イスラエルのネタニヤフは24日、米連邦議会の上下両院合同会議で演説し、パレスチナ自治区ガザでのイスラエル軍の大規模軍事侵攻を改めて全面的に正当化しました。民主党の主要幹部ら30人以上が欠席しました。敢えて米議会で演説したのはそれによって「イスラエル国内での彼の政治的地位を高め、戦争に対する国際的反対を鎮めるためだ」とある共和党員が述べました。
米議会の周辺では全米各地から集まった数千人が抗議のデモを行いました。
しんぶん赤旗が、ガザでの大虐殺を中心に6つの記事を出しました。その概要は下記の通りです。
・ガザ侵攻 改めて正当化 米議会 イスラエル首相が演説
イスラエルのネタニヤフは24日、米連邦議会の上下両院合同会議で演説し、パレスチナ自治区ガザでのイスラエル軍の大規模軍事侵攻を改めて全面的に正当化しました。民主党の主要幹部ら30人以上が欠席しました。
欠席した共和党の下院議員は、ネタニヤフの目的は「イスラエル国内での彼の政治的地位を高め、戦争に対する国際的反対を鎮めるためだ」と述べました。またガザの住人は、「米国はイスラエルの主な相棒。私たちは米国のせいで殺されている」と話しました。
・集団虐殺を支持しない 米議会周辺 数千人デモ
ネタニヤフが米連邦議会で演説した24日、米各地から数千人の市民が議会周辺に集まり、ガザヘの軍事攻撃に抗議する集会を開きました。
「ネタニヤフをジェノサイド(集団殺害)の罪で逮捕しろ」「戦争犯罪人はお呼ぴでない」などと害かれた横断幕を掲げてデモ行進し、同氏を招待した議会も批判しました。
・ガザ南部で70人殺害 医師「最低限の薬もない…」
22日にもイスラエル軍はガザ南部ハンユニスを攻撃し、少なくとも70人を殺害、200人以上を負傷させました。母の遺体の横で頭部に包帯をした少年が泣きながら、「どうして僕たちを残して死んじゃったの。僕たちを助けてくれるのはお母さんしかいないのに…。大好きなお母さん、僕がかわりに死ねばよかった。神さま、お母さんを殺したイスラエルに罰を与えてください」と訴えました。
・ガザの死者が3万9000人超す
ガザ保健当局は22日、声明を出し、10月7日以降のイスラエル軍の攻撃で、パレスチナ人少なくとも3万9006人が殺され、8万9818人が負傷したと述べました。
保健当局の公表数は極めて控えめで実際の数はその数倍であるといわれています。
・米の対エスラエル軍事支援 7労組「即時中止せよ」 バイデン氏へ書簡
米主要7労組が23日、バイデン大統領に共同書簡を送り、ガザに攻撃を続けるイスラエルヘの軍事支援をただちにやめるよう求めました。「米国の軍事支援の即時中止がこの紛争を平和的に解決するうえで必要だ」と強調しました。
・行き場失う子と高齢者 イスラェル ガザ83%に避難命令
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の報道官は23日、イスラエル軍が22日の時点でパレスチナ・ガザ地区の約83%について避難命令を出すか、立ち入り禁止区域に指定しており、子どもや女性、お年寄りを含む多数のパレスチナ人が行き場を失っていると指摘しました。イスラエル軍が直近で避難命令を出したガザ南部ハンユニスでは、22日以降に推定で15万人のパレスチナ人が移動を余儀なくされました。
報道官は「ロバの引く荷馬車にお年寄りが乗り、車いすに乗った障害者は膝にものを積み上えて、砂地のなかを押されて移動している」と強調。「住民は銃声を耳にしながら走り、生き延びようと走っている。彼らは行くあてもない」と述べました。
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ガザ侵攻 改めて正当化 米議会 イスラエル首相が演説
しんぶん赤旗 2024年7月26日
【ワシントン=澗□昇幸」イスラエルのネタニヤフ首相は24日、米連邦議会の上下両院合同会議で演説し、パレスチナ自治区ガザでのイスラエル軍の大規模軍事侵攻を改めて全面的に正当化しました。出席議員の多くは拍手で迎えたものの、民主党の主要幹部の欠席が目立ち、議会周辺では市民らが抗議行動を繰り広げました。
議員30人以上欠席
昨年10月7日以降からガザ住民3万9千人以上が同軍に殺害されていますが、ネタニヤフ氏は民間人保護を徹底していると述べ、ジェノサイド(集団殺害)を否定しました。
同氏は、イスラム組織ハマスの軍事・統治能力を破壊し、ハマスが拘束する人質が解放されるまで軍事侵攻を継続すると、強硬姿勢を示しました。
ネタニヤフ氏は、国際的非難が高まる中でも、イスラエル擁護の米政府に武器恢給の強化など支援を要求。「米軍事援助を急ピッチで進めれば、ガザでの戦争終結を劇的に早めることができ、中東のより広範な戦争を防ぐことができる」と持論を展開しました。
報道によると、同会議では民主党のペロシ元下院議長など30人以上の議員が次席しました。パレスチナ系米国人のラシダ・タリーブ下院議員(民主党)は出席し、演説中に「戦争犯罪人」「ジェノサイドの罪」と書かれた小さなプラカードを掲げました。
民主党のクリス・マーフィー上院議員はX(旧ツイッター)で、ネタニヤフ氏の演説は「米国とイスラエルの関係を後退させるものだったI「(ガザでの)人道的危機を軽視する発言には驚かされた」と批判しました。
共和党のトーマス・マッシー下院議員はXの投稿で、ネタニヤツ氏の今回の演説目的は「イスラエル国内での彼の政治的地位を高め、戦争に対する国際的反対を鎮めるためだ。小道具になる気はないので、私は出席しない」と述べました。
ガザの住民 米国を非難
パレスチナ・ガザ地区の住民は24日、イスラエルのネタニヤフ首相を歓迎する米国を批判しました。ガザ地区ラファからハンユニスに避難したカゼム・アブ・タハ氏は「米国は(イスラエルの)主な相棒。私たちは米国のせいで殺されている。米国の戦闘機で殺されている」と話しました。
イスラエル軍は首相演説の数時間前、新たな攻撃をガザ地区各地で実施。ガザ保健当局は同日、この24時間に少なくとも55人が殺されたと述べました。
戦争中、家族とともに6回避難しているガーダ氏はハンユニスで「どこに行くべきか?海に入ろうか?」と言い、「私たちは疲れ果て飢えている。数時間後でなく今すぐ戦争を終わりにしたい」と述べました。 (ロイター)
集団虐殺を支持しない 米議会周辺 数千人デモ
しんぶん赤旗 2024年7月26日
【ワシントン=柴田菜央」イスラエルのネタニヤフ首相が米連邦議会で演説した24日、米各地から数千人の市民が議会周辺に集まり、ガザヘの軍事攻撃に抗議する集会を開きました。
「ネタニヤフ氏をジェノサイド(集団殺害)の罪で逮捕しろ」「戦争犯罪人はお呼ぴでない」などと害かれた横断幕を掲げてデモ行進し、同氏を招待した議会も批判しました。
ユダヤ人や芸術家、政府職員、労働者、平和活動家など、信仰や立場の違いを超えて市民が参加。「パレスチナを解放しろ」の唱和がやみませんでした。
ノースカロライナ州から参加した教員のシェル・エベラッテさん(27)は、「私が生まれたこの国は、戦争犯罪人を文字通り歓迎している」と批判。「いますぐ停戦を」と力を込め、「パレスチナの人々、赤ちゃんを殺しているイスラエルに(武器支援などで)税金を送るのをやめろ」と訴えました。
双子の娘(11)と息子(15)と参加したスグールカウンセラーのエリフ・アーギナーさん(54)は、ネタニヤフ氏の訪米は「恥ずべきことだ」と主張。同氏は戦争犯罪だけでなく人道に反する罪も犯していると指摘し、「私たちはジェノサイドを支持していない」と強調しました。
市民が求めているのはすべての人の自由と安全だと述べ、米議会は「国民の声を聞くべきだ」と語りました。
ガザ南部で70人殺害 医師「最低限の薬もない…」
しんぶん赤旗 2024年7月24日
【カイロ=秋山豊】パレスチナ自治区ガザの保健当局は22日、イスラエル軍がガザ南部ハンユニスを攻撃し、少なくとも70人を殺害、200人以上を負傷させたと発表しました。子どもや女性も死傷しています。
本紙が入手した動画には、イスラエル軍の空爆で殺害され、床に横たわる女性の遺体が映っていました。女性の傍らで頭部に包帯をした少年が泣いています。22日にハンユニスのナセル病院で撮影されました。
少年は「どうして僕たちを残して死んじゃったの。僕たちを助けてくれるのはお母さんしかいないのに…。大好きなお母さん、僕がかわりに死ねばよかった。神さま、お母さんを殺したイスラエルに罰を与えてください」と訴えています。
ナセル病院の医師は22日、本紙の取材に応じ、「私たちは最低限の医療器具や医薬品も持っていない。病院が十分機能せず、負傷者の命が失われている。輸血用の血液も足りず、患者に深刻な脅威をもたらしている」と語りました。両院はこの日、住民に緊急の献血を訴えました。
イスラエル軍はハンユニス東部の住民に退避を命じ、空軍と砲兵部隊がハンユニスを攻撃しました。ロイター通信は、パレスチナ当局者の話として、標的にされた地域に約40万人が暮らしていたと伝えました。
ハンユニスにいるジャーナリストのタイシール・コデイハさんは「戦車と地上部隊がハンユニス東部を襲撃した。イスラエル軍の激しい攻撃から逃れるため、徒歩で、あるいはロバがひく荷車に東って退避する住民もいた。住民の表情には極度の疲れと恐怖がみられる。住民はイスラエル軍が幾度も爆撃しながら『安全で人道的』と主張する地域に向かっていった」と本紙に話しました。
アブライエンさん(43)は「イスラエル軍は、私たちが退避している最中に攻撃してきた。ミサイルが飛んできて、銃撃された住民もいる。通りには遺体がある。安全な場所などない。どこに暮らせと言うのか」と話しました。
ガザの死者が3万9000人超す
ガザ保健当局は22日、声明を出し、10月7日以降のイスラエル軍の攻撃で、パレスチナ人少なくとも3万9006人が殺され、8万9818人が負傷したと述べました。
米の対エスラエル軍事支援 7労組「即時中止せよ」 バイデン氏へ書簡
しんぶん赤旗 2024年7月25日
【ワシントン=柴田菜央】米主要7労組が23日、バイデン大統領に共同書簡を送り、パレスチナ自治区ガザに攻撃を続けるイスラエルヘの軍事支援をただちにやめるよう求めました。「米国の軍事支援の即時中止がこの紛争を平和的に解決するうえで必要だ」と強調しました。
書簡には、全米自動車労組(UAW)、サービス業国際労組(SEIU)、客室乗務員協会(AFA)など合計で約600万人を代表する幅広い業種の労組が名を連ねています。書簡は、訪米中のイスラエルのネタニヤフ首相が24日に米議会で演説し、25日にはバイデン氏と会談するのに先立って公開されました。
書簡は、最近のガザからの報道は「私たちの要求が切迫したものであることを明白にしている」と主張。「子どもを含む多くのパレスチナの民間人が、報じられているところでは米国製の爆弾で殺され続けている」と批判しました。ガザで緊張が高まれば、さらに多くの罪のない市民をより広範な戦争に陥れる危険があると指摘しました。
また学校や病院の破壊、飢餓など「ガザでは人道危危機が日に日に深刻になっている」と懸念を表明しました。
書簡は、イスラエル側が軍事攻撃を継続する姿勢を示すなかで「この戦争を終わらせる最も速くかつ確かな方法は米国からイスラ工ルヘの軍事支援を止めることだ」と指摘。バイデン氏に対し「決定的な行動をとる時はいまだ」と迫りました。
行き場失う子と高齢者 イスラェル ガザ83%に避難命令
しんぶん赤旗 2024年7月25日
国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のルイーズ・ウォーターリッジ報道官は23日、イスラエル軍が22日の時点でパレスチナ・ガザ地区の約83%について避難命令を出すか、立ち入り禁止区域に指定しており、子どもや女性、お年寄りを含む多数のパレスチナ人が行き場を失っていると指摘しました。国連ニュースの取材に応じました。
ウォーターリッジ氏によると、イスラエル軍が直近で避難命令を出したガザ南部ハンユニスでは、22日以降に推定で15万人のパレスチナ人が移動を余儀なくされました。
ウォーターリッジ氏は「ロバの引く荷馬車にお年寄りが乗り、車いすに乗った障害者は膝にものを積み上えて、砂地のなかを押されて移動している」と強調。「住民は銃声を耳にしながら走り、生き延びようと走っている。彼らは行くあてもない」と述べました。
国連によると、イスラ工ル隼はハンユニス西方のマワシ地区についても避難命令を出しており、同地区内で使える場所は約15%縮小しました。マワシ地区はもともとイスラエル軍が「人道地域」と指定していた場所です。
ロイター通信によると、イスラエル軍は23日もハンユニスなどで攻撃を続けました。ハンユニスで同通信の取材に応じた女性は「イスラエル軍に突然、今からここを立ち去れと言われた。事前に警告もなく、突然ロケット弾が上から落ち始めた。移動するつもりはなかったがそうせざるをえなかった」と語りました。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。