新聞などが、安保法制に例外なき事前承認が付されたと報じていますが、明日の自由を守る若手弁護士の会は、それは『国際平和支援法』で自衛隊を派遣する場合だけ「例外なく国会の事前承認が必要」としたことに過ぎず、自衛隊を戦闘地域に派遣して武力と一体化したような後方支援にあたらせること自体、憲法に違反していると述べています。
新聞等が安心材料めいたことだけを大々的に報道するのは困ったことです。
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「例外なき事前承認」あぁ安心…なわけがないっ!
そもそも憲法違反でしょ
明日の自由を守る若手弁護士の会 2015年4月23日
自衛隊を海外派遣する際にいちいち特別立法を作らずに派遣できるような法整備にしたーーいという政府の下、いわゆる「恒久法」の準備が進められている中、自民党と公明党は、政府が自衛隊を派遣する際には「例外なく国会の事前承認が必要」というルールにしよう、と合意したんだそうです。
(読売新聞の報道はこちら↓自衛隊派遣「例外なき事前承認」合意…与党協議)
そして、この合意について、公明党の山口代表はこんな感じで胸を張ります。
(NHKの報道↓山口代表 例外なき事前承認「画期的」)
(一部抜粋)焦点となっていた外国軍隊への後方支援のための新たな恒久法、『国際平和支援法』で自衛隊を派遣する際の国会承認の在り方について「例外なく国会の事前承認が必要としたことは、かなり画期的な内容だ」と評価しました。…(-_-)。
皆さん、この報道を聞いて、どんな感覚をお持ちですか?
例外なく国会の承認が義務づけられたんだね、あぁそれなら安心だ!
…って思いましたか?
MASAKA!
まさか、ですよね。
いろんな意味での「まさか!」があります。
まず、「例外無い」といったって、恒久法においては例外がない、だけです。
政府が法整備しようとしているのは恒久法だけでなく、集団的自衛権の行使を具体化するための、武力攻撃事態法の改正と周辺事態法の改正もあり ます。この2つについては緊急時には国会の事後承認で足りる(政府の一存で自衛隊を派遣できる)、ってことで合意したのです。国会の承認なくして、政府の一存で他国間の戦争に参戦できるわけです。
それのどこが「画期的」なのでしょう?
それに、自衛隊を戦闘地域に派遣する(かなり高い確率で戦争に巻き込まれるでしょう)ことについて、国会の事前承認が必要だなんて、 当ったり前の話です。
さらに問題の本質を言えば、よしんば事前の承認を得たところで、自衛隊を戦闘地域に派遣して武力と一体化したような後方支援にあたらせること自体が、憲法に違反してませんか、というところが問題なのです。その「恒久法」では、自衛隊が行けるのは非戦闘地域だけ、という限定が取っ払われます。戦闘地域に自衛隊が行く のです。「日本が攻撃されて国民の生命が危機に瀕した時に最低限の防衛をするため」に設けられた自衛隊が、です。
自民党と公明党の合意が、どこから見ても「画期的」ではないこと。
国会の事前承認があるんだからもう安心、などという些末な議論で決着がつく話ではないこと。重要なのは、そもそも憲法に違反してるんじゃないの、ということ。
そこんとこ、国民の皆さんはよぉぉぉく知っておかなければなりません。
(東京新聞の報道はこちら↓「例外なく事前承認」は一部国際貢献の他国軍支援のみ)
こういう、そもそも憲法違反なんだけど、という問題の本質を どこかにおいやって、ゼッタイ事前承認が必要だから安心してー、という議論の持って行き方、なんだかゴマカされてる気がします。
安保法制、分かりづらいですよね!
わざと分かりづらくしてるんじゃないの…?と勘ぐりつつ、あすわかも、少しずつですが、わかりやすく解説していきますので、
乞うご期待☆