大阪湾の人工島「夢洲」に建設中の25年大阪・関西万博では、会場のどこでも地中から可燃性のメタンガスが発生し続け、ガス爆発の危険や災害時のリスクが顕在化しています。
国民の万博への関心は低く、カジノ工事が万博開催と重なり騒音などで足を引っ張るなど、破たんの淵に立たされています。
因みにメタンガスは直ちに労働者を退避させなければいけない濃度を3カ月で76回も検知し、うち17回は着火により爆発する濃度に達していました。1区にある83本のガス抜き管からは1日約1・5~2トンのメタンが発生しています(これを標準状態のメタンガス容量に換算すると約2100~2800m3に達します)。
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万博矛盾 いのち危険 「安全宣言」を出せない
しんぶん赤旗 2024年9月5日
2025年大阪・関西万博が深刻な矛盾と行き詰まりに直面しています。維新・府市政と自公政権がカジノ計画との「相乗効果」をねらって、大阪湾の人工島「夢洲(ゆめしま)」に誘致したものの、ガス爆発の危険や災害時のリスクが顕在化。国民の関心は低く、カジノ工事が万博開催と重なり騒音などで足を引っ張るなど、破たんの淵に立たされています。
現役の廃棄物処分場でもある夢洲1区の会場予定地では、地中から可燃性のメタンガスが発生し続けています。3月の爆発事故現場となった東トイレの地下ピット(空間)では、直ちに労働者を退避させなければいけない濃度のメタンガスを3カ月で76回も検知、うち17回は着火により爆発する濃度に達していました。1区にある83本のガス抜き管からは1日約1・5~2トンのメタンが出ています。
万博協会が「ガスの発生はない」と決めつけていたパビリオン周辺でも5カ所(迎賓館、日本館、大阪館の各付近、EXPOホールの地下ピット)で検知されるなど、会場のどこでもガスが発生する恐れがあります。
万博協会は「安全は開催の前提。信じて来て、楽しんでください」(藁田博行整備局長)などと語っています。しかし、部分的なガス濃度の測定や換気を行うだけで、肝心の「安全宣言」を出すことができません。メタンガスの濃度は刻一刻と変わります。工事の進展に伴って“想定外”の所にたまる恐れもあります。広大な万博会場全体を常時とらえる対策は困難であり、夢洲が万博会場に最も不適切な場所であることは変わっていません。
協会は開催中に爆発した場合の対応をただした和歌山県に「会場内に常駐する大阪市消防等と立ち入り規制や避難誘導等を行う」と説明しています。どれだけ危険かを自ら認めているのと同じです。
カジノ予算3・8億円増 概算要求 事務局170人体制に膨張
しんぶん赤旗 2024年9月5日
岸田文雄政権がすすめるIR(カジノを中核とする統合型リゾート)で、国内のカジノの統制機関である内閣府の外局・カジノ管理委員会が、2025年度の概算要求を公表(8月30日)しました。予算、人員ともさらに膨張しています。
予算では前年度から3・8億円増の40・8億円を要求。人件費等が0・7億円増の23・1億円、カジノ事業者の監督体制の整備が2・2億円増の5・7億円などで、これとは別にデジタル庁一括計上予算として0・8億円増の6・2億円を要求しています。
定員要求では、事務局職員を5人増員し、170人体制にするとしています。
20年1月の発足時の予算28・1億円、100人体制からカジノ管理委員会は予算、人員とも膨れ続けています。
18年7月に当時の安倍晋三政権がカジノ実施法を強行成立させた当初の想定では国内のIRは3カ所、24年ごろにIR開設とされていました。
国民の強いカジノ反対の世論のなかで、残ったIR計画は大阪府・市の1カ所のみです。
その大阪府・市の計画も予定地である同市此花区夢洲(ゆめしま)の地盤問題や万博開催期間中の工事停止を万博協会に求められるなど先行き不透明となっています。
国内のカジノ統制のために新たに作られた行政組織であるカジノ管理委員会が、唯一残った大阪カジノ計画のために多大の予算と人員を空費し続けることはあまりに無駄で反国民的です。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。