2015年10月14日水曜日

辺野古埋め立て承認を取り消し 翁長雄志知事

 翁長沖縄県知事は13日午前、名護市辺野古沿岸部の埋め立て承認を正式に取り消し沖縄防衛局に通知しました。辺野古埋め立て工事は前知事の承認によって可能になったものなので、それが取り消されれば工事を進めることは出来ません。
 しかし、政府は今秋の本体工事着手を目指し、法的措置を速やかに取って取り消しの効力を停止すると思われるので、今後は県と国との全面的な法廷闘争に入ります。
 
 これに先立ち翁長知事は2月に辺野古埋め立て問題第三者委員会を立ち上げ、5月1日には「取り消しと撤回は法的に別の行政行為に当たり、承認手続きの瑕疵の存否の判断を待つことなく、先行して撤回を行うことは法的に十分可能」とする答申を受けていました。そして引き続き7月16日には「埋め立て申請書は法の要件を満たさず、承認した手続きに法的瑕疵があると結論づけ、取り消しは可能」とする答申書を受け取っていました。
 
 今後防衛省は公有水面埋立法を所管する国土交通相に取り消し処分の効力停止と処分の取り消しを求める行政不服審査を申し立て1週間程度で効力停止は認められる見通しです。
 それに対して翁長知事は取り消しの効力確認や工事差し止めを求める訴訟を提起し、以後防衛省との法廷闘争に発展することになります。
 
  (関係記事)
2015年5月3日 辺野古埋め立て「撤回、法的に可能」 識者が県に意見書 
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辺野古埋め立て承認を取り消し 翁長雄志知事 職員が文書を防衛局へ
琉球新報 2015年10月13日
 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設計画をめぐり、翁長雄志知事は13日午前、埋め立て承認を取り消した。県土木建築部の職員らは13日午前9時すぎ、承認取り消しの文書を持って県庁から沖縄防衛局に出発した。知事が取り消し会見を開く前に防衛局に手交する方針だ。
 
 取り消し文書の決裁はすでに終わっていて、文書が防衛局に到達した時点から取り消しの効力を発する。同日午前9時前に登庁した翁長雄志知事は「淡々とやりたい」と取り消し会見への決意を語った。【琉球新報電子版】
 
 
辺野古抱える名護市長、知事評価 「全面的に支持」
東京新聞 2015年10月13日
 沖縄県名護市の稲嶺進市長は13日、翁長雄志県知事による同市辺野古沿岸部の埋め立て承認取り消しについて「県民が期待していた日がとうとうきた。全面的に知事の行動を支持していく」と述べ、評価した。市役所で記者団の取材に応じた。
 
 稲嶺市長は、県との連携を今後も密にすると強調。政府に対しては「取り消し手続きは大きな効力を持つ。法治国家というなら従うべきだ」とけん制した。さらに「本体工事に着手するのは地方自治を無視し、違法。そんなことが許される国ではないはずだ」とくぎを刺した。(共同)
 
 
沖縄・翁長知事、辺野古埋め立て承認取り消し
産経新聞 2015年10月13日
 沖縄県の翁長雄志知事は13日午前、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古移設で、公有水面埋立法に基づく辺野古の埋め立て承認に瑕疵(欠陥)があったとして承認を取り消す手続きを行った。午前10時からの記者会見で正式表明する見通し。
 
 防衛省は同日中にも同法を所管する国土交通相に取り消し処分の効力停止と処分の取り消しを求める行政不服審査を申し立てる。1週間程度で効力停止は認められる見通しで、防衛省は移設作業を進め、工事にも着手する。
 
 翁長氏は取り消しの効力が停止されると、効力確認や工事差し止めを求める訴訟を提起し、防衛省との法廷闘争に発展する見通しだ。
 
 防衛省による辺野古の埋め立て申請は、一昨年12月に仲井真弘多前知事が承認している。翁長氏は、昨年12月の就任後に設置した県有識者委員会が承認手続きの法律的瑕疵を指摘した報告書の内容に沿い、埋め立て承認を取り消した。
 
 取り消しの理由は、自然環境破壊と騒音被害、基地負担の固定化などの観点から、辺野古沖を埋め立てて普天間飛行場の代替施設を建設することは公有水面埋立法が規定した適正で合理的な国土利用との要件を満たしていないと指摘。辺野古沖周辺の生態系保護など環境保全措置も不十分で、同法の要件を充足していないとも結論づけた。
 
 8月10日から9月9日までの1カ月間の政府と県による集中協議の終了後、防衛省が辺野古沖で移設作業を再開したことを受け、翁長氏は9月14日、埋め立て承認を取り消す方針を表明した。
 翁長氏は取り消しに向けた手続きも進め、防衛省の見解を確認する聴聞を10月7日に行うと通知した。防衛省は聴聞出頭の代わりに9月29日、「埋め立て承認に瑕疵はなく、取り消しは違法」と主張する陳述書を提出。県は10月7日に聴聞手続きを終了した。