2024年9月16日月曜日

16- イスラエルがワシントンを支配

「耕助のブログ」に掲題の記事が載りました。
 昨年の10月7日に始まった「イスラエルによるガザ攻撃」の経過を見ると、米国政府が如何にイスラエルに毒されているかということがストレートに理解できます。
 これほどの悲劇は米国による肯定と兵器と資金の供与なくしては行えないからです。
 文中に、「すでに20万人近いパレスチナ人が死亡」云々とあるのは、パレスチナ人の実際の死者数はガザ保健省の公表数の数倍であるという説に基づくものです。
 イスラエルの行動原理が国連の各種の人道規定などではなく、「タルムード」(⇒ユダヤ人の「成功哲学」書と仮に訳)のいうところに基くというのも、肯定は出来ないもののこれほどの「非合理」を実行できる「所以」として解釈することは出来そうです。

           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
イスラエルがワシントンを支配
                 耕助のブログNo. 2268   2024年9月13日
  Israel Rules Washington
     ユダヤ国家のために何をするか競い合う政党  by Philip Giraldi
もし、米国との関係において主導権を握っているのがイスラエルであるということを本気で疑っている人がいるなら、先週ハマスの指導者たちに対して刑事告発が提出されたことは{1}、目を覚ますべき警鐘となるだろう。

9月2日、7つの罪状からなる刑事告訴がニューヨーク市の連邦裁判所に提出された。そこには公共空間で爆破を企てる、外国のテロ組織への物的支援を企てる(結果として死者がでる)、大量破壊兵器の使用、米国国民の殺害を企て、実行する、テロ資金調達を企てるなどの罪状が含まれている。またこの文書は、イランとレバノンのヒズボラが、イスラエルに対する攻撃に使用する資金、ロケット弾などの武器、軍事物資をハマスに提供しているとも主張している。この文書の正当性は、正当などという言葉を使うのをためらわれるが、米国にはテロリストとその支援者を追跡し、場合によっては殺害する権限が与えられており、それが適切であると判断した場合には、世界のどこであっても、いつでも行使できるという前提に基づいている。

この新たな展開の朗報を広めるため、悪意に満ちた米国司法長官メリック・ガーランドさえ、2023年9月にウクライナを訪問してロシアを威嚇して{2}以来クローゼットに隠れていたのに登場した。彼はビデオ声明を発表し、米国の裁判所を利用して世界の他国の行動を規制しようとする最新の試みについて、自身の考えを明らかにした。何の証拠を提示することもなくガーランドは、ハマスが「米国市民を殺害し、米国の安全保障を脅かす数十年にわたるキャンペーンに資金提供し、指揮を執ってきた。そしてイスラエル国家を破壊し、その目的を達成するために民間人を殺害“しようとしている」と述べた。また、ガーランドは、43人の米国系イスラエル人が死亡したとされる10月7日のハマスによるイスラエル攻撃についても、生々しい表現で描写したが、その表現はほぼすべてがイスラエルのプロパガンダによる嘘であることが後に明らかになっている。ガーランドは、この集団が「ユダヤ人に対するホロコースト以来最悪の虐殺」として「家族全員を殺害した」と主張した。「彼らは老人や幼い子供たちも殺害した。彼らはレイプや性器切除などの女性への性的暴力を武器化した。本日公開された告発状は、ハマスの活動のあらゆる側面を標的にする取り組みのほんの一部に過ぎない。これらの行動は我々の最後の行動ではないだろう」。実際には、もちろん、すべてではないとしても死亡した人の多くはイスラエルがヘリコプターや戦車による無差別攻撃で反撃した際に、味方の攻撃によって命を落とした人々である。それにもかかわらず、主流メディアは、ハマスが1,200人のイスラエル人を殺害したという10月7日に関する誤ったストーリーを繰り返し続けている。また、拷問やレイプの話は、主にパレスチナ人捕虜に対するイスラエル兵の行為である。実際に解放された人質の多くが、ハマスから丁重に扱われたと証言している。

イスラエルを喜ばせるために、米国は1997年にハマスを「外国のテロ組織」と宣言した。現時点でハマスを追い詰めることは間違いなくイスラエルと、民主党の政治資金の大部分を提供しているだけでなく、ドナルド・トランプ氏の共和党に流れる資金の割合も増加している米国系ユダヤ人の政治献金者たちへの贈り物である。とはいえ、ガーランドのFBIが、グループの指導者として特定された6人の男たちを見つけ出し逮捕するのは困難であり、そのうち3人は死亡しているため、起訴はほとんどが形だけのものとなる。その中には、現在の指導者であるヤヒヤ・シンワルも含まれているが、彼はどこかのトンネルに身を隠しているため、居場所は不明である。

起訴されたその他のハマス指導者には、前指導者のイスマイル・ハニーヤ、武装部門の副指導者マルワン・イッサ、ガザ地区とヨルダン川西岸地区以外の地域を統括するハレド・マシャール、それにモハメド・ディフとアリ・バラカが含まれる。ハニーヤ、イッサ、ディフは、イスラエルによる攻撃でこの数か月の間に死亡したと伝えられている。名前が挙がった人物のうち、まだ生存している者は米国に逮捕される可能性は低い。このタイミングでの起訴は、シオニストの侵略者から自国を解放しようとするハマスの活動とそのグループを支援する米国人を「テロ支援者」として探し出し、逮捕し、処罰するための連邦政府による取り組みの準備を整えることを目的としているのではないかと疑わざるを得ない。また、より一般的なパレスチナ支援者に対する攻撃にも利用される可能性がある

もしテロがすべてであり、米国が「ルールに基づく国際秩序」を徹底し、あらゆる場所のテロリストを網羅しようとしているのであれば、イスラエルがハマスと同様に対象になっていないのはもちろん皮肉である。外国の政府高官を暗殺し、戦争状態にない国々を爆撃し、ガザ地区でジェノサイドに等しい一連の戦争犯罪を公然と実行しているのはイスラエルであり、すでに20万人近いパレスチナ人が死亡している可能性がある。一方、ハマスは、かつてパレスチナであった土地を完全に不法に占領しているユダヤ人を武力で追い出すという行動を国際法のもとで行っている。明らかに米国には、イスラエルへの資金と武器の流れを止め、かつて彼らの国であった広大な「浄化作戦」地域に残るパレスチナ人のすべて、あるいはほぼすべてを追放または殺害するという、イスラエル政府が公然と受け入れている計画の実行を阻止するために必要なことを行うという考えはない。ケイトリン・ジョンストンが指摘しているように{3}、 米国政府と多くのヨーロッパ人は、この事態に反応する意思がないように見え、実際には、パレスチナ人と非ユダヤ人は人間ではないというタルムード⇒ユダヤ人の「成功哲学」書)の主張を信じているように見える。

この新たな展開を報道するメディアは、当然ながら、10月7日にハマスが仕掛けたイスラエルへの残忍な攻撃に対する米国の行動であると説明することで、政府のイニシアティブを支持しようと苦心している。興味深いことに、米国政府とメディアは、パレスチナ人を悪者扱いするために、同じ陳腐なレトリックを繰り返し使用しているが、その出来事の前に起こったことについて言及したり非難することはほとんどなく、また、ガザ地区で常に狭まる死の輪に追い詰められ、圧倒的に非武装の男性、女性、子どもたちへの同情を表明することもほとんどない。

米国がこのタイミングで告発した理由はすぐには明らかではないが、有力かつ裕福なイスラエル・ロビーから、カマラ・ハリスへのさらなる支援を得るための動きであると考えることもできる。しかし、ガザで最近、イスラエル系米国人の人質1人とその他5人の遺体が発見されたことは、悪のハマスに対する「さらなる措置」を要求するものであり、米国がそれを許すことも忘れることもないことを示している。6人の人質が死亡したこと自体が、ハマスによる銃撃による死亡という主張がイスラエル軍の検死によってなされたという事実から、でっちあげられた事件である可能性があるという意見もある。イスラエル人は何でも嘘をつくことを念頭に置いてほしい。だから、それは隠蔽工作か偽装工作かもしれない。実際ハマスは、もし銃弾が関与していたとすれば、それらは「イスラエル製」だと主張している。おそらく6人はイスラエルの爆撃で死亡し、その死は政治的理由からベンヤミン・ネタニヤフ政権によって操作されている可能性が高い。確かに、イスラエルはユダヤ人人質を殺害した割合が他の国よりも多い。数か月前に、白旗を振りヘブライ語で叫びながら脱出した3人の人質がいたが、それでもイスラエル軍に射殺された。

ガーランドはこの事件で死亡したイスラエル系米国人、ハーシュ・ゴールドバーグ・ポリンについて、「我々はハーシュの殺人事件を、そしてハマスによる米国人に対する残虐な殺人事件のひとつひとつをテロ行為として捜査している」と述べた。ジョー・バイデン大統領もまた、ゴールドバーグ・ポリンの殺害を非難し、「非難に値するほど悲劇的な事件だ。ハマスの指導者たちはこれらの犯罪の代償を払うことになるだろう」と述べた。

ハマスに対する刑事訴訟がジョー・バイデンとカマラ・ハリスが票と資金を集めるためにでっちあげたものだと仮定すると、ドナルド・トランプはそれに対抗するために何をするのだろうか? ラスベガスで開催中の共和党ユダヤ人会議では、イスラエル寄りの唯一の「真の」政党は共和党であると宣言する見通しである{4}。これは、ネタニヤフの「完全勝利」政策を支持し、イスラエルの人質死亡の責任を民主党に負わせるという主張と組み合わさるだろう。そして、すでに、元カジノ王の億万長者、シェルドン・アデルソンの未亡人であるミリアム・アデルソンが、パレスチナ全土を併合するイスラエルへの米国の支援を保証するというトランプの公約を確実にするために、1億ドルをちらつかせたと報じられている。それはおそらくほとんど、あるいはすべてのパレスチナ人の追放も含むだろう。そう考えると、突如として現れたのは{5}元トランプの個人弁護士で、2017年から2021年までトランプ政権下でイスラエル大使を務めたデビッド・フリードマンだ。彼は、9月2日に発表された著書『One Jewish State: The Last, Best Hope to Resolve the Israeli-Palestinian Conflict』の中で、米国がイスラエルのヨルダン川西岸併合に資金援助を行うべきだと主張している。

イスラエル大使在任中は完全にイスラエルのイエスマンであったフリードマンは、イスラエルが不法占領しているパレスチナのヨルダン川西岸地区の聖書における名称である「ユダとサマリア」の主権を主張し維持するために、イスラエルは財政支援を必要としていると説明している。フリードマンは、次期共和党政権が、すでに予算化されパレスチナ人への援助を目的としていた10億ドルをエルサレムに再配分することを提案している。「最も簡単に利用でき、再配置できる予算は、米国のそれだ」と。フリードマンは、米国は「聖書の預言と価値観を第一に」基づいてイスラエルの併合を支持すべきだと述べた。さらに、ドナルド・トランプとこの提案について話し合うつもりだと付け加えた。

さあ、皆さん。米国にはたった一つの政党しかなく、それはイスラエルの命令に従う政党である。かつて私たちが暮らしていた共和国の話はこれで終わりだ。

Links:
{1}https://forward.com/fast-forward/650193/us-justice-department-files-criminal-charges-against-hamas-spurred-by-hersh-goldberg-polins-murder/?utm_source=The+Forward+Association&utm_campaign=c33451215c-EMAIL_CAMPAIGN_2023_12_01_04_25_COPY_01&utm_medium=email&utm_term=0_-1323d6a1cf-%5BLIST_EMAIL_ID%5D 
{2}https://www.justice.gov/opa/pr/readout-us-attorney-general-merrick-b-garlands-meeting-ukrainian-prosecutor-general-andriy 
{3} https://substack.com/@caitlinjohnstone/p-148391876 
{4}https://www.haaretz.com/us-news/2024-09-04/ty-article-magazine/.premium/at-republican-jewish-confab-gop-set-to-back-netanyahus-total-victory-over-hamas-and-biden/00000191-b8ca-de3d-abb7-feeb37410000 
{5}https://news.antiwar.com/2024/09/03/trumps-former-envoy-to-israel-us-should-fund-israeli-annexation-of-west-bank/ 
{6}https://forward.com/fast-forward/649830/david-friedman-book-donald-trump-israel-wes-bank-annexation/ 

https://www.unz.com/pgiraldi/israel-rules-washington/