ガザ地区はイスラエルから早い段階で電気と水道水の供給を止められ、その後さらに衛生施設(下水道処理施設)を破壊されたので汚水がたまり続け 湖のような状態になっています。
薬や医療品はおろか 石鹸、洗面用具、洗剤が不足している中で、炎天下で汚水から湧いた虫がテントの中をはい回り 体にたかるので、人々は眠ることも出来ずひどい発疹や疥癬などの皮膚病や感染性の胃腸疾患、髄膜炎の症例等に苦しんでいます。
世界保健機関によると、昨年10月にイスラエルが攻撃を始める前と比べて下痢の症例は25倍になっています。まさに「生き地獄」ですがこれも「ガザ殲滅作戦」の一環なのでしょう。
気温がさらに上がればコレラの流行が発生する可能性が高まっているということです。
そんな状況下でイスラエルのガザ攻撃はさらに激化しています。
しんぶん赤旗の2つの記事を紹介します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
衛生施設破壊 汚水、湖のよう ガザ住民に病広がる
しんぶん赤旗 2024年7月10日
【カイロ=秋山豊】パレスチナ自治区ガザではイスラエル軍による攻撃で衛生施設も破壊され、汚水がたまり続けています。この衛生環境の悪化に夏の暑さも加わり、住民にさまざまな病気が広がっています。
本紙はこのほど、南部ハンユニスで撮影された動画を住民から入手しました。イスラエル軍の攻撃を受け壊れた建物とガレキが広がる一帯に、汚水が湖のようにたまり、その周囲を住民が歩いている様子が映っていました。
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)によると、イスラエル軍の攻撃で衛生施設などの約70%が破壊あるいは損傷を受けています。上下水道を管理する自治体職員もイスラエル軍に殺害されていると伝えられています。
北部ガザ市の自宅を追われ、ハンユニスでテント生活を強いられているオンモアハマドさんは5日、本紙の取材に「汚水により虫がわき、テントのなかをはっている。体にたかり眠ることができない」と嘆きました。
息子のアハマド君は食料不足による飢えに加え、ひどい発疹に苦しんでいます。「医師は、息子の皮膚病は汚水と虫による劣悪な環境が原因だと言う。薬すらない。この苦しみが早く終わってほしい」と語りました。
国連によればガザの医療施設の84%が破壊あるいは損傷を受けています。
ガザ在住のジャーナリスト、タレク・ダハランさんは、イスラエルによる封鎖と攻撃で薬や医療品に加え、せっけん、洗面用具、洗剤が不足し、住民の健康状態をより深刻化させていると指摘します。ガザ保健当局によれば、現在、少なくとも1万人がA型肝炎を患っています。
ガザの医師ハディさんは疥癬(かいせん)などの皮膚病や感染性の胃腸疾患、髄膜炎の症例も多いと述べ、「気温が上がり、コレラの流行が発生する可能性が高まっている」と警告します。
世界保健機関(WHO)によると、昨年10月にイスラエルが攻撃を始める前と比べて下痢の症例は25倍になっています。
ガザ攻撃さらに激化
しんぶん赤旗 2024年7月10日
【カイロ=秋山豊」イスラエル軍は8日未明から早朝にガザ市を攻撃した後、市内中心部に戦車を進め、市内複数地域の住民に2日連続で退避を命じました。ロイター通信は、住民の話として、イスラエル軍の空爆と砲撃は、イスラム組織ハマスとの9ヵ月の戦闘で最も激しいものの1つだと伝えました。
ガザ市から退避したイスラ・ドウモシさんは8日、本紙の取材に「自宅はイスラエル軍の攻撃で損傷していたが、テントよりはましと考えて暮らしていた。しかしイスラエル軍に退避を迫られ、何も持たずに逃げなくてはならなかった。私たちは大切なものを何度も手放してきた」と語りました。
ドウモシさんによると、イスラエル軍は8日未明、彼女の暮らしていた地域に部隊を進め、戦車などで囲みました。軍は通りで人々を殺し始めました。
ドウモシさんは「私は病気の夫と息子と一緒に逃げている。行く当てなどない。私たちの苦しみに心を寄せてほしい」と訴えました。
ガザ市にいるジャーナリスト、アブサレムさんは 「イスラエル軍は国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の施設を襲撃した。スナイパー(⇒射撃手)が近くの高層ビルを占拠した」と言います。
アブサレムさんは「イスラエル軍の車両は戦闘機と迫撃砲の援護を受けて複数の地域に侵入した。大勢の人が退避を余儀なくされた。一方で、軍が通りに出た人々を攻撃しており、家から出られずにいる住民もいる」と語りました。
イスラエル軍の絶え間ない攻撃は、負傷者の救助活動や遺体の収容に極めて大きな困難をもたらしています。
一方、パレスチナ赤新月社はガザ市内の病院から少なくとも30人の負傷者を退避させました。
保健当局によるとガザ全体で過去24時間に40人が殺害されました。