明は一体どこにいったのか? ロシアに対して、してきたように、これら攻撃の加害者としてイスラエルを明確に名指しする欧米メディア見出しは一体どこにいったのか? どこにも見あたらない。
これは、病院への攻撃、少なくとも欧米帝国が好意を持っていないパレスチナ人や他の人々に医療サを提供している病院を攻撃することを、実際は「忌まわしい」とか「恐ろしい」ことはないと欧米帝国運営者連中が考えているためだ。
これは人の命や幸福への配慮と何の関係もない。ウクライナでの代理戦争を継続するための同意を連中は更に増やしたいだけなのだ。
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記事原文のurl:https://caitlinjohnstone.com.au/2024/07/09/oh-looks-like-bombing-hospitals-is-bad-again/
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。