2015年4月18日土曜日

翁長知事と安倍首相が初会談 辺野古基地問題

 17日午後、翁長雄志知事安倍首相首相官邸で会談しました。
 
 安倍総理大臣は「辺野古への移転が唯一の解決策だ。これからも丁寧な説明を理解を得るべく努力を進めていきたい」と述べました。
 翁長知事は「政府は、仲井真前知事が埋め立てを承認したことを錦の御旗として辺野古移設を進めているが、去年の知事選挙その他で新基地反対の圧倒的な民意が示された沖縄はみずから基地を提供したことは一度もなく、人の土地を奪っておきながら、『老朽化したから世界一危険だから沖縄が負担しろいやなら代替案を出せ』と言うのは理不尽私は絶対に新基地を造らせない」と述べ、計画を撤回するよう求めました。
 
 菅官房長官は、今後安倍総理大臣と翁長知事がたびたび会うことは日程的に難しい。沖縄防衛局もあるので、事務的に詰めていくことも大事だ」と述べ沖縄県民移設計画に反対しているということをオバマ大統領に伝えて欲しいとの翁長知事の要望に対しては、「安倍総理大臣は日米の同盟関係の話をするわけで、一つ一つということではない」と記者団に答えました
 
 先般の翁長・菅会談で、沖縄が辺野古基地を受け入れられない理由を明確にし、海兵隊の基地を沖縄に置く必要性がないことも明らかにされているにもかかわらず、再び首相が「辺野古への移転が唯一の解決策だ」と全く同じ説明をしたのは、理解に苦しむところです。
 ボールは政府の側にあるのですから、国土の0.6%の広さしかない沖縄が受入を拒否した以上他に移転先を求めるというのが筋です。それをしないのは沖縄以外の解決策を探る意思のない証拠です。知事と会談することで、移設に本格的に取り組む姿勢を米側に示すのが狙い(産経新聞)なのでしょう。
 
 交渉の膠着状態を演出しながら、基地の建設だけは『粛々』と進めて完成させてしまうというのが政府の作戦です。基地が完成してしてしまえば移らざるを得ません。したがって移転を拒否するのであれば基地の建設阻止が急務となります。
 
  翁長知事は認可取り消しのタイミングを狙っているものと思われますが、その一方で、政府のペースに乗ってしまっているとする手厳しい指摘もあります。
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「辺野古反対は圧倒的民意」 知事、首相に伝達
琉球新報 2015年4月17日  
 【東京】 翁長雄志知事は17日午後、安倍晋三首相と首相官邸で会談した。翁長知事が会談の冒頭で「(米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設の)前提条件は崩れている。選挙で民意は出ている」と述べた
 これに対し安倍首相は「辺野古移設が唯一の解決策」と従来見解を繰り返し、移設推進の考えをあらためて示した。翁長知事の就任後、首相が会談するのは初めて。会談には菅義偉官房長官と安慶田光男副知事が同席した。
 翁長知事は会談後、記者団に対し安倍首相の訪米を念頭に「オバマ大統領に県知事、県民が(辺野古移設に)明確に反対しているということを伝えて下さいとはっきりと申し上げた」と述べた。安倍首相からの返答はなかったという。【琉球新報電子版】
 
 
沖縄知事、移設中止を要求 首相「唯一の解決策」、初会談
東京新聞 2015年4月17日
 安倍晋三首相と沖縄県の翁長雄志知事は17日午後、官邸で会談した。米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設に関し、首相は市街地にある同飛行場の危険性を除去する「唯一の解決策だ」と強調し、理解を要請した。
 翁長氏は移設反対を掲げて勝利した昨年の知事選などに触れ「圧倒的な民意が示された」として、移設作業中止を求めた。両氏の会談は昨年12月の翁長知事就任以来初めてで、移設をめぐる対立が鮮明となった。国と沖縄県は対話を継続する方針だ。
 首相には28日のオバマ米大統領との会談を前に、日米合意に基づく辺野古移設推進に向けて翁長氏との摩擦を緩和したい思惑がある。(共同)
 
 
安倍首相と翁長知事が初会談 互いに主張述べ合う
NHK NEWS WEB 2015年4月17日 
安倍総理大臣は沖縄県の翁長知事と初めて会談し、「名護市辺野古への移転が唯一の解決策だ」と述べ、アメリカ軍普天間基地の危険除去に向けて移設計画への理解を求めました。これに対し、翁長知事は「私は絶対に新基地を造らせない」として、計画の撤回を求めました。
 
沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設計画を巡って政府と沖縄県の対立が続くなか、安倍総理大臣は17日午後、総理大臣官邸で沖縄県の翁長知事と初めて会談しました。
この中で、安倍総理大臣は「普天間基地の一日も早い危険性の除去は、われわれも沖縄も思いは同じであろうと考えている。一歩でも二歩でも進めていかなければならないというなかでは、辺野古への移転が唯一の解決策だ。これからも丁寧な説明をさせていただきながら、理解を得るべく努力を進めていきたい」と述べ、普天間基地の危険除去に向けて計画への理解を求めました。そして、安倍総理大臣は「嘉手納基地以南の返還もスタートしており、こうしたアメリカ軍施設の沖縄への返還を順調に進めながら、沖縄の発展に生かしていきたい。沖縄の未来をつくっていくうえでも、国としても一緒に歩みを進めていきたい」と述べ、引き続き、沖縄の基地負担の軽減や振興策の実現に取り組んでいく考えを示しました。
 
これに対し、翁長知事は「政府は、普天間基地の県外移設という公約をかなぐり捨てた仲井真前知事が、埋め立てを承認したことを錦の御旗として辺野古移設を進めているが、去年の名護市長選挙、沖縄県知事選挙、衆議院選挙で、辺野古への新基地反対に圧倒的な民意が示された」と述べました。そのうえで、翁長知事は「沖縄はみずから基地を提供したということは一度もない。みずから土地を奪っておきながら、政府は、『老朽化したから。世界一危険だから。沖縄が負担しろ。いやなら代替案を出せ』と言う。こんな理不尽なことはない」と述べました。また、翁長知事によりますと、翁長知事は会談の中で、「私は絶対に新基地を造らせない。沖縄県民は移設計画に明確に反対しているということを、アメリカのオバマ大統領に伝えていただきたい」と述べ、計画を撤回するよう求めました。 
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沖縄県側と対話続けていく考え  (省  略)
首相の英断を期待  (省  略)
率直な意見交換できた  (省  略)