2024年7月6日土曜日

イスラエルが最悪の拷問 解放のシファ病院長が証言

 イスラエルは1日、7か月間 刑務所に拘束していたガザ シファ病院のムハンマド・アプサルミヤ院長を解放しました。院長は同日、しんぶん赤旗の記者に、「パレスチナ人の収監者は経験のない悲惨な状況に置かれている。朝も夜も殴られ、食事はまともに与えられない。みんな30キロは体重が減っている。私はひどい殴打を受けて指を骨折した。頭を殴られて流血した」「最悪の拷問を受けている仲間たちを刑務所に残してきた。イスラエルの刑務所内で亡くなった人々もいる」と語りました。
 院長は刑務所への収容能力が限度に達したので解放されたということです。

 昨年10月以降約4000人が拘束され、解放されたのは約1500人で、27人がイスラエルの収容施設で亡くなっています。
 イスラエル軍はハマスとの関係が疑われるなどとして、ガザ地区の住民を拘束して凄惨な拷問を加えています。拷問によって精神に重度の障害を負った人なども多数いるものと思われます。
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イスラエルが最悪の拷問 殴打受け指を骨折、頭から流血 
解放のシファ病院長証言
                        しんぶん赤旗 2024年7月3日
【カイロ=秋山豊】イスラエルは1日、パレスチナ・ガザ地区最大の医療施設シファ病院のムハンマド・アプサルミヤ院長を解放しました。同氏は同日、本紙の取材に応じ、獄中で拷問を受けていたと語りました。
 アブサルミ氏は昨年11月にイスラエル軍がシファ病院を襲撃した際に拘束されて7ヵ月以上捕らわれていました。
 イスラエル軍はアブサルミヤ氏がイスラム組織ハマスにシファ病院を拠点として使わせたとして、同氏を拘束。同国の情報機関シンベトが尋問するために連行しました。ハマスはイスラエル側の主張を否定していました。
 アブサルミヤ氏は「(イスラエルに捕らわれているパレスチナ人の)収監者は経験のない悲惨な状況に置かれている。朝も夜も殴られ、食事はまともに与えられない。みんな30キロは体重が減っている。私はひどい殴打を受けて指を骨折した。頭を殴られて流血した」と語りました。
 アブサルミヤ氏は「最悪の拷問を受けている仲間たちを刑務所に残してきた。イスラエルの刑務所内で亡くなった人々もいる」と語りました。
 現地からの報道によると、イスラエルは1日、アブサルミヤ氏らパレスチナ人の収監者55人を解放しました。うち5人はガザ中部デイルバラのアルアクサ殉教者病院に、ほかは南部ハンユニスのナセル病院に搬送されました。
 イスラエルのメデタイムズ・オプ・イスラエルによると、シンベトは同国の刑務所がいっぱいとなり、空きがなくなったために収監者をガザに戻したと述べています。

ハンユニスに退避命令出す イスラエル軍
 イスラエル軍は1日、ガザ南部にあるハンユニス東部の住民に対し「人道地域」への退避を新たに命じました。イスラエル紙タイムズ・オブ・イスラエルなどが報じました。電気が途絶えているため、真っ暗な中、多くの住民が徒歩での移動を強いられているといいます。
 住民にテキストメッセージで伝えられた退避命令は、4月にイスラエル軍がハ最南部ラブァヘの攻撃のために撤退して以来初めて。イスラエル軍は1月にハンユニスを包囲して以来、4ヵ月間にわたり同地域で地上作戦を行いました。避難民がハンユニスに帰還すると、家屋や建物が大規模に破壊されていました。
 ガザのデイルバラに駐在するアルジャジーラの記者は、イスラエルは複数の区域を「できるだけ速やかに避難すべき地域」に指定した地図を住民に送っているが、「ハンユニスにはどこにも逃げ場のない家族がいる。破壊された自宅の残骸の中で、なんとか生きながらえてきた人たちだ」と指摘。「国内避難の際限のない繰り返し、暴力の悪循環には終わりが見えない」と非離しました。


電気ショックやで・精神を病んだガザ住民
                        しんぶん赤旗 2024年7月3日
【カイロ=秋山豊」イスラエル軍はハマスとの関係が疑われるなどとして、パレスチナ・ガザ地区の住民を拘束して凄惨(せいさん)な拷問を加えています。南部ハンユニスに暮ら
すトウリ・ダハランさんが6月30日、本紙に対し、「いとこが激しい拷問を受けた結果、精神に重度の障害を負ったと医師に診断された」と語りました。
 拷問を受けたのはバッドル・ダハランさん(29)。6月20日に解放されました。
 バッドルさんは獄中で電気ショックや熱による拷問を受けました。体には拷問の痕跡が残っています。頭と足に深い傷がありやけども負っています
 バッドルさんは5月のある日、市場に買い物に出かけたまま戻りませんでした。家族は探しまわりましたが、見つかりませんでした。
 行方不明となって約1カ月がたった6月20日、父親に匿名の人物から電話があました。バッドルさんがイスラエルの刑務所から出されてガザの病院にいるというのです。
 家族で会いに行くと人格が変わってしまっていました。かわいがっていた幼い娘を抱きしめることもしないのです。
 妻のアメニさんも本紙に語りました。「は私のことも娘のこともわかっていない。私たちに話しかけることがほとんどなく物思いにふけっている。目を大きく開いて黙ったまま」と嘆きます。
 アメニさんは「全世界のみなさん、どうか戦争をとめて。私の願いは夫が健康と精神状態を回復することだ」と語りました。
 パレスチナ自治政府の収監者・元収監者問題省、セール・シュレイタ報淮官は本紙の取材に「イスラエルはガザの住民を強制的に失踪させる罪を犯している。ガザの人々を拘禁している場所や健康状態などを明らかにしていない」と語りました。
 同氏によるとガザではイスラエル軍が攻撃を開始した昨年10月以降約4000人が拘束され、解放されたのは約500人です。27人がイスラエルの収容施設で亡くなっています。