イスラエル軍は23日、レバノンの首都ベイルートなどへの空爆を開始し、空爆による死者は23日以降で600人を超えました。
イスラエルのネタニヤフ首相が国連総会で演説するため米ニューヨークに到着した26日、パレスチナ自治区ガザヘの軍事侵攻に抗議するデモ行進が同市内で行われました。
参加者は「私たちはネタニヤフをジェノサイド(集団殺害)の罪で告発する」と唱和し、同氏の戦争犯罪を厳しく非難しました。そしてイスラエルに武器を送り続けガザでの虐殺に加担している米政府に、武器輸出の中止を強く求めました。
しんぶん赤旗の7つの記事を紹介します。
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イスラエル首相に抗議 ニューヨーク 集団殺害告発
しんぶん赤旗 2024年9月28日
【ニューヨーーク=東田菜央」イスラエルのネタニヤフ首相が国連総会で演説するため米ニューヨークに到着した26日、パレスチナ自治区ガザヘの軍事侵攻に抗議するデモ行進が同市内で行われました。
参加者は「ネタニヤフ、あなたは隠れられない」「私たちはあなたをジェノサイド(集団殺害)の罪で告発する」と唱和し、同氏の戦争犯罪を厳しく非難しました。イスラエルによるレパノンヘの攻撃が激化するなか、参加者は「中東から手を引け」と訴え。イスラエルに武器を送り続けガザでの虐殺に加担している米政府に、武器輸出の中止を強く求めました。
行進は、国連本部に向かった後、多くの店が立ち並ぶ中心街を進みました。ドラムや太鼓を打ち鳴らし、沿道から「パレスチナの解放を」と連帯を示す声も上がりました。
イスラエルと米国を批判するプラカードを掲げていた□ーレンさん(22)は、ネタニヤフ氏が国連で演説することについて「言葉では言い表せないほどの憤りを感じる」と話し、虐殺を続ける同氏の姿勢を非難。イスラエルや米国が市民の声を聞かず失望することがあるとしたものの、それでもいま起きていることを人々が無視できないように行動を続けることが「答えのーつだと思う」と語りました。
アントニア・□ペスさん(22)は、ネタニヤフ氏に「あなたは歓迎されていない」と言う必要があると強調。戦争が終わらないなかでも「(抗議する)私たちはいまもここにいる」と力を込め、イスラエルに抗議する人々の団結が広がっていると訴えました。
ヒズボラ指導者殺害 イスラエル軍が発表 レバノン空爆 住宅地にも被害
しんぶん赤旗 2024年9月29日
イスラエル軍は28日、レバノンの首都ベイルート南郊のイスラム教シーア派組織ヒズボラの本部に対して27日に行った空爆で、同組織の指導者ナスララ師を殺害したと発表しました。ロイター通僻が伝えました。
イスラエル軍の報道官はX(旧ツイッター)を通じて、イスラエル軍が「テロ組織ヒズボラの指導者ナスララを除去した」と発表。イスラエル軍は声明で、住宅地の地下のヒズボラ本部に対し「精密な空爆」を行ったと説明しました。ヒズボラは、ナスララ師の安否について発表をしていません。
7月31日に、イスラム組織ハマスの最高幹部ハニヤ政治局長が訪問先のイランで殺害され、イランはイスラエルによる攻撃だとして報復する姿勢を示していました。今回イスラエルが、イランの支援を受けたヒズボラの最高指導者も殺害したことで、地域の緊張は一層高まるのは必至です。
27日夜から28日にかけてイスラエル軍が行った空爆は、イスラエルがレバノンに侵攻した2006年以来、最大規模の攻撃でした。ベイルート南郊への空爆は、この1週間で4回目。ごの地域の多数の住民が家を離れ、ベイルート中心部の広場や公園、また沿岸部に身を寄せています。
レバノン保健当局によると、27日の空爆で、6人が死亡し、91人が負傷。犠牲者はさらに増えるとみられます。この1週間での死者は700人を超えました。
レバノンでは今週、家を追われた人は約10万人。累計で20万人をはるかに超えています。
ヒズボラ
アラビア語で「神の党」を意味するレバノンのイスラム教シーア派組織。軍事組織のほか政党として国会に議席を持ちます。1982年にイランの支援で結成され、学校や病院の運営も行っています。米シンクタンク「戦略国際問題研究所」(CSIS)は、保有するミサイルやロケット弾が12万~20万発、戦闘員は予備部隊含め5万人と推計。イスラエルや米国はテロ組織に指定しています。(時事)
ヒズボラとイスラエルを巡る動き
1982年 パレスチナ解放機構(PLO)追放を狙いイスラエル軍がレバノン侵攻
イスラム教シーア派組織ヒズボラ結成
2000年 イスラエル軍、占領していたレバノン南部から撤退・
06年 ヒズボラがイスラエル兵を拉致、イスラエル軍がレバノン南部侵攻
23年 パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスとイスラエルの大規模衝突開始。
ヒボラとイスラエルも散発的に交戦
【24年】
7月27日 イスラエル占領地ゴラン高原にロケット弾攻撃
30日 イスラエル軍、ベイルート空爆でヒズボラ軍事部門幹部殺害
9月17日 ヒズポラの通信機器が一斉爆発(18日も)
23日 イスラエルがレバノン大規模空爆を開始
25日 ヒズボラ、テルアビブに向けミサイル発射。イスラエル軍が迎撃
イスラエル軍参謀総長、レバノン地上侵攻の可能性に言及
27日 イスラエル軍、ヒズボラ指導者ナスララ
師を標的にベイルート南郊を空爆
28日 イスラエル軍、ナスララ師殺害と発表 (時事)
レバノン停戦支持 国連総長 速やかな履行迫る
しんぶん赤旗 2024年9月29日
【ニューヨーク=時事】国連安全保障理事会は27日、パレスチナ自治区ガザ情勢を巡る公開会合を開きましだ。グテレス事務総長は戦火がレバノンにまで拡大レだことで「地域全体が奈落の底に落ちかねない」と警告。米国や日本などが提案した一時停戦案を「全面的に支持する」と述べ、速やかな履行を迫りました。
グテレス氏は「われわれは今、停戦を必要としている」と強調。「終わりのない交渉を続けている余裕はない」として、イスラエルとレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラ双方に交戦停止を求めました。
イスラム組織ハマスによるイスラエル奇襲から始まったガザでの戦闘は間もなく1年を迎えます。会合では、この間に実効性のある手だてを打てずにいる安保理自体に批判の声が上がりました。
議長国スロベニアのゴロプ首相は「安保理は何をやっているのか。全く十分ではない」と語り、ガザの人道問題に関する新たな決議案の採択を目指す考えを示しました。
安保理は6月、バイデン米大統領が提案したガザ停戦案を支持する決議を採択しましたが、戦争終結にはつながっていません。
レバノン死者600人超 23日以降イスラエル軍空爆で
しんぶん赤旗 2024年9月28日
イスラエル軍は26日、レバノンの首都ベイルートを空爆し、2人が死亡、15人が負傷しました。女性1人が重体です。レバノン保健省が同日、明らかにしました。イスラエル軍の空爆による死者は23日以降で600人を超えました。レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラは26日の空爆で空挺(くうてい)部隊のムハンマド・スルール司令官が死亡したと述べました。
イスラエル軍は同日、同軍が過去1日でヒズボラの施設約220ヵ所を空爆したと発表。また、レバノン国境のイスラエル側で、レバノン地上侵攻を想定した演習を実施しました。
レバノンのハビブ外相は同日、国連総会で演説し、事態が制御不能に陥る前に即時停戦を勝ち取るよう国連に訴えました。(ロイター)
2万人以上が シリアに避難
しんぶん赤旗 2024年9月28日
【イスタンブール=時事】国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は25日、イスラエル軍の大規模空爆が続くレバノンから隣国シリアヘ数千人が避難を目指していると明らかにしました。AFP通儒は26日、既に2万2000人以上がシリア側へ逃れたと蓼じました。ただ、内戦などで荒廃したシリアは社会インフラが十分とは言えず、グランディ国連難民高等弁務官事務所は「中東に新たな危機の余裕はない」と警鐘を鳴らしました。
UNUCRによると、両国の国境では数百台の車両や徒歩でたどり着いた人々が滞留。女性や子ども、乳幼児らが屋外で夜を明かしながら国境越えのために待機しており、中には空爆による負傷者もいるといいます。ロイター通信は、レバノン東部ユニンでは25日の空爆で子供を含むシリア人23人が死亡したと伝えました。
中東の民主化運動「アラブの春」が波及して内戦に陥ったシリアからは、多数がレバノンヘ逃れました。今回の避難民にはレバノン人だけでなくシリア国籍の人々も含まれているとみられます。グランディ氏は「シリアの戦禍から安全を求めた家族が、今度は避難先で爆撃を受ける苦難を強いられている。こうした絶望の繰り返しは回避しなければならない」と訴えました。
UNHCRの推計では、レバノンには約150万人のシリア難民が身を寄せています。
イエメンからミサイル攻撃 イスラエル中部
しんぶん赤旗 2024年9月28日
【エルサレム=時事」イスラエル軍は27日未明、イエメンから発射された地対地ミサイル1発を迎撃したと発表しました。イスラエルを敵視するイエメンの親イラン武装組織フーシ派が撃ち込んだとみられます。未明に商都テルアビブなどイスラエル中部の広い範囲で警報が出されました。人的被害の情報は報告されていません。
フーシ派はハマスやヒズポラと連携し、紅海での商船襲撃を繰り返しています。7月にはテルアビブヘドローン攻撃を仕掛け1人が死亡。イスラエル軍が報復としてイエメン西部ホデイダに懲罰的空爆を行いました。
米仏など提案の 一時停戦を拒否 イスラエル外相
しんぶん赤旗 2024年9月28日
【エルサレム=時事】イスラエルのカッツ外相は26日、米国や日本、フランスなど12力国・機構が共同で提案したレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズポラとの一時停戦を拒否すると表明しました。
カッツ氏はX(旧ツイッター)で、戦争目標に掲げる「イスラエル北部住民の安全な帰還」を目指し、「勝利を収めるまであらゆる力を動員してヒズボラとの戦闘を継続する」と述べました。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。