東京都墨田区の荒川河川敷で毎年9月に関東大震災時の朝鮮人虐殺犠牲者を追悼する会が催されています。今年は7日(土)に下記の通り行われます。
・「関東大震災101周年 韓国・朝鮮人犠牲者追悼式」
9月7日(土)午後3時~4時 荒川河川敷・木根川橋下手(京成押上線八広駅7分)
追悼の歌、百年(ペンニョン)から
20代から40代の日本人や在日コリアンでつくるグループ「百年(ペンニョン)」が、
追悼式で凧を揚げる予定です。
・「関東大震災朝鮮人虐殺 関連映像 上映」。
午後1時から「吾嬬(あづま)の里(墨田区八広4の35の17、定員120人先着順)」
(詳細は、ほうせんかプログ housenka1923.hatenablog.com/)
共産党の小池晃書記局長が1日、「YouTube 小池晃」で、多数の朝鮮人・中国人が虐殺された東京都内の跡地を巡りながら歴史の事実を振り返る動画を公開しました。そして荒川沿いで起きた虐殺の実態を掘り起こしてきた団体「ほうせんか」が建てた追悼碑も訪問しました。
このところ在日クルド人に対する差別が酷くなっています。
昨年からネットで誹膀中傷や殺害扇動の書き込みが広がり、クルド人が多く住む埼玉県川口市や蕨市ではヘイトデモが繰り返されましたが、今夏に入って、クルド人への暴言や器物損壊など直接の加害にエスカレートしています。
高校2年の女子生徒はアルバイト先のコンピニで、突然客から「クルド人は人間じゃない」と怒鳴られました。
10年以上解体業を営んできたアザディさん(仮名)は8月、仕事用のトラックのフロントガラス、前後のナンバープレート、会社名のプレートを暗色のスプレーで塗りつぶされ、ドアの鍵穴には黒い接着剤が流しこまれ、仕事が出来なくされました。
あるクルド人の家族はバーベキュー場に行ったところ、日本人客に「うるさい」と言われ警察を呼ばれました。一緒に行った小学生の子どもたちもショックを受けています。
支援団体「在日クルド人と共に」の温井立央代表は「差別がひどくなったのは、昨年の出入国管理法の改定から。明確に制度とヘイトスピーチはつながっている」と話しました。
師岡康子弁護士は「クルド人へのヘイトスピーチは物理的な暴力にまで発展しており、非常に危険な状態だ。止めるために行動が必要だ」と述べ、実効性あるヘイトスピーチ禁止条例制定を呼ぴかけました。
しんぶん赤旗の4つの記事を紹介します。
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「身近な暴力とつながる」差別に関心 凧に思い込め
しんぶん赤旗 2024年9月3日
東京都墨田区の荒川河川敷で毎年9月に関東大震災時の朝鮮人虐殺犠牲者を追悼する会が催されています。今年は、20代から40代の日本人や在日コリアンでつくるグループ「百年(ペンニョン)」が、追悼式で凧(たこ)を揚げる予定です。 (都光子)
ペンニョンは虐殺100年に当たる昨年の追悼式で、目撃証言や自分たちの思いを朗読しました。今年は、「イスラエルによる虐殺が続いているパレスチナヘの連帯を込めて凧を揚げようということになったんです」と、メンバーの中井さつきさん(30)が説明します。
6月に、揚げる凧を作るワークショップを開きました。担当した一人は一昨年から活動に参加している30代の女性です。「ここはやりたいことをやらせてもらえるから楽しいですよ」といいます。
もっと学びたい
ペンニョンは月―回ペースで集まり、フィールドワークやワークショップ、読書会など、活動を重ねています。墨田区で朝鮮人虐殺を記録し追悼する市民グループ「ほうせんか」に集まった若者たちで、2021年冬に結成されました。
中井さんも昨年からペンニョンメンバーになりました。「虐殺のことは教科書に載っていたなという程度だった。虐殺された人たち一人ひとりの物語があるんだと知って、もっと学びたいと思ったのと、ほうせんかのみなさんがあたたかく楽しくて、今私はここにいるべきだって思った」と話します。
「多くが日本人」
もともとフェミニズムを学んでいて、差別問題について関心が深い中井さん。「(朝鮮人への虐殺は)現代の私たちの身近にある暴力とつながっている」といいます。
「東京都知事が朝鮮人虐殺追悼式へのメッセージを取りやめたあとに関心を寄せて訪ねてきた若者もいる」とほうせんか理事の憐民子(シン・ミンジャ)さんはいいます。{差別や人権のことを学びたいという若い人がきている。
◆「関東大震災101周年 韓国・朝鮮人犠牲者追悼式」
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虐殺の跡をたどる 関東大震災101年で小池氏
しんぶん赤旗 2024年9月3日
動画も公開
「YouTuber (ユーチューバー)小池晃」こと日本共産党の小池晃書記局長は1日、関東大震災から101年に合わせて、震災の混乱の中でデマや流言が広がり、多数の朝鮮人・中国人が虐殺された東京都内の跡地を巡りながら歴史の事実を振り返る動画を公開しました。
小池さんは、墨田区にある朝鮮人犠牲者追悼碑の前で手を合わせました。追悼碑は、震災が発生した9月1日に毎年追悼式典が開かれる都立横綱町公園(墨田区)内の東京都慰霊堂そぱにあります。
小池さんは、追悼碑について、関東大震災から50年の1973年に虐殺の犠牲となった朝鮮人らを悼む目的で当時の実行委員会が寄付を募り都と連携し建立されたことを紹介。「碑をつくるときには自民党の区議も含め、震災時に虐殺された朝鮮人を超党派で追悼する思いで建てられた。立場の違いを超えた誓いだ」と述べました。
関東大震災の混乱に乗じた軍と警察による「社会主義者狩り」で労働組合の青年幹部らが殺轡された亀戸事件の現場(江東区)では、川合義虎=日本共産青年同盟(共青)の初代委員長=をはじめ10人の青年活動家が虐殺されたことについて、証言集を朗読しながら紹介しています。
厳しい労働条件下で中国人労働者を支援していた王希天さんが虐殺された旧中川の逆井橋(江東区)のほか、荒川沿いで起きた虐殺の実態を掘り起こしてきた団体「ほうせんか」が建てた追悼碑などを訪問。小池さんは、「歴史の事実をかみしめて、再び殺す側にはまわらないという思いを固めたい」と語りました。
激化するクルド人差別 「何をされるか分からない」恐怖 日弁連が緊急集会
しんぶん赤旗 2024/8/31
在日クルド人に対する差別がひどくなっています。昨年からネットで誹膀(ひぼう)中傷や殺害扇動の書き込みが広がり、クルド人が多く住む埼玉県川口市や蕨市ではヘイトデモが繰り返されています。今夏に入って、クルド人への暴言や器物損壊など直接の加害にエスカレートしています。
「クルド人は人間じゃない」。埼玉県の高校2年生のクルド人ユミさん(仮名)は8月の夜、アルバイト先のコンピニで老齢の客に怒鳴られました。客はユミさんを指さし、店中に聞こえる声で「この女は悳いことをしている」「外国人嫌い」と叫んだといいます。
小学生で来日してから初めてのことで、ユミさんはショックでその日のことをよく覚えていません。仕事をこなし、夜に家で泣いた記憶があります。
往復3時間かけて県立高に通う。ユミさんは、交通費や食費のために昨年からバイトを始めました。朝6時台に家を出て、放課後にバイト、夜10時に帰宅します。看護師になる夢のために貯金もしており、1年間で7万円ためました。
ユミさんの親族は、もっとひどいことが起きないか心配していますが、ユミさんは「気にしないようにしている。傷つくから」とバイトを続けています。
助けてくれない
解体業を営むアザディさん(仮名)は8月、仕事のトラックに「クルドシネ」とスプレーで書かれました。
フロントガラス、前後のナンバープレート、会社のプレートは暗色のスプレーで塗りつぶされ、ドアの鍵穴には黒い接着剤が流しこまれ、固まって乗車できなくなっていました。
朝に従業員が見つけ、警察に通報。監視カメラのある場所ですが、3週間たっても警察は問い合わせに「犯人が見つからない」と答えています。
「10年以上仕事をしていて初めて。心配です」。アザデイさんは両手をもみ合わせます。「外国人が日本人の車に同じことをしたなら大ニュースでしょう。でも被害者がクルド人だと助けてくれない」
あるクルド人の家族はバーベキュー場に行ったところ、日本人客に「うるさい」と言われ警察を呼ばれました。家に帰ってから、乗っていた車のガラスに、ほこりの上から落書きされているのを見つけました。「みんなだまれ しね みんなしね」
一緒に行った小学生の子どもたちもショックを受けています。
無断でネットに顔写真を投稿され「テロリスト」と書かれ拡散される人もいます。
多くのクルド人が「こんなことは初めて」「いつ誰から、何をされるか分からない」と訴えます。
禁止条例が必要
深刻になる差別に多くの人が立ち向かっています。日本弁護士連合会は26日に東京都内で緊急集会を開き、支援者らが発言しました。
支援団体「在日クルド人と共に」の温井立央代表は「差別がひどくなったのは、昨年の出入国管理法の改定から。明確に制度とヘイトスピーチはつながっている」と話しました。
侮辱や殺人扇動のネット投稿が増えるにつれ、事務所にもどう喝電話やメールが増えました。ほとんどは県外からです。
差別問題を取材してきた安田浩一さんは「差別をする側のプレーヤーはずっと同じ」と指摘します。
在日韓国人や中国人を標的にしてきた人たちが、新たにクルド人を選び差別を「楽しんでいる」といいます。「娯楽です。ネットは自覚的な差別者でない人も巻き込むからこそ恐ろしい」と話しました。
師岡康子弁護士は「クルド人へのヘイトスピーチは物理的な暴力にまで発展しており、非常に危険な状態だ。止めるために行動が必要だ」と述べ、実効性あるヘイトスピーチ禁止条例制定を呼ぴかけました。
16年にヘイトスピーチ解消法が施行され、20年には神奈川県川崎市で初の罰則付き条例が実現しています。
ガザ虐殺 怒りの抗議 市民有志がスタンディング
しんぶん赤旗 2024/8/31
愛知・瀬戸
愛知県瀬戸市の新瀬戸駅前で27日、市民有志によって昨年11月から続けられているガザ地区でのイスラエルによる虐殺に抗議するスタンディングが行われました。
SNSの呼ぴかけで集まった市民らはリズミカルな打楽器のビート音を流しながらプラカードを掲げて通勤客にアピールしました。
参加者の東松優子さん(52)=瀬戸市在住・自営業=名古屋市内のガザ虐殺抗議にもたぴたぴ足を運んでいると言います。「見て見ぬ振りが嫌い。他国は何十万人という規模のデモが起きているのに日本はなんでこんなに無関心でいられるのかという怒りで参加している」と言います。
6回目となる今回のスタンディングは前半をガザ虐殺への抗議、後半を1923年の関東大震災直後記虐殺された朝鮮人への追悼文を出すことをやめた小池百合子東京都知事への抗議という2部構成で行いました。
日本共産党の原誠瀬戸市議は、イスラエルがやっていることも過去に朝鮮人に対してやったことも根底にはレイシズムがあると指摘します。埼玉県川□市で起きているクルド人への差別を例に「現在の日本でも同じことが起きかねない。過去や今起きている事実を多くの人に知ってほしい」と立つ理由を語りました。