2015年4月2日木曜日

「戦争立法」(1) 法案化の枠組み 米戦争に“切れ目なく”参加

 いま与党で立案が進められている安保法制は、ジャパンハンドラーの「アーミテージリポート」に沿ったものであると、30日の朝日新聞がスクープしました
※ 4月2日 日本は対米従属で孤立/アーミテージ論文に沿い安保法制整備
 
 アーミテージ元国務副長官ナイ・ハーバード大教授らジャパンハンドラー(日本操縦者)のことをメディアは「知日派」などと呼んでいますが、その実態は日本をアメリカの世界戦略に組み込ませる策動をする人たちであり、日本の自衛隊を普通の軍隊に変えて、アメリカ軍の手先部隊として世界中の戦線で使いまわせるようにするというのが彼らの狙いです。
 
 しんぶん赤旗が28日から“徹底批判!「戦争立法」”の連載を始めました。
 いま進められている「戦争立法」の問題点・憲法9条違反の内容を分かりやすく説明しています。
 
 連載は2日現在で5回目まで進みましたので、追いつくまでしばらくは2回分ずつ転載します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
徹底批判!「戦争立法」 (1)
法案化の枠組み 米戦争に“切れ目なく”参加
しんぶん赤旗 2015年3月28日
 安倍内閣が今国会での強行を狙う「戦争立法」。自民、公明両党による法案骨格の合意文書から、自衛隊が米国の戦争に「切れ目なく」参加・支援する危険な本質が浮かび上がります。危険と問題点を徹底批判します。
 
 安倍内閣は圧倒的な国民の反対世論に逆らい昨年7月1日に集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を強行しましたが、それを具体化する法律をつくって初めて集団的自衛権の行使も可能になります。自民、公明両党の合意に沿って、政府は4月中旬をめどに法案作成作業を始めています。(表参照)
 
「戦闘地域」へ
 合意の特徴の第一は、米国が世界のどこで戦争しても、自衛隊が従来の「戦闘地域」までいって軍事支援を行う仕組みをつくることです。
 これまでは自衛隊の海外派兵のたびに特別措置法をつくって対応してきました。今度は派兵恒久法を作って、米国などからの要請があれば、いつでも派兵できるようにします。
 これまで武力行使に対する「後方支援」には「非戦闘地域」という歯止めを設けていましたが、これを撤廃。従来の「戦闘地域」での自衛隊の活動を可能にする「戦地派兵」となります。この場合、敵から攻撃されれば武器使用して反撃することを、安倍首相は認めています。
 「捜索・救助」については「戦闘現場でも継続」することを、恒久法に盛り込もうとしています。自衛隊をまさに「殺し殺される」現場に置くことになります。
 「どこでも」という点では、これまで日本「周辺」有事で米軍を「後方支援」するための法律だった周辺事態法を改定。「周辺事態」という概念をやめ、「どこで」という地理的制約をなくします。恒久法を含め、地球の裏側までいって自衛隊が米軍支援をできるようにします。
 
 さらに国際平和協力(PKO)法の改定では、PKOでの武器使用権限拡大に加え、「国連が統括しない」人道支援や治安維持のための紛争地派兵まで可能にすることが狙われています。そうなればアフガニスタンで約3500人もの死者を出した国際治安支援部隊(ISAF)のような活動にも道を開きます。
 
先制攻撃でも
 第二は、「閣議決定」に対応し、政府の裁量次第で米国のどんな戦争にも参加できるようにすることです。
 具体的には、「武力行使の新3要件」を武力攻撃事態対処法などに書き込みますが、どんな事態が該当するかは、「個別的、具体的に政府が総合判断する」(安倍首相)というだけで、米国の先制攻撃でも該当する場合があることを否定していません。
 まさに「切れ目のない」対応を可能にする仕組みです。(つづく)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 新3要件 従来の武力行使の3要件に、海外での武力行使を可能にする違憲の集団的自衛権行使の要件を付け加えたもの。(1)わが国に対する武力攻撃が発生したこと、又はわが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これによりわが国の存立が脅かされ、国民の生命、自由、幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険があること(2)これを排除し、わが国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段のないこと(3)必要最小限度の実力を行使すること。
                                                


図