しんぶん赤旗の連載記事「政権追い詰めた共産党の論戦 通常国会150日」(5)を紹介します。このシリーズはこれで終了です。
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政権追い詰めた共産党の論戦 通常国会150日(5)
能登半島地震の対応遅れ 生活再建求め全力論戦
しんぶん赤旗 2024年6月29日
元日に最大震度7を観測した能登半島地震から7月1日で半年になります。日本共産党は発災後ただちに能登半島地震災害対策本部をたちあげました。田村智子対策本部長(委員長)、小池晃本部長代理(書記局長)をはじめ党国会議員団は繰り返し現地に入り、避難所の改善や生活再建、漁業や輪島塗など地場・伝統産業、観光業などへの支援、医療・介護施設への支援などを繰り返し政府に要請。救援募金に取り組み、全額被災地に届けました。これまでの震災と比べても深刻な対応の遅れがあるもとで、被災者が復旧・復興に希望を持てるよう、政府に対策強化を求める論戦を行いました。
支援対象拡充を
穀田恵二国対委員長は1月3日、被災地入りした井上哲士参院議員からの状況報告を受け、自民党の浜田靖一国対委員長に手だてを尽くすよう要請。通常国会開会日の1月26日の与野党国対委員長会談で「被災者生活再建支援法の拡充に力をあわせる必要がある」と訴えました。
志位和夫議長と田村智子委員長は2月1、2両日にそれぞれ開かれた衆参の本会議での代表質問で、被災者生活再建支援金を600万円以上に引き上げ、「半壊」「一部損壊」まで対象を拡充するよう求めました。
広範囲に起きた地盤の液状化被害については、高橋千鶴子、塩川鉄也両衆院議員と井上氏が予算委(2~3月)で被害認定の改善や復旧支援策の強化などを要請。政府は3月22日、自治体による液状化対策への補助率の引き上げや、住宅修復への費用補助など液状化被害支援策の強化を決定しました。
紙智子議員は3月25日の参院予算委で、農業用水路が壊れて急務になっているパイプラインの仮設など田植えに間に合う整備を求め、坂本哲志農林水産相は「査定前着工制度を活用して早期復旧を図る」と応じました。
田村貴昭議員は会期を通じ衆院災害対策特別委で、長期化する避難生活環境の改善や、住宅再建に向けた「地域福祉推進支援臨時特例交付金」の対象拡大などを要請。屋外の水道管が通水しても宅内の水道管破損による「宅地内断水」の問題では、宅内の蛇口から水が出るまで国が支援するよう求めました。
参院災害対策特別委では仁比聡平議員が、災害関連死防止のための被災者の元の生活やつながり、コミュニティーを大切にした住宅の確保と、被災家屋の公費解体の加速化のための抜本的体制強化と予算確保を求めました。
2月には、石川県羽咋(はくい)市に「能登半島地震被災者共同支援センター」(責任者・藤野保史前衆院議員)を設置。民主団体と協力・共同して運営し、被災者に支援物資を届け、要望を聞くなどの取り組みに引き続き全力を挙げています。
“原発ゼロ”迫る
今回の地震で、北陸電力志賀原発では変圧器が壊れて外部電源を一部失うなど深刻なトラブルが続出。東京電力柏崎刈羽原発でもトラブルが起きました。
笠井亮議員は2月7日の衆院予算委で、地震による通行止めや道路の寸断により、地震・津波から避難するルートがなくなると指摘し、志賀原発の避難計画は「絵に描いた餅」「机上の空論」だと厳しく批判し、廃炉を求めました。
笠井氏が原発の運転中に今回より強い地震が発生した場合、福島第1原発のような過酷事故になりえないかと追及すると、岸田文雄首相は「原子力規制委員会の新規制基準には、万が一過酷な事故が発生した場合への対応も含まれている」と言うだけ。笠井氏は「地震・津波国の日本での原発稼働は極めて危険だと現実が示した。原発ゼロこそ決断すべきだ」と迫りました。
岩渕友議員は3月19日の参院予算委で、北陸電力の想定を超える範囲で地震が起きたと指摘。隆起や沈降が原発周辺で発生した場合の影響をただすと、山中伸介原子力規制委員長は「原子炉建屋などが設置された地盤の変形、排水ポンプの貯水性に影響が生じる可能性がある」と認めました。岩渕氏は「原発の安全性にとって極めて重大だ。想定外のことが起きれば対応は難しい」と指摘しました。
さらに岩渕氏は、今回の地震では、屋内退避先となる放射線防護施設が損傷するなど、自然災害と原子力災害の複合災害に対応できない避難計画は破綻していると批判。原子力規制委の新規制基準は避難計画を審査対象にしておらず、「再稼働を認めるべきではない」と主張しました。
原発ゼロの日本をつくるため、原発に固執する自民党政治を終わらせなければなりません。
(おわり。この連載は、伊藤幸、中野侃、目黒健太、柳沢哲哉が担当しました)