9日、憲法学者らが東京都内で記者会見を行い、「先月成立した安全保障関連法は憲法9条に抵触し正当性を持たない」などとして廃止を求める声明を発表しました。
この声明には全国の憲法学者200人余りが賛同し、学者らは今後も市民とともに全国で活動を続けていくことを明らかにしました。
また8日夜、文京区で安全保障関連法に反対する集会が開かれ、弁護士のグループが「安保法は憲法違反だ」として年内にも全国で一斉に裁判を起こす準備を進めていることを明らかにしました。
集会で内田雅敏弁護士は、「この法律は私たちが平和に暮らす権利や人格権を侵害しており、憲法違反だ」として、国に対して損害賠償に加え、法律を施行しないよう求める訴えを起こす方針だと述べました。
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憲法学者200人余 安保法廃止求める声明
NHK NEWS WEB 2015年10月9日
先月成立した安全保障関連法に反対する憲法学者200人余りが「法律は憲法9条に抵触し正当性を持たない」などとして廃止を求める声明を発表し、今後も市民とともに全国で活動を続けていくことを明らかにしました。
この声明は憲法学者が東京都内で会見して発表したもので、全国の憲法学者200人余りが賛同しています。
声明は、「安全保障関連法は憲法9条に明らかに抵触する憲法解釈に基づいたもので、まったく正当性をもたない」と指摘しています。
そのうえで、「反対する多くの市民の声が全国各地で広がった。新しい民主主義の芽吹きを研究者の立場から今後も支持したい」として、今後も全国で市民と連携して法律の廃止を目指すとしています。
賛同している憲法学者たちは、今後、憲法の講座を各地で開くほか、シンポジウムなどを通して市民とともに全国で活動を続けていくということです。
会見で石川裕一郎聖学院大学教授は「今回、学生や母親たちなど幅広い人たちが日常生活の中で憲法を考え、集会に参加し、SNSで意見交換することが同時並行的に起きた。この動きを今後につなげていきたい」と述べました。
弁護士グループ「安保法は憲法違反」年内にも一斉提訴へ
NHK NEWS WEB 2015年10月8日
安全保障関連法に反対する集会が8日夜、東京都内で開かれ、弁護士のグループは「法律は憲法違反だ」として年内にも全国で一斉に裁判を起こす準備を進めていることを明らかにしました。
これは安全保障関連法に反対の立場で活動を続けている内田雅敏弁護士が8日夜、東京・文京区で開かれた集会などで明らかにしました。集会で内田弁護士は、「この法律は私たちが平和に暮らす権利や人格権を侵害しており、立憲主義を否定する」として少なくとも全国の8か所の裁判所で「法律は憲法違反だ」として国に対して損害賠償に加え、法律を施行しないよう求める訴えを起こす方針だと述べました。また、取材に対してすでに弁護士のグループを作り、年内にも一斉に提訴する方針で準備を進めていることを明らかにしました。
安全保障関連法に対しては複数の個人や団体がすでに訴えを起こしたり提訴の準備を進めたりしていて法律の合憲性は各地の裁判所で争われることになります。また、8日の集会では、9月19日に安全保障関連法が成立したことから、今後は毎月19日に法律に反対する行動を続けていく方針も確認しました。